万華鏡
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第五十三話 音楽喫茶その四
「誰が考えたのよ」
「けれどよ」
部長は五人のところにも来た、そして話すのだった。
「恥ずかしいからこそよ」
「そこに、ですか」
「いいものがあるんですね」
「バンと見せて何が色気なのよ」
半ズボンやスパッツのことであることは言うまでもない。
「恥ずかしいからこそよ。私も見せるの恥ずかしいから」
「だからこそ絶対領域が生きるんですね」
「部長さんの主張では」
「ミニスカートは見えないからこそミニスカートなのよ」
はっきりと言い切った、この言葉を。
「見せるとね」
「もうミニスカートの醍醐味がない」
「そうなんですね」
「まあ見えてしまうけれどね」
少し油断したらだ、だからアイドルも女子アナも狙われるのだ。本当に僅かな油断で盗撮されてしまうものだ。
「それでもなのよ」
「見せない様にする」
「それは絶対ですね」
「そうよ、いいわね」
部長は五人にも話す。
「じゃあいいわね」
「はい、それじゃあ」
「私達も」
「好きな衣装を選んで」
「露出は多いけれど肝心なものは見えない」
「そうした衣装ですね」
「じゃあいいわね」
こう話してだ、そしてだった。
部長は副部長達のところに行く、そのうえで今度は彼女達と話した。
残されたプラネッツの五人は衣装選びに入る、ここで。
美優jは制服を思わせる衣装、アイドルグループのそれを見つけそのうえで他の四人にこう言ったのだった。
「なあ、この服どうだよ」
「あっ、アイドルみたいな服ね」
「それね」
「ああ、これよくないか?」
こう言うのだった。
「あたし的にはいいと思うけれどさ」
「確かにいいわね」
「絶対領域って感じで」
琴乃と里香が美優の言葉に応えて言う。
「それに赤と白で目立つ服で」
「いいんじゃないかしら」
「だろ?じゃあ一度実際に着てみるか」
「そうね、それじゃあ」
「今からね」
五人はその制服を思わせる服、それを着てだった。
そしてだ、お互いを見て話した。
「いいんじゃない?」
「皆ね」
「スカートも見えそうで見えないし」
肝心のそれがまず合格だった。
「それに服も可愛いし」
「それじゃあね」
「これにする?」
「そうする?」
「じゃあ決まりだな」
選び出した美優が応える、そしてだった。
五人の衣装は決まった、だがこれで全て決まった訳ではない。今度の問題はというと。
景子はだ、四人にこう言った。
「それじゃあ次はね」
「歌ね」
「それよね」
「そう、何歌おうかしら」
このことを話すのだった。
「一体」
「この衣装ならね」
今も着ているその衣装を見ながらだ、彩夏が景子に答える。
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