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ヘタリア大帝国

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TURN125 シチリア降下作戦その九

 ドクツ軍が防衛ラインを構築し終えていた、ドイツ妹はその防衛ラインにいながらプロ伊勢にもうとに対して言った。
「防衛ラインは出来たわね」
「ああ、グスタフラインはね」
「これで一応は、だけれど」
「この防衛ラインは破られること前提だからね」
 枢軸軍は止められないというのだ、このグスタフラインでは。
「本番は次だよ」
「アルプスね」
「そこだよ、あそこに立てこもるよ」
「新兵器もあるから」
 ドイツ妹はその防衛ラインのことも話した。
「まさに難攻不落ね」
「サラマンダーもいるからね」
「コアはどうなのかしら」
 ドイツ妹はふと言った。
「あの兵隊は」
「あれかい?」
「ええ、あれよ」
「あの連中は総統さんがまだ動かさないって言ってるよ」
 プロイセン妹はかなり嫌そうな顔でドイツ妹に話した。
「まだだってね」
「予備兵力なのね」
「そうするみたいだね、けれどね」
「ええ、コアはね」
「使いたくないね」
 プロイセン妹はあからさまに嫌そうな顔だった、今も。
「出来ればね」
「そうね、犯罪者の頭脳を機械に移して戦うのは」
「頭脳は洗脳してるらしいけれどね」
「何か。いい感じはしないわね」
「あからさまに不吉だよ」
 だから二人共嫌っているのだ、それを顔に完全に出して話すプロイセン妹だった。
「だからね」
「出来れば、ね」
「使いたくないね」
 これがプロイセン妹の偽らざる考えだ。無論ドイツ妹もである。
「本当にね」
「そうね。けれど総統は」
「随分あの連中を気に入ってるね」
「大丈夫なのかしら」
「不吉なものを感じるのはあたしだけかい?」
「いえ、私もよ」
 ドイツ妹もだった、それでこう言ったのである。
「どうもね」
「そうだろ、犯罪者の脳味噌なんて使うものじゃないんだよ」
「それもガメリカから持って来た三つの頭脳は」
「あの三つだね」
「ガメリカでかなりの凶悪犯の頭脳だったらしいわね」
「噂によるとあれだろ?カルト信者にカリバニストにね」
「それと連続強盗殺人犯だったわね」
 ドイツ妹も噂だが聞いていた、このことを。
「そのどれもが」
「碌なのじゃないよ」
 最早言うまでもなく、だった。
「そんな連中の脳味噌なんて使えるかよ」
「そうよね、普通に考えたら」
「あの総統さんはどう考えてるかわからないけれどね」
「それと。他には」
「機械の大怪獣も開発してるんだったね」
「カナダにあったデータをそのまま使って」
 ノイマン研究所、ドロシーがそこで色々と開発研究していた場所だ。それもそこで見つけたものだというのだ。
「そうだったわね」
「そっちも何か不吉な気配がするんだよ」
 プロイセン妹は顔をさらに曇らせて話す。
「どうもね」
「この戦争大変なことになるかしら」
「そうならないといいね」
「ええ、本当に」
 こんなことを話す二人だった、とにかく今はだった。
 不吉なことを感じながらも枢軸軍をグスタフラインで迎え撃たんとしていた、そのグスタフラインにいるのはドクツ軍だけだった。
 イタリン軍は後方にいる、その指揮はイタリア妹とロマーノ妹が執っているが二人はイタリン軍にこんなことを言っていた。 
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