オズの五人の子供達
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第一幕その八
「オズの国の主の」
「あの人は色々な魔法を使えるから」
「だからあの人に会えばいいわね」
「それじゃあ今からエメラルドの都を目指そう」
ジョージは恵梨香とナターシャのやり取りを聞いて言いました。
「そうしよう」
「そうね、それじゃあね」
「まずは黄色い煉瓦の道を探そうよ」
ジョージは皆にこうも言いました。
「あの道はエメラルドの都まで一直線につながっているからね」
「そうだったね、あの道を行けばすぐに行けるね」
神宝も言います。
「それじゃあね」
「黄色い道を探そう」
皆はジョージの言葉に従いまずは黄色い煉瓦の道を探すことにしました、けれどここでなのでした。
不意にです、五人に声をかけてくる人がいました、その人はといいますと。
「あれっ、君達あっちの世界の子供達だよね」
「はい、そうです」
「あちらの世界から来ました」
「そうだよね、まさかと思うけれど」
声をかけてきたのはあの人でした、カボチャ頭のその人です。
「僕と同じ様にして来たんだね」
「じゃあまさか貴方は」
「カボチャ頭の」
「そうだよ、ジャックだよ」
そのカボチャの頭から言ってきます、見ればその身体は木で木の身体の上に服を着ています。まさにカボチャ頭のジャックです。
「僕がね」
「まさかご本人がハロウィンに参加していたなんて」
「時々あっちの世界にも行っているんだ」
ジャックは明るい声で恵梨香に答えます。
「そうして遊んでいるんだ」
「そうなの」
「あの学校の時計塔があっちの世界への出入り口なんだ」
ジャックは五人にこのこともお話します。
「こっちの世界、オズの国からあっちの世界に行くには何処でもオズって言えばいいけれどね」
「こっちの世界に戻るにはなのね」
「うん、あそこでオズって言わないと駄目なんだ」
その時計塔のところで、です。
「こっちの世界から出るのは絶対にあそこで戻るにもあそこに行かないといけないんだ」
「それでこっちの世界に出て来るのは?」
「あっちの世界に行く時にオズって言った場所だよ」
そこに戻って来るというのです。
「そうなっているんだ」
「そうだったのね」
「うん、ところで君達は僕を見てここに来たんだよね」
「はい、そうです」
恵梨香はジャックのカボチャの顔を見上げて答えました。
「ジャックさんと同じ様にして」
「そうだよね、じゃあ向こうの世界に戻るには」
「オズマ姫に会うんですね」
神宝がジャックに言ってきます。五人共ジャックの前にいますう。
「そうするんですね」
「そうだよ、オズマに会えばね」
そうすればというのです。
「オズマが君達の世界に返してくれるから」
「それじゃあ」
「僕について来て」
ジャックは明るい声で皆に言いました。
「そうしたらエメラルドの都まで行けるからね」
「お願いします、それじゃあ」
「一緒に」
「うん、行こうね」
こうしてです、五人はジャックと一緒にエメラルドの都に行くことになりました。オズマ姫に会って彼女の魔法で元の世界に帰してもらう為に。
五人はジャックと一緒に今煉瓦の道に向かおうとしました、ですがここで。
一行のところに三人来ました、彼等はといいますと。
青い上着とズボン、黄色い布に顔を描いた人が来ました。頭には大きな縁の三角帽子があり手袋とブーツも着けています。
二人目の人は全身ブリキです、頭の先は三角になっていてちゃんと目と鼻、口に耳もあります。その手には大きな斧があります。
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