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新 バトルロワイアル

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第7話~第9話

 
前書き

一週目はさらっと流す感じで文章量も
比較的短いお話が続きます 

 



  ・・嘗て英雄になろうとした男がいた・・


  ・・その男は己の信念を掲げ最後まで
英雄であろうとした・・


  ・・(「これで終わりです神崎優衣
・・(私にだって子供が居る だからこそ
本当はわかっている こんな事正しい訳がない
だがそれでもこれで多くの人が救えるなら!!)
・・ミラーワールドはこれで消えてなくなる
  駄目ですよ先生そんな事しちゃ  
東條君っ・・何故  僕何だかミラーワールド
を閉じるのが嫌になっちゃって  ぐわぁあ
あああ!!  先生は大切な人でした
だから大切な人を殺したら僕も英雄に
近づけますよね」)・・


  ・・しかし本当は心の底では彼にも
わかっていた・・


  ・・己は決して英雄にはなれないと・・


英行「命拾いしたと言う訳ですか・・それとも
本当に生き返ったのか……もしそうなら
全ての黒幕は神崎士郎……貴方ですか………
それとも全く別の大きな存在がいるのですか」


場所はEー1 直ぐ側には広大な海が見えるこの
場所に香川英行は居た


今置かれている状況は彼の頭脳を持ってしても
一体どういう事なのか理解出来なかった


自分は元の世界でミラーモンスターから
世界の平穏を守る為ミラーワールドを存在
させる元凶の神崎優衣を殺す為に行動していた


ミラーワールド それは二十歳の誕生日に死ぬ
運命にある妹の神崎優衣を助ける為に神崎士郎が
神崎優衣の無意識下の力を使い作り出した
虚像の世界であった


その為に神崎士郎はモンスターを作り出し更には
ライダーと呼ばれる12人の戦士を作り出した


神崎士郎は己が選んだ者達に誘惑の言葉を
投げ掛ける 戦えと 最後の一人になれば
どんな願いも叶うとそう言って勝ち残った
最後の一人 強力な命を持つ最後の一人を
最後のライダーである13人目の自分が倒し
その命を神崎優衣に与える


それこそが神崎士郎の本当の目的つまりは
神崎優衣の死は神崎士郎の目的の崩壊に繋がり
ミラーワールドの崩壊にも繋がるのであった


神崎士郎の研究ファイルを見た事により
偶然それを知った香川英行は愛弟子の東條悟と
中村創と共に行動していた 全ては世界の
平穏の為に英雄になる為に


香川英行に取っての英雄とは多くを助ける為に
小数を切り捨てる事の出来る者 そこには
当然の事ながら己の命も含まれる


しかし英雄の存在に魅せられ暴走した東條悟は
香川英行のもう1人の愛弟子中村創を殺し
最期には香川英行自身も東條悟に殺された
それが香川秀之の最後の記憶である


そして何の因果かその愛弟子の東條悟も
この殺し合いに参加している 香川英行は
知らず知らず口を開いていた


英行「……東條君……私達は英雄には成れないんですよ」


香川英行は悲しげに呟く 分かっていた
香川英行自身にも分かっていたのだ


英雄とは自分達の行動を見て後の世の人々が
言ってくれる言葉だ


だが自分達は死ぬ運命にあるとは言え今はまだ
生きている まだ20歳にならない少女の命を
奪おうとしている その行為はまさに外道と
呼ぶに相応しい そんな事をする人達を誰が
英雄と呼ぶだろう


そもそも自分がオルタナティブのカードデッキ
を作ったのは神崎優衣を殺そうと行動していた
のは世界を守る為


確かに神崎優衣の事は哀れだとそう思っている
心の片隅では出来る事があるなら力になりたい
とも思う


だがその為に多くの人間を犠牲にし運命を
弄ぶのは間違っている そんな事をしても
彼女は喜んでくれないだろう


それは自分が父親だから家族を持つ父親だから
分かる事だ 香川英行はもう一度悲しげに呟く


英行「東條君……私達は英雄には成れないん
ですよ………なってはいけないんです」



  …………師匠と愛弟子 袂を別かった二人の
運命の再会が近づいていた………


  ………果たしてその時二人の決断する先
には何が待ち受けているのか……






新 バトルロワイアル 第7話 英雄を名乗る
哀しさ  香川英行 東條悟







沈んだ気持ちを切り替え香川英行は現実に
向き合い現在分かっている事を確認してゆく


英行「むぅ………ふぅ……6時間事に死亡放送
禁止エリア……禁止エリアには星人が徘徊し
倒すまで逃げられない 特定の者には能力の
制限……なるほど……確かに殺し合いをより良く
進めるなら当然でしょうね……私の場合は
カードデッキの能力の制限ですか」


ここまではおおよそは納得出来る物ばかりだ
しかし訝しむ事も存在する


英行「………この名簿の空白の多さはなんで
しょうか…………考えられる事は最初の段階で
知らせず後になって驚かせる……そんな所
でしょうか」


確かにこれなら効果は絶大だろう 何せ名簿を
見ても自分の知り合いが何人いるのかまったく
わからないのだ


これでは気が弱い者にはとんでもない事に
なってしまう恐れがある 香川英行は決意を
口に出していた


英行「何としても止めなければなりません
………そしてもう1つ…………一体どの様な
原理なのか」


そう言って香川英行は上空を見上げる
空を見上げれば当然雲がある筈であった
現にここには間もなく夜が終わり太陽が出る
兆しの朝日が差し込んでいる


しかし太陽と雲があるはずの空には別の世界が
広がっていた しかも自分は地上から空を
見上げているのに 上空に写る世界はまるで
空から地上を見下ろした光景なのだ


恐らくはこちら側が地下世界に当たるのだろう


見上げる視線の先には工場らしき建物があり
先程GUTSとロゴマークの入った白い戦闘服
のような物を着た若い青年が建物の中に
入っていくのが見えた


その際確かに己と視線があったのだが何の反応
も示さなかった処を見ると向こうの世界からは
こちらは見えていないようだった


英行「例えるならミラーワールドですね
……こちらから見えているのに相手からは
見えない……やはり神崎君………あなたですか
………………ふぅ」


そう呟いた香川英行は大きくため息を吐くと
一度目を閉じる


そして何かを決断したように力強く瞳を開ける
と静かに口を開いた


英行「………君はどう思いますか…………東條悟」


そう言って香川英行はゆっくりと後ろを
振り返る


そこには静かに微笑む愛弟子の東條悟が居た 



………………
 ……………………


東條悟は喜んでいた またこれで英雄に一歩
近づく事が出来る 暗かったがあの部屋には
かなりの人数がいた 恐らくは50人は超える
だろう


それだけの人数を全て殺せば自分はまた英雄に
近づくんだ そう信じて疑わなかった 


しかもここには己の恩師香川英行が居る
彼ならどうせば英雄になれるのか答えを教えて
くれるだろう


悟「先生……僕に答えを教えてください
………そして僕はまた英雄に近づくんで
す……先生を殺して英雄…はひっ」


その時ふと元の世界での事が蘇る


  ………(「インペラーは俺が殺したんだぜ
俺だよ留めを刺したのはな」)・・


悟「何を言ってるんだよ!! 佐野君は僕が
殺したんだ 僕がこの手でっ 英雄になる為に
殺したんだ!!」


  ………(「教えてやるよ 英雄ってのはさ
なろうとした時点で終わりなんだよ つまり
お前ははじめからアウトってわけ」)………


悟「ひゃは… …は………ひゃひっ……彼奴等は
何を言ってるんだ………そんな事あるわけない
……だって僕は……英雄なんだから…………
そうですよね先生」


そう呟きながら歩いていると軈て前方に
見知った後ろ姿が見えてきた それを確認した
東條悟の表情が喜びに染まる


悟「ああ……先生………先生僕に答えを教えて
ください」


英行「・・・・東條君」



  …………そして師弟は再会した…………


  ・・・・



悟「先生……やっぱり生きてたんですね
先生に教えてもらいたい事があるんです」


東條悟は歪に微笑みながら香川秀之に質問を
ぶつける


悟「教えてください先生 英雄になるには
どうすればいいんですか 皆酷いんですよ
僕は英雄になるのにその為に佐野君だって
殺したのに………それなのにあの弁護士は
僕は英雄に成れないってそう言うんです
英雄はなろうとした時点で終わりだって
…………ふひっ……ふへへへ………そんな訳
ないですよね………ねぇ先生僕に教えて下さい」


東條悟は嬉しそうに笑っていた 一見正気に
見えるその表情だが香川英行には分かっていた
後ろを振り返る前から分かっていた


彼は既に正気を超えてしまっていると


そして佐野満まで殺してしまっていた事に
例えようもない虚しさを覚えると共に
短いながらも一緒に行動した佐野満に
心の中で懺悔する


香川英行は哀しみを堪え静かに呟く


英行「っ……(私の教えが間違っていたのですか
・・ならば責任を取らなければいけませんね)
……東條悟……私達は英雄には成れません
……なってはいけないんですよ」


悟「なっ!?」


東條悟の表情が驚愕にゆがむ それを見て
香川秀之は今更ながらに自分自身の見通しの
甘さを後悔した


愛弟子に真実を告げるのが辛い 出来る事なら
彼には自分自身で気がついて欲しかった
彼が何故一番最初に中村創を殺したのか
英行は理解していた


中村君は己達程英雄に固執していなかった
彼の目的はあくまでもミラーワールドを閉じる
事だった 彼にとって研究所の仲間が殺された
時点で英雄等信じてなかったのだろう


そのせいで東條君との間に大きな確執が生まれ
取り返しの付かない事になってしまった


そしてもう1つ あの弁護士とは恐らくは
北岡秀一の事だろう 向こうはこちらの事を
知らないだろうがライダーの存在を調べる途中
で彼の存在も知った


確かにそうだろう あの男ならばそう言うのも
頷ける そしてその様な言葉を言われると言う
事は私が死んだ後も愛弟子の暴走は止まらな
かっ たのか


英行「くぅうっ・・・何て事だ」


英行は項垂れ頭を静かに左右に振った


一方英行の真実を聞いた東條は信じられない
ような表情で英行を見る


悟「………何を言ってるんですか先生
……何を言ってるんですか先生っ……だって
先生は英雄になる為に行動してたんでしょうっ
……先生言ったじゃないですか……先生言った
じゃないですかッ……英雄になるんだって
………先生言ったじゃないですかーー!!!!」


東條の絶叫に英行は悲しみを堪えて後悔の念に
自分自身を責めながら東條悟に告げる


英行「東條君……私達のしようとしている事は
英雄とは程遠い道です………東條君・・
英雄なんて者はね…………この世に存在しては
いけないんですよ」


悟「嘘だぁーーー!!! うああぁぁぁーーー!!!!!」
スチャ


英行の言葉に東條は絶望に咆哮すると懐から
虎のレリーフがされたカードデッキを取り出す


英行「……東條君」
スチャ


それを見て英行も背広の内ポケットから
自身のカードデッキを取り出す


英行の表情が更なる後悔に染まる 最早対決は
避けられなかった


悟「嘘だ…嘘だ……嘘だッ!! 僕は英雄に
なるんだーー!!! 先生ーーー!!!」


そう叫んで東條悟はカードデッキを直ぐ側の
海面に翳すと腰にベルトが現れる 

東條悟は涙を流して絶叫する


悟「変身っ!!!」


東條悟の身体が虎の鎧に覆われる 

これこそが東條悟のもう一つの姿 

白虎の化身仮面ライダータイガ


英行「………残念です東條君」


それを見て英行も自身のカードデッキを
海に翳す 腰にベルトが巻かれ英行は変身する


英行「変身ッ!!!」


香川秀之の身体が光に包まれ次の瞬間には
山羊のような鎧に覆われる


これこそがミラーワールドを閉じる為に
香川英行自身が作り出したオリジナルライダー


その名も擬似仮面ライダーオルタナティブゼロ


  …………変身を終えた二人言葉少なに
静かに向き合う…………


英行「東條君・・・これが私達の運命
なんですね」


悟「先生ぇ僕は先生を殺します」


  …………嘗ては志を同じくしながらも
袂を別った悲しき師弟対決が始まる…………


英行「ならば私は東條君 君を止めてみせます
例えそれが君を殺す事になろうとも」


悟「だって僕は英雄なんだから」


  …………東條君 私達は決して英雄には
なれないんですよ………


英行「行きますよ東條君!!」


悟「行きますよ先生!!」


  …………僕は英雄になるんだ………


英行「ぬうぅん!!」


悟「先生ぇええええ!!」




後書き

悲しき師弟対決

香川英行対東條悟


因みに香川秀之仮面ライダーオルタナティブの
ファイナルベントは私のオリジナルにします

では次回を楽しみに

















????「何故だーーー!!!! 剣心ーーーー!!!!  
うおおああぁぁーーー!!!」


????「ぬうぅう……何故だッ……何故人は
こんなにも残酷になれるんだァ!!!」


???「けっ……こいつはあの暗闇の声と同じだ
………こいつは悪にも劣る外道だぜ」


ここは地下世界 場所はDー4 直ぐ東側には
広大な山脈が東南に延びており 南西に歩けば
湖に辿り着くこの場所で三人の男達が上空を
見上げ慟哭していた


一人は志を同じくし心から信頼していた者の
悪鬼羅刹振りに血の涙を流し咆哮していた


一人は人間を信じ愛しながらも 一方では
人間の余りにも残虐非道な惨殺ぶりに嘆き
悲しんだ


もう一人は冷静だった 取り乱しもしなかった
彼はあくまでも冷静に されども心の中では
怒り狂っていた


  ……… そんな彼らの上空にはエリア一面に
広大な地獄絵図が展開されていた………


  ………それは嘗ての哀しき物語 一年前
一人の少年が仲間と約束し その仲間を失い
ながらも懸命に生きようとした物語………


  ………その少年を恋人との誓いを胸に秘め
最後まで少年を救おうとした少女の物語………


  ………その少年の未来を 夢を 希望を
無残にも引き裂いた1人の悪鬼の物語………


  ………そしてその悪鬼羅刹を兄の意志を
胸に抱き何時も兄の背中を追い続けていた
一人の少年がその身を賭して悪鬼羅刹に挑んだ
物語………






新 バトルロワイアル 第8話 悪を背負いし者
相楽左之助 不動明 神崎狂





佐之助「うっらあぁッ!!!」
ドゴォオン!!!


地下世界 D-4 中心部に一人の若者がいた
年齢は20歳前後だろうか


髪を逆立て祭りで着るような白い着物に背中に
悪一文字を背負ったこの若者


名前を相楽左之助と言った 彼は恐らくは
参加者の中では一番今の状況に理解が及ばな
かったかもしれない 何故なら彼は明治時代の
人間である


彼は正義であって正義ではない 彼は悪
悪一文字を背負いし者


だが彼にとって悪とは外道ではない 悪を
持って悪を倒す 背中に背負った悪一文字
それは誰よりも誇り高い背中だった


相楽左之助は喧嘩屋である 喧嘩が出来れば
何処へでも行く


それが切っ掛けで不殺を生業とする緋村剣心と
知り合い 神谷薫 明神弥彦 斎藤一等とも
知り合い 共に生きてきた


彼の最後の記憶は仲間の嬢ちゃん神谷薫が
惨殺されたのが誤解だとわかり仲間達に平穏が
戻り 自分は小船に乗り仲間と過ごした場所に
別れを告げた筈だった


  ・・(「やべえなもう見つかっちまったか
じゃあなお前らとは此処でお別れだ  待てよ
左之助っ逃げるのかよ!! その背中の文字は
飾りかよ!!  だったらよ・・お前も背負って
みるか?・・この背中の悪一文字を この重さを
お前も背負えるか?  あぁ・・背負ってやるさ
俺はお前みたいな弱虫じゃないぞ!!  
そうだその意気だ・・じゃな剣心  うむ・・
達者でやるでござるよ左之助  じゃあな皆っ
あばよ!!  左之助ぇええ!! 元気でな
ぁあああ!!」)・・


しかし次に目を覚ませば訳の分からない暗闇に
つつまれており 目が醒めたばかりで暗闇に
目が慣れない内に少女が殺されそうになり
それを助けた自分よりも年若い少年が無残にも
殺された


そして暗闇の声に飛びかかろうとした次の瞬間
今の場所に佇んでいたのだ


その後に彼がした事はルールブックの確認等
ではなく怒りを発散させる事だった


左之助「っんの……糞野郎がーー!!!!」
ドガアァァーー!!!!


相楽左之助の鉄拳が頑丈な岩をいとも簡単に
粉砕して行く


左之助「あんな餓鬼(ガキ)に何してやがる
んだァッ!!!!」
ドグアァッ!!!!


相楽左之助は怒りにまかせて岩山を殴り続けた


左之助「ハア…ハアッ…ハ アッ……ハアァッ
……ちくしょう」
ドサァ カラン


漸く落ち着いたのか相楽左之助はバックを
放り投げ岩山に腰掛ける


その際バッグの中から何かが外れたような音が
したが彼は気がつかなかった


左之助「……ふうっ……何時までもこうしてても
しょうがねぇ……あっと・・そういやあバック
の中にルールブックがあるとか言ってたな」
スタスタスタ 


余程怒り心頭していたのだろう10分程は
そうしていただろうか 相楽左之助は漸く
気持ちを切り替えバックを取りに行くと
落としたバックを拾い上げ


  ・・中を開いた・・


左之助「……こん中に入ってるんだったな
〔ピカアァァーー!!!!〕…うおあぁっ!!!……
一体どうしたッ!!!」


  ………その瞬間バックの中から一条の光が
上空に向かい迸った………


そして信じられない事が起こった 相楽左之助
は唖然とそれを見ていた


左之助「………なんだぁこりゃあ」



  …………(「諸君ようこそ集まってくれた
君達にはこれから最後の一人になるまで
殺し合いをしてもらう さぁあ楽しいゲームの
始まりだァ!!!」)………


左之助「これはさっきの光景か?・・・
否違う
生き残れるのは一人って言ってやがるぞ?
・・それじゃあこれは一体何なんだ?」


……………
 …………………


D-4 東部に全身黒一色の服を着た男が静かに
佇んでいた


男は野性味溢れる獣のような恐ろしい気配を
全身から漂わせていた


しかし彼は人間である 彼の名前は不動明
人間の心を持ち悪魔の身体を持つ悪魔人間
デビルマン


彼は瞳を閉じて考え込んでいた それはあの
広い部屋での事


少年の事はとても気の毒だった 出来る事なら
直ぐにでも助けたかった


しかし彼はその時ある人物を見付けた


暗闇の中だが自分には直ぐに分かった
その人物は白一色の服を着て 黄色の髪
金色の瞳 全身からは神々しい気配を漂よわ
せていた


そして彼を見つけて驚愕していたせいで事態が
終わってしまった


その人物の名前は飛鳥了 嘗ては心から信頼
する仲間であった


地球を侵略せんとする恐るべき悪魔デーモンと
一緒に戦ってきた親友


しかしデーモンが人間に宣戦布告してから
その後行方知れずになった


次に了が現れたのはテレビだった 不動明は
飛鳥了がデビルマンの存在を地球に教えて
くれると思っていた そして人間とデビルマン
が共存できると


しかし違った 飛鳥了は不動明をデーモンだと
全世界に放送してしまう 飛鳥了に導かれ
デーモンと合体した時の映像を流され不動明は
自身を理解してくれた牧村家に別れを告げ
飛鳥了を追った


  ・・(「来たか・・遅かったじゃないか明
  あぁ一晩中かかっちまったよ  テレビ局
を出てからずっと此処で考え事をしていたんだ
  何を考えていた俺を否世界中を裏切った事
への反省かそれとも後悔か!!  そのどちら
でも無いさ明あれは当然の事なんだよ  
もう1度聞こう了 何の為の心変わりだ
・・場合によっては了・・お前を殺さなければ
ならん  新しい時代が始まる新しい歴史が
始まる・・そう俺達デーモンの新時代が!!
  了君は・・そうかお前が  私はデビルマン
軍団とは戦いたくない・・新しい時代に
生きてくれ明  了・・お前がサタン
だったのか」)・・


そして飛鳥了の正体を知る 嘗て神に挑み
悪魔と共に神と戦った悪魔の首領大魔神サタン
それこそが飛鳥了の正体だったのだ

短い邂逅の後飛鳥了はデビルマンとは戦いたく
ないそう告げて二人は別れた


それが不動明の覚えている最後の記憶だった
あの後どうなったのか 牧村家は無事なのか
一刻も早く帰りたい そして飛鳥了と決着を
つけねばならない


彼は知らない 飛鳥了も暗闇の中であの惨劇を
しっかりと見ていた事を


その状況で何の反応も示さなかった事を
不動明は気がつかなかった


飛鳥了と再会した時 その時不動明が下す
決断とは如何なる物なのか


運命は飛鳥了と不動明を何処に導くのか
どのような未来を望むのだろうか


不動明「さて……これからどうするか……
能力が制限されている以上変身は多様出来ない
からな……おそらく疲れも相当なものだろう」


不動明は先程デビルマンとなり能力制限を
試してみたが制限は思いの他深刻だった


能力は恐らくは全快時の1/3も有れば良い
場合によっては一割程だろう


これでは不味い 勿論ゲームに乗った者も
同じ条件なら問題は無いが変身後の疲れが
相当なものだ 一刻も早く仲間を集めて
行動しなければならない


そこまで考えて不動明はふと思い付き
支給品を手に取る


不動明「糸なし糸電話………もし本当にこれが
使えるなら便利な道具だが……これは未来の
道具何だろうか………少なくとも今の時代には
こんなものは無いが」


不動明はもう一度支給品を確認すると
これからどうするかともう一度考える
その時西の空が光輝いた


不動明「!?……一体なんだあれはッ……光が
広がっていく……空に何かが………一体何が
あったんだ………とにかく光が登った場所に
行かなければ」
バサアァァ!!!


不動明は突然の異常事態に空を飛び直ぐに行動
を開始した


目指すべき場所は光のあった場所エリア中心部



  ………(「のび太君 ジャイアン 静ちゃん
スネ夫 皆絶対に諦めちゃ駄目だよ皆で生きて
帰ろう!!   勿論だよドラえもんッ!
   当たり前だぜ俺達は仲間だ 心の友だろ!!
   そうよ 絶対に一緒に帰りましょう  
そうだよ最後まで皆で頑張ろう」)………



………………
 ………………………



Dー4 南部 そこにその男はいた 男は死人
だった 死人のような姿だった


顔は青白きこ全身を骸骨の刺繍された服を着て
無表情に佇んでいた


そんな彼が軈てポツリと口を開いた


神崎「……気に入らねえ」


それは誰に対してなのか 自分自身か或いは
暗闇の声か 少しの後再び彼は口を開く


神崎「……気に入らねえ……自分はのうのうと
ふんぞり返ってやがってのほほんと高みの
見物か!!」
ガバアァ!!


その言葉と共に彼は腕を振りかぶり力一杯
地面に叩きつける


神崎「っのジャンキー野郎がァーー!! 
ムカつくんだよォー!!! この神崎狂を
嘗めるんじゃねえぇ!!!」
ダガアァ!!!


男の名前は神崎狂 嘗てはジャンキー中毒者
であり 地獄の使者と言われ恐れられたが
日々野晴矢との己自身の誇りをかけた戦いで
自分自身を取り戻した


  ・・(「覚えておけよ日々野次は絶対に
負けねぇ  応よ何時でもかかってきやがれ
俺様は無敵じゃ  そのてめぇを倒して俺が
無敵の男になってやるよ  言ってくれるじゃ
ねぇかなんならナイフでも拳銃でも持って
きやがれ  ふざけんなてめぇはこの拳で倒す
絶対にだ 何の小細工もしねぇ男と男の勝負だ
  へへっそう来なくちゃな  ふんっ」)・・


今ではもう薬には手を出していないし無闇
やたらと暴力を振るってもいない そんな彼
には今と昔で変わらなぬ信念があった


それは何時でも神崎狂は自分自身で動いていた
と言う事だ


何処かに隠れて姿を見せない何て事は神崎狂に
取っては今も昔も許せる事ではない

そして何よりも神崎狂が許せないのは


ギリィ
神崎「っの……ふざけんなぁーー!! 彼奴は
腰抜けなんかじゃぁねえぇーー!!!  彼奴は
日々野が認めた奴だッ 奴は最高だ 最高の男
なんだよーー!!!!」


岡本清志郎はあの日々野晴矢が認めた奴だ
日々野は神崎狂に取って永遠のライバルだ


そんな好敵手が認めた最高の男を腰抜けなどと
言われて神崎狂は黙っていられなかった
神崎狂は猛る怒りを口にする


神崎「奴だけは絶対に許せねぇ………今に
見てろよ糞野郎……直ぐに俺の前に引きずり
出してやる」


そう言って神崎狂が決意を固めたその時
北の空から光が広がった


神崎「ん?・・何だ?」


そしてその光は自分の居るエリアを覆っていく


神崎「一体………なんだこいつは……北の方から
………このエリアの中心部か・・誰が居るのか
確かめてみるか」


そう呟くと神崎狂は腰のベルトに挿していた
支給品の先が3つに分かれた奇妙な形の銃を
手に取り走り出した



  …………(「兄ちゃん 俺に力を貸してくれ
兄ちゃんみたいな強い力を皆を守る力を俺に
かしてくれ  計ちゃん私頑張るよ 何時も
計ちゃんが私を守ってくれたみたいに私も皆を
守るから 絶対に皆で生きて帰るからね
だから私を見守っていてね」)………


悪を背負い 心正しき道を歩む三人に天に映し
出された映像は果たして何をもたらす
のだろうか


  ・・三人の出会いは近い・・


……………
 ………………


  ・・(「僕はドラえもん宜しくね2人とも
  僕は野比のび太のび太で良いよ  俺は剛田武だジャイアンって呼んでくれ
  私は源静香です宜しくお願いします
  僕は骨川スネ夫スネ夫って呼んで下さい
  こちらこそよろしく 僕は加藤歩 
僕は中学生だから君達よりも少しお兄さんかな
絶対に皆で一緒に帰ろう  私は小島多恵
大学生よ よろしくね」)・・


相楽左之助は上空の映像を唖然と見ていたが
その時ふと思い出す事があった

暗くてよくわからなかったがあの眼鏡をかけた
小さな男の子に見覚えがあったのだ


佐之助「あの坊主………のび太って言ったか
………俺の近くに居たよな?……そう言えば
やたらと唸ってたな…それに彼奴の周りには
他の餓鬼共は居なかった筈だ・・って事は
つまりこの映像は」


訝しみながらも映像を見続ける相楽左之助だが
直ぐに彼は絶望の表情を浮かべる事になる



  …………(「それじゃあ僕らはもう行くよ
  仲間を集めたら必ず戻ってきます
  それまで待ってくれよな  また会おう
約束だよドラえもん達  はい勿論です
加藤さん小島さん  それじゃあ行ってきます
  絶対帰ってきてね そして皆で一緒に
帰るんだから」)…………



  …………(「拙者はどうすればいいのだ
もう一度この手を血に染めるのか?・・
っくうぅ!?・・まただまたあの声が聞こえて
きた・・血が」)………


左之助「なあっ!?……剣心!?……ちょっと待て!!!
剣心は名簿に名前が載ってるぞ!!!…………
それにのび太の様子の事を考えるとこれは
絶対に造り物じゃねぇ……それじゃこれは
過去の映像」



  ………(「加藤さんが最初に会った緋村剣心
さんは信用出来るって言ってたね  うん
まずは剣心さんを探そうか  剣の使い手
何だろ楽しみだなぁ  本物のお侍さんに
会えるなんて私凄く感激だわ  元の世界に
戻ったら皆に自慢してやろっと」)………


左之助「剣心………彼奴が居れば安心だ
子供達を導いてくれたんだろ?」


  …………(「はあ・・はあっ・・血の臭い
血の味・・上手い そうだ そうだったんだ
何を恐れてたんだっ 俺は抜刀済 人切り
抜刀済だあぁーーー!!!!」)………

 
左之助「馬鹿なッ!!! 落ち着け剣心ーー!!!
てめぇ何やってやがるーーー!!!!」


   ストンッ  ジャリ
不動明「………これは」


神崎「………」



  ………(「あぁあっ 居たよドラえもん
あの人じゃない?  うんきっとそうだよ
  良かったこれで一安心だな   えぇ
とても心強いわね  よし直ぐに行こう」)………



左之助「不味い・・あの眼は不味い……
駄目だ………駄目だッ……逃げろーーー!!!!」


不動明「近づいては危険だっ……早く
逃げるんだ!!」


神崎「…………」


  ………(「おーい緋村剣心さんですよね?
  探してたんですよ  ふひはっ・・死ね
  え?   危ないッ静ちゃん!!!  
ひぇ!!!」)………


左之助「剣心ッ……剣心ーーー!!!」


不動明「くそぉ ただ見てるだけなんてッ!!」


神崎「…………」
ギリィ



  ………(「ハハア 血を寄越せ お前等皆
殺してやるよ  逃げるんだ皆早く!!  
わああぁぁぁーー!! 助けてーー!!  
スネ夫ーーー!!!   ダメ追ってくるわッ 
ああぁああーーー!!   静ちゃーーーん!!!
  くそぉッ お前ら二人は逃げ ろーー!!!
早く行けーーーー!!! ヒャッハアアアア!!
  うああぁぁぁーー!!!  ジャイアーーン!!!
  早く逃げるんだのび太君!!」)………


左之助「ちくしょう……ちくしょう……
ちくしょう……逃げてくれ………逃げろぉーー!!!!」


不動明「……のび太君……ドラえもん……
無事でいてくれ」


神崎「…………緋村剣心か」



  ………(「のび太君 ここでお別れだ  
何を言うんだドラえもん!!!  誰かが彼奴を
足止めしなくちゃいけない  それなら僕がッ
  のび太君 強く生きてくれ   
ドラえもーーーーん!!!!」)………



左之助「何てこった……なんてこった……
剣心……てめえはぁーーー!!!!」


不動明「無力だ………こんなにも無力だなんて
これが人間の本質なのか」


神崎「くそっ…………無抵抗の者を踏みにじる
………胸くそ悪ぃぜ」



  ………(「ドラえもん達が死んだのも全ては
貴方を信用した僕の責任だ・・だから緋村さん
貴方は僕が止めます・・僕の命に代えても  やってみろ逆に俺がお前を殺して
やるよ  ふぅう・・兄ちゃん僕に力を貸して
行くぞ緋村剣心!!!  殺してやる!!」) …………


左之助「あの餓鬼っ・・死ぬ気かよ」


不動明「無茶をするな!!」


神崎「・・・」
ギリィイッ


  …………(「のび太君元気出してお姉ちゃん
がついてるから大丈夫だよ  ううぅぅ嫌だ
もう嫌だーー!! ドラえもん何処に居るのーー!!
 ジャイアン スネ夫 静ちゃん 僕を一人に
しないでーーーー!!!  駄目!! 落ち着いて
のび太君!!!」)………


左之助「………ちくしょう……見てらんねぇぜッ
…………何なんだコイツは」


不動明「………あんな小さい子供だ……あの子は
何も悪くない……それなのになんであんなに
苦しまなければならないんだ」


神崎「…………」



  ………(「ハアッ ハアッ 負けるもんか
自分自身に負けた貴方には絶対に負けない!!!  てめぇの御託は聞き飽きた 
さっさと死ねよ  なるんだ 僕は兄ちゃん
みたいになるんだ そして皆を守るんだッ!!!
兄ちゃーーーん!!!!  これで最後だ!!」) ………



  …………(「のび太君お願いだから銃を
下ろして  嫌だ嫌だ嫌だ!!  大丈夫
まだ間に合うよ お姉さんと一緒に帰ろう  嫌だ嫌だ 怖いよ怖いよ 僕を
一人にしないでよ!!!  大丈夫のび太君は
一人じゃないよ 皆何時も一緒だよ だから
希望を捨てないで・・ね のび太君お姉ちゃんと一緒に帰ろう  ううぅぅ
うああぁぁぁ!! 嫌だーー!! 誰か僕を
助けてよーーー!!! 〔ドゥオオオン!!〕」)………


左之助「畜生っ……泣いてるじゃねぇか……
あんな小さいガキが……助けてくれって
泣いてるじゃねぇか」


不動明「これが………これが人間のする事か
………こんな事本気で………何故だぁーーー!!!!」


神崎「畜生………あの小僧はこんな辛い思いを
1人で我慢してたのか……馬鹿野郎」


  …………(「ちくしょうてめぇなんかに
殺られるのか  ハアッ ハアッ やったよ
兄ちゃん 俺にも皆を守れたよ ねぇ兄ちゃん
俺頑張ったよ 兄…ちゃ…………ん」)………


左之助「なぁ………剣心よ………不殺(殺さず)
なんて大層な事ほざきながらこれが現実かよ
真剣勝負に 命(タマ)の取り合いに不殺なんざ
本当に大切な事なのか」


  …………(「あ・・あぁ・・お姉さ・・ん
  くふぅ・・ごめんねのび太君  どうして
お姉さんが謝るの!! ごめんねお姉さん
ごめんね!!  だってのび太くん泣いてるもの
悔しいよ 私は今まで皆に支えられてきたのに
なのに私はのび太君を助けてあげられなかった
悔しいよ  死なないでっ 多恵お姉さんッ!!!
  救ってあげれなくてごめんねのび太君
強く……生………き………………て   
多恵お姉さんッ!!!! うああぁぁぁーーー!!!
どうしてだよーーーー!!!! お願いだから僕を
一人にしないでよーーーーー!!!!!  
おめでとう野比のび太君が優勝者だ」)……………


左之助「…………」


不動明「……………」


神崎「…………」


映像が終わった後も皆項垂れて言葉もなかった
何を言えば良いのかそれすらもわからない


助けて助けて 僕を一人にしないで そう叫び
ながらも結局は独りぼっちになってしまった
可哀想な少年


今も殺し合いに参加させられている野比のび太


彼の友達ドラえもん ジャイアン スネ夫
静ちゃん 志を同じくした加藤歩 小島多恵
皆精一杯生きていた 皆で帰るとそう誓い合い
最後まで諦めなかった


野比のび太 彼は今どうしているのだろうか
今も一人ぼっちなのか


相楽左之助と不動明は哀しげに頭垂れていた


左之助「…………ちくしょう」


不動明「………のび太君」

神崎「ぅん?…………あれは?………ふふ」


ふと上空を見上げていた神崎狂が心なしか
優しい表情で口を開いた


神崎「お前ら上だ……見てみろよ」


佐之助「ん…………なんだよ一体……上って
………あれは!?………は……はは………そっか
…………良かったなのび太・・お前は今笑えて
るんだな」


不動明「あぁ……本当によかった………あの子は
一人じゃない……独りぼっちじゃなかったんだ」


  ・・見上げる上空では野比のび太が少女に
抱き締められて泣いていた・・


  ・・その横では年若い若者と女性が
二人を優しく見守っていた・・


  ・・のび太の頬に流れるその涙は悲しみの
涙ではない・・


  ………未来を作る誓いの涙だった………
















コーホーコーホー

???「…………」


地上世界エリア Jー8に一人の異様な男が居た
体格や雰囲気からすると恐らくは高校生だろう
と思われるその男は学生服の上にマスクを
かぶっていた 趣味? それともお洒落? 
否 否それは無い有り得ない あるわけが無い
何故ならその男が被っているマスクは
ホッケーマスクだったのだから


コーホーコーホー

???「…………(ふがふが)…」
ジタバタ


しかもこのマスクはリアルな擬音付きである
その上夜になるとマスクが怪しく光るので
恐怖倍増である その上何と普段なら支給品は
1人につき1つだが


なんとなんとなんと 出血大サービスで
血に塗れた真っ赤な鉈も一緒である 

まさに至高の逸品 誰もが羨ましがる最高の
支給品である


コーホーコーホー


???「…………(ふご ふご)……」
ジタバタジタバタ


この素晴らしい至高の支給品を見事手に入れた
人生の成功者は 彼の名前は


???「………ぷはあぁ! ええぇいッ なんじゃ
この支給品はーー!!!!  苦しいわーーーい!!!!」


彼の名前は諸星あたる 4月13日金曜日仏滅の
日に生まれたジェイソンの生まれ変わりである


あたる「ったく なんじゃいこの可笑しな
支給品は 一度被ったら中々はずせんぞ」


しかもこの支給品には 史上稀に見る最高の
機能が付いています それは


ぱひゅ~~ん
あたる「のおーー!!  ふごお!!!」
ジタバタ


そうなのです このマスクは自動追尾機能付き
なのです


更に更に大先輩のジェイソン先輩の大活躍の
DVD付きです家に帰ったら皆で見てね


これで君も今日からジェイソンになれるぞ


あたる「むごっほ ふごおーー!!!!」ジタバタジタバタ



  ・・この呪いを解く方法が1つだけあります・・


  ・・それはマスクの裏に小さな文字で
書いてあるんです・・



  ・・ですが彼はそれに気が付かない方が
良いのかもしれません・・


  ・・それがきっと世の為であり 世の
女性の為なのです・・


  ………呪いを解く只一つの方法 それは
乙女のキス………







新 バトルロワイアル 第9話 13日の金曜日
仏滅の男 諸星あたる 音無響子 鈴木一郎







諸星あたるは友引町に住む17歳の高校2年生
である 友引高校に通う学生で同級生には
面堂終太郎や三宅しのぶ 藤波龍之介の他に
押しかけ女房で宇宙人であり同じ家に同居
しているラム等友人関係も豊富である


彼の性格は一言で言うなら煩悩の化身である
三度の飯よりガールハント 女性を見かければ
ガールハント 街へ出掛ければガールハント
学校へ行けばガールハント


そんな彼に自称女房である鬼族のラムは
良い加減にしろとばかりに電撃を浴びせるが
次の瞬間には再びガールハントをしている


  ・・(「ダーリンまた女の子にちょっかい
かけてたっちゃったね!!  げっラム!?
  もう良い加減にガールハントなんて
止めるっちゃ!!  えぇい離せっ離さんか!!
お嬢さん達が俺を呼んでいるのだ!!  
そんなにデートしたいならウチとデートする
っちゃ  けっお前なんぞお断りじゃ 
おっ嬢さああん君可愛いね住所と電話番号
教えて 良かったらこれから僕とお茶でもどう?
  ダーリン・・〔パリパリッ〕・・お仕置き
だっちゃああああ!! 〔バリバリバリバリ
バリ!!〕  ほぎゃああああああ!!」)・・


面堂終太郎とは出会えば何時も衝突してばかり
だが周りの人間は声を揃えて言っ ている
曰くとても似た者同士だと


以前諸星あたるから煩悩を抜き取り真人間にする
そう考えて煩悩を抜き取ったが 煩悩を抜き
取った彼の身体は動く事がなかった


詰まりは彼の存在は欲望の化身なのである
そんな彼だが嫌われてるかと思いきや実際は
そうではない


元恋人の三宅しのぶは以前諸星あたるを善人
だと言った事がある


しかし彼は女好きである だが実際の所本当に
女性が嫌がる事はしない そんな所に彼の
人気の秘密があるのかもしれない 


そんな彼は何時もの様にありふれた日常を送り
学校で授業中の筈であったが気が付けば
此処にいた 


  ・・そしてそんな彼は 今とても気持ち
よさそうに寝ていた・・


コーホーコーホー
あたる「………ぐごお~~  ごひゅ~~
ごふぉ~~~~」


あれから数10分マスクと格闘し疲れ果てた
諸星あたるは先程までの元気が嘘のように
鼾をかいて寝てしまった


しかしこの男 幾ら疲れ果てたとはいえ一人で
然も周りには木が疎らに生えているだけの
比較的見晴らしのよいこんな場所で気持ち良さ
そう寝ているとは何と図太い神経であろうか


或いは何も考えていない能天気なのであろうか
まあこんな状況でもこれだけマイペースなのは
有る意味とても貴重なのかも知れない


コーホーコーホー
あたる「ふごっほっ……ふご~~ ごひゅ~~~」


平和である のどか過ぎる程平和な光景である


トコトコトコ
????「ん?……あらっ……何かしらあれ?」


????「むむ?………おやぁ ………何でしょうね?」


そんな彼のもとに二人の訪問者が現れた
果たして諸星あたるの運命や如何に


……………
 …………………


音無響子「ふう……のどかですわねぇ………
地平線から覗く太陽が気持ち良いですわね
鈴木さん」


鈴木一郎「そうですねぇ……今日も良いお天気
になりそうです」


未だ未だ若さ溢れる女性と 髪の毛の薄さが
少々気になるが人柄の良さが滲み出る気の
良さそうな年配の男性が一緒に歩いていた


のどかである まるで日常に戻ったような
ありふれた会話である 無論緊張感が無い訳
ではないのだろうが それ以上にこの二人には
このような状況でも何処か日常を想わせる
雰囲気が漂っている


女性の名前は音無響子 亡き旦那 さんの
残したアパート一刻館の若き管理人さんである


首からかけたエプロン姿がとても似合っている
真ん中のひよ子のプリントが可愛らしい


これで手に箒と塵取りを持てばまさに完全武装
の一刻館管理人音無響子さん降臨である


一方鈴木さんと呼ばれた年配の男性は…………
何でしょうかこれは?


どうやらこのおっちゃんはコスプレが趣味の
様である


全身を黒いスーツに身を包みスーツの所々には
ボタンのような丸い突起が出ている 
さながら黒い特殊部隊と呼ばれそうな異様な
外見である


知る人ぞ知るこの黒いスーツはとある世界で
GANTZと呼ばれる黒い玉に一度死んだ人間が
呼ばれ 星人と呼ばれる地球に潜んでいる
宇宙人と戦う世界がある


その世界で星人と戦う為に必要な言わば一種の
パワードスーツなのである 無論それ程の物
なら当然能力制御の対象だがそれでも十分の
威力を持っている


この二人音無響子とおっちゃんは偶然にも同じ
エリアに飛ばされお互いの人柄の良さから
直ぐに打ち解けて今まで行動を共にしていた
のである


  ・・(「まぁそうなんですの鈴木さんも
奥様を亡くされたんですのね  えぇ・・
早いものでもう10年になります・・あいつが
死んだ時には生きていく事に意味なんて
見出せませんでした  そうですわね・・
そのお気持ち良くわかります  そんな私が
変われたのも皆大切な仲間達のお陰です・・
こんな事言うのは恥ずかしいですが皆私の家族の
ような者ですよ  そうですわね家族って良い
ですよね 私も総一郎さんの事忘れた訳じゃ
ないけど・・でも今は過去を振り返らないで
未来を精一杯生きてみようってそう思えるんです
  ははは余程素敵な人に巡り会えたん
でしょうなぁ  えぇとても素敵な方です
私の1番大切な人・・(ありがとう五代さん)・・
鈴木さんも同じなんじゃありませんか?  
そうですな・・私達がこうしていられるのも皆
彼のお陰です・・(ありがとう玄野君)・・今度
音無さんの仲間達と皆で会いたいですな  
はいきっと皆喜びますわ 私も鈴木さんの
仲間達と会ってみたいです」)・・


そんな二人が楽しく世間話をしながら歩いて
いると前方に人影が見えてきた


近づいて見てみると何とその人物はホッケー
マスクを被り側には血の付いた鉈を置き呑気に
鼾をかいて寝ていたのである


響子「あらら……えぇぇと……どうしましょうか
鈴木さん」


おっちゃん「いやぁ……はたまたどうしたもん
でしょうか……気持ちよさそうに寝ていますね」


響子「えぇ 本当にそうですわね……悪い方とは
思えませんけど」


おっちゃん「そうですね……どちらかと言うと
遊び疲れて寝てしまった感じですね」


二人は目の前の異様な男を欠片も疑う事無く
まるで日常の延長線上のような感じで呑気に
会話を進めていく


或いは目の前の男が信用出来ると分かっている
のであろうか


もしそうだとするなら流石は年の功 大人の
女性と言わざるを得ないだろう


コーホーコーホー
あたる「ふが……ふごぉぉ……んぐお……ふご
………ふぬ?」
キョロキョロ


そんな事を呑気に話しているとどうやら目の前の
男が目を覚ました様である そしてしきりに
辺りを確認している


コーホーコーホー キョロキョロ
あたる「ふごおーー!!!」


そしてその瞳が目の前の二人を捕らえる
否お淑やかな雰囲気を漂わせる音無響子さんに
狙いを定める


それを知ってか知らずかこの二人 音無響子と
おっちゃんは呑気に挨拶をかわす


響子「あらっ気がつかれましたか おはよう
ございます 私は音無響子と申します」


こんな状況でも常識はきちんと忘れない流石は
強者揃いの一刻館の管理人さんである


そして音無響子に続いて隣のおっちゃんも
挨拶をする


おっちゃん「おはよう 気がついたかい
私は鈴木一郎 みんなからは何時の間にか
おっちゃんで定着してるから君も好きなように
呼んでくれて構わないよ よろしく頼むよ」


コーホーコーホー
あたる「ふごぉぉ くふっごおっ ごがふぉ」
ジタバタジタバタ


だが目の前の男はそんな事は気にせずひたすら
マスクを取ろうともがいていた


それを気にしたのか二人が更に声をかける


響子「あの 大丈夫ですか?」


おっちゃん「大丈夫かい 随分大変そうだね 
[スポン!!] 「ぷはあ!!」 おや外れたようだ 
「お嬢っさあぁぁん!!」…ね?」


だが目の前の男はマスクが外れると直ぐ様
音無響子に狙いを定めると周りの状況を気にも
せず若さ溢れる行動に出る


あたる「いやぁ いいお天気ですねぇお嬢さん
初めまして僕諸星あたるよろしくね」


こんな状況でも何時でも何処でもマイペースな
諸星あたるであった それにつられたのか
音無響子も挨拶を返す


響子「ご丁寧にどうも 私音無響子と申します
あら? マスクが外れると随分素敵な男の子
ですわね こちらこそよろしくお願いします」


なんとも無謀な挨拶である これが目の前の男
諸星あたるを知る人ならこの後の彼の反応が
手に取るようにわかるであろう


そしてその言葉に気を良くしたのか諸星あたる
は嬉しそうに話す


あたる「いやぁ 貴女のような美しいお嬢さんに
そんなこと言ってもらえるなんて感激だなぁ
それじゃあ早速喫茶店でお茶でもどうですか
僕が奢りますよう」


何時もならここで面堂終太郎や自称妻のラムが
止めに入るのだがその二人はここにはいない
頼みの綱のおっちゃんも二人の会話をニコニコと
笑って聞いている だがしかし諸星あたるの
暴走は続かない


あたる「ささっ お手をどうぞお嬢さん僕が
エス 〔ぱひゅ~~ん スッポオオオ!!〕 
ふごお!!!! 「あらあら 大丈夫ですかあたる君」 
ふごっ ごふぉ!!」


おっちゃん「はははは どうやらそのマスクに
相当気に入られたみたいだねぇ」


コーホーコーホー
あたる「ごふぉーー!!!」
ジタバタ ジタバタ


音無響子「おほほほほほ」


おっちゃん「はははははは」


  ………さてさてマイペースなこの3人の
これからや如何に………







あとがき


ギャグも大切です

場が和みます




新規あとがき

香川英行はファイナルベントの他ににもう1枚
私のオリジナルのカードがあります


東條悟は私個人としてはとても好きな人物ですが
彼がこれからどうなるのか

これからの彼の活躍(?)にご期待ください


左之助達の話でのび太の哀しい過去の一端が
明らかになりましたがこれですべてでは
ありません

この三人にも又其々の異なる立ち向かうべき
相手が存在します


諸星あたるが登場するお話は初めてのシリアス
なしのほのぼのとした笑いに満ちたお話でした


次回のこの3人の話ではさらに強力な味を持つ
2人の人物が登場します


シリアスが多いこの物語の中では数少ない
息抜きなので本当に楽しく書く事が出来ました


是非ともこの3人にはこれからも一種の
清涼剤でいて欲しいですな 
 

 
後書き

二週目からは物語も徐々に動きだし第一回放送後からは
文章量も一気に増えます


今は未だ序章の段階ですね 
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