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バトルロワイアル 桐山和雄の章

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第5話~第8話

 
前書き
バトルロワイアル桐山和雄の章詰め込み版の第2弾をお届けします


今回のお話から七原秋也が川田章吾のに策略よって徐々にその精神を
闇に落としています



このような作風はドラゴンボールIFや間接的な続編の
新バトルロワイアルにも受け継がれていますね


そしてこの後に七原秋也はとんでもない事を
してしまいます


因みに主人公の名前を貰っておきながら影が薄く
あまり活躍しないのは最早お約束ですね(笑) 

 




北の山頂上展望台の惨殺劇から程なくして
川田章吾は七原秋也、中川典子の元へ戻る
道すがらこれからの事を考えていた


川田「ククッこれで下準備は出来た 
二人の死を七原に言えば奴は益々桐山を憎む
…フハハハ!最高だッ!! 七原のような
正義感に満ちた奴程闇に堕ちたらとんでもねぇ
化け物に化ける、そして最後の仕上げは
奴の最後の心の寄り処を…………クカカカッ!!」


  ・・正に悪魔の考えであった・・

  ・・二人に危機が迫る・・


  ・・鍵を握っていた月岡彰は死んだ・・


  ・・だがそれを許さんとする意志は
新たな人物に受け継がれた・・


  ………新たな運命の歯車が今動き出す………





バトルロワイアル another story 
桐山和雄の章 第5話 

闇への入り口 伸ばされる手 伸ばさない手






七原達は既に何度も聞こえた銃声を気にかけ
ながらも川田章吾の帰りを待っていた


七原「川田…………無事だよな……頼むぞ」


典子「…………(もし川田君が無傷で戻ってきたら
……お願い月岡君無事でいて)」


  ……そして彼が帰って来た……


   ザッザッザッ


七原「!! 川田か!? 無事だったんだな!」


典子「そッ!!! …(そんな…それじゃあ月岡君は
……月岡君ッ!!)」


川田「………心配かけたな………今戻った」


  ・・川田章吾が沈痛な表情で戻って来た・・


  ・・そんな彼を七原秋也は心配して
駆け寄って行く・・


七原「川田ッ! 何故泣いてるんだ! 
大丈夫かッ、 友美子さんと雪子さんは
どうしたんだ!?」


典子「…………(違う)…………」


  ……だが典子には………


川田「くっ! ……すまない七原……二人は
……間に合わなかった」


七原「!! そんなッ!? 一体何があった!
……まさか………………」


典子「…………(だって)……………」


  …………嘘だとわかってしまった……


川田「……桐山に一歩遅れてしまった
………俺がついた時には……すまない」


七原「ウアアァァァーー!! 桐山ーー!!!
お前はーー!!!!」


典子「………(川田君)…………」


  ………何故なら川田章吾は…………


川田「奴は二人を守ろうとした自分の仲間の
月岡をも無惨に殺した……ホントにすまん
七原ッ!!」


七原「………許さねぇ………殺してやる………
桐山……殺してやるー!!」


典子「…………(笑って るもの)…………」

  ………楽しそうに笑っていたからだ………



  ……川田章吾は愉悦に打ち振るえていた………


川田「…………(堕ちたな、これでいい七原
お前は闇の入り口に足を踏み入れた…後は
落ちて行くだけだ クカカカッ)…七原ッ!
お前は何もしなくていい、罪は全て俺が背負う
桐山は俺がケリを付ける」


七原「何を言うッ川田!! 俺もついて行くぞッ
ゲームに乗った奴らはみんな殺してやる!!」


川田「……七原……すまん……(完璧だ…後は
仕上げだけだ………いや、その前にこいつにも
殺しの楽しみを味あわせてやらなければな
…フハハハ!!)」


典子「…秋也君………(どうすればいいの
………秋也君お願い…目を覚まして)」



  ・・七原秋也は川田章吾の魔手に
落ちてしまうのか・・


  ・・果たして中川典子の祈りは届くのか・・


ガサガサッ
???「……そこにいるのは誰なんだ?」


典子「……(この声はッ まさか!)……」


  ……その時一筋の希望がやって来た………


・・・・・・・・
  ・・・・・・・・


杉村は展望台を後にしてから七原秋也と
中川典子を探していた


想い人琴弾加代子も心配だが殺人鬼川田章吾を
野放しにしておけなかったからだ


その後程なくして展望台近くで探知機に
反応があり漸く探し当てた


果たしてこの邂逅の先にあるものは

・・・・・・・・
  ・・・・・・・・


典子「杉村君ッ!! 良かった…(来てくれた!
お願いッ秋也君を助けて!!)」


七原「杉村! 良かったッお前もいてくれれば
力強い、待ってろよ 桐山! 今すぐ
殺してやる!!」


川田「七原あまり思い詰めるな……(そうだ
それでいい フハッ!)……」


杉村「…なッ!?………七原……お前は…………」


七原秋也のあまりの変わり様に杉村弘樹は
絶句した、嘗ての正義感に溢れた眩いばかりの
笑顔は何処にもなかった


  ……目の前にあるのは復讐に狂った
悪鬼のようだった……


秋也の側には中川典子が何も出来ない悔しさと
悲しさで沈痛な面持ちで立っていた


七原「杉村力をかしてくれッ もうこれ以上の
犠牲者を出さない為に桐山を、ゲームに乗った
奴らを皆殺しにしてやろう!!」


川田「七原 お前一人じゃない俺も付き合うぞ」


  ・・川田は優しい表情で秋也に告げる・・


  ・・だがその瞳には優しさなど欠片も
なかった・・


典子「しゅッ  秋也君………」


典子は絶望する、もうどうにもならないかと
思いながらも何も出来ない自分に虚しさが
込み上げてくる


杉村「…………七原ァ………くッ……(予想以上だ
まさかこんな事になっていたなんて 
月岡の話は真実だった)」


杉村はどうすればこの状況を打破出来るのか
必死に考えた


杉村「………(どうする? 考えるんだ 
何かあるはずだ……ハッ! そうか! 月岡ッ!!
だがこの事は川田は勿論の事
今の七原にも話す事は出来ない 何とか
典子さんだけに伝えなければ)」


月岡の言葉の中の鍵に気がついた杉村は何とか
中川典子とコンタクトしようと知恵を振り絞る


七原「杉村俺達と一緒に行こうぜ!!
桐山をぶっ殺しに!!!」


杉村「……(七原! もう駄目なのか…)………
悪いが典子さんと二人だけにしてくれないか
実はここにくる間に委員長の内海に会って
典子さんに伝言があるんだ」


七原「なッ!?委員長の! だったら俺達も!」


川田「…………フム」


典子「!?……(そうか、わかったわ杉村君
貴方の考えが)…」


杉村「女の子の話だそうだから男にはあまり
聞いてほしく無いらしい」


七原「うッ わかったよ、俺達は離れた処で
待ってるよ」


川田「……まぁいいだろう」


杉村がそう話すと七原と川田は渋渋ながらも
納得した


二人は万が一を考え小声で会話した


杉村「典子さん……すまない俺が来るのは
遅かったのか……」


典子「そんなこと無いよ杉村君…ありがとう
来てくれて」


杉村「そうか…時間が無いから手短に話す
俺は月岡の最後を看取った 彼奴から真実を
全て聞いた」


典子「月岡君っ やっぱり月岡君は川田君に……」


杉村「あぁ…殺された…月岡は最後に言った
夕方に診療所、そう言った 恐らくはその時に
桐山と沼井が来る筈だ 典子さんは何とかして
七原を診療所に連れて来てくれ、俺一人では
あいつの闇は……」


典子「診療所……わかったわ 私が何とかして
診療所に連れていくわ」


杉村「すまない……俺はこれから瀬戸豊を
探して合流する、展望台からあいつが
走っていくのが見えた 遠目からだが誰かと
合流したようだ…おそらくは………」


典子「…………三村君ね………わかった
こっちはまかせて、診療所で会いましょう」


杉村「あぁ……すまない さっきの七原を
見ていると俺が一緒にいると逆に歯止めが
きかなくなりそうだ」


典子「………そうね……大丈夫……秋也君は
まかせて」


杉村「頼む」


杉村は心の中で想い人琴弾と幼なじみの
千草貴子を思い浮かべる


杉村「………(すまない 二人ともッ、三村達と
合流してこの事を伝えたらすぐに探す
だからもう少し待っていてくれ……無事で
いてくれ 頼む!!)……」


………………
…………………


七原「話は終わったのか?」


川田「……随分と長話だったな」


典子「ごめんね…杉村君とまた会えなく
なっちゃうからつい……」


七原「なっ!? 杉村ッ!! 何でだよ!!」


杉村「……(下手な事言えないな)…安心してくれ
俺は探知機を持ってるからこれから仲間を
集めるつもりだ」


七原「そうかッ!! さすが杉村だ!!
仲間を集めて桐山をぶっ殺そうぜ!」


川田「あぁそうだな、人数が多ければ
桐山も出だし出来まい」


典子「そッ そうね……(秋也君ッ!!)」


杉村「あ…あぁそうだな ( クソッ川田!!
これがお前の狙いか!!)」


  ……再会は次の再会への布石だった………


  ……だが本来正義の中心にいるべき
七原秋也は闇へ足を踏み入れてしまった………


  ………鍵を握る診療所での再会は
彼を正しき道へと戻せるのか…………


  ………彼らは大きな運命へとその身を
投げ入れて行く……………





あとがき

終わらなかった
( ̄。 ̄;)
本当なら三村サイド、桐山サイドも入る筈が………

思ったよりも長くなり過ぎです

七原秋也…止まりません

この先どうなるのか

典子ちゃんねらわれてますよ

さてさてどうなるのか

次回を楽しみに











三村信史は展望台よりそれ程離れていない南に
位置する場所で日下友美子と北野雪子の
呼びかけを聞いていた


突然の放送を聞き少し迷ったが陣地を離れ
幾分北上すると大きな銃声が聞こえ事態は
終わってしまった


何も出来なかった自分に葛藤しながら元の場所
に戻ろうとしたが展望台の方から探し人が
走ってくるのが見えて思わず声をかけた


信史「…………豊か?」


豊「え……あ……あぁ!!……信史ィ!!」


  ………二人の再開は新たな運命の引き金の
始まりであった………





バトルロワイアル another story 
桐山和雄の章 第6話

月岡彰の遺した物(希望)


信史「…………ふぅッ、そんな事があったのか」


豊「グスッ 俺何も出来なかった…月岡が
死んでいく処……ただ見てるだけだった
……ウウッ……ちくしょう……ちくしょう」


信史「………豊」


  ……三村信史は瀬戸豊から展望台で起きた
出来事の真実を知った……


豊は何も出来なかった自分を激しく責めていた
そんな彼に信史はかける言葉が見つからな
かった


豊「月岡言ってたんだ…自分も酷い怪我してた
のに友美子さんと雪子さんを必死に心配して
……最後はよくやったねって声を掛けてたよ」


信史「………そうか…あいつが、そうか」


豊「杉村は月岡の最後を看取ってたよ……
なのに俺はそれすらも出来なかった 怖くて
怖くて震えてただけだった」


信史「豊……そんなに自分を責めるな」


あまりの落ち込みように信史は話を変える


信二「豊教えてくれ、秋也と典子さんが
川田に騙されてるってのは間違いないんだな?」


信史が質問すると豊も記憶を思い出すようにして話し出す


豊「………うん本当だよ、ただ典子さんは
感づいてるようだって 逆に秋也は川田を
信用しきってるって そう言ってたよ」


それを聞くと信史は深くうなだれるように考え込む


信史「……不味いな」


ポツリと溢れたその言葉に豊は反応する


豊「えッ 何がだい信史?」


信史「無論二人の事は心配だが、命の危険で
言うと典子さんはとても危険だ」


その言葉に豊は反応する


豊「なッ! どういう事だい信史! 典子さんが危ないって」


信史「あぁつまりだな、今までの事から考える
と川田は七原を自分の側に引き込むつもりの
ようだな、無論最後は殺すんだろうが少なく
とも今すぐは大丈夫だろう……」



豊「なるほど……典子さんは?」


信史「典子さんは今一番危険だ、真実を
知らなければ利用価値はあるだろうが・・
真実を知っているとバレればもう用済みだ
……典子さんが危ない」


豊「そんなッ!! でも秋也がそんな事させない
よ!? だっ 「秋也の精神状態がまとも
ならな…」 えッ?」


信史「……話しを聞く限りでしかないが
秋也が川田を信じ続ければどうなるか予想も
つかない………なんとかしなきゃな………
クソッ!」


豊「そんなぁ…秋也ァ……」



  ……そう言って豊は天を仰ぐ……

信史「んッ? 豊首輪に血がついてるぞ
こっちに来いふいてやるよ」


豊「えッ! 本当にッ、ありがとう」


そう言って豊は首を信史に突き出した


だがこれが道を指し示す光となる


血のついた首輪をハンカチで拭う信史だが
そこで思わぬものに気づいた


信史「ん?? これは!!!…(そうゆう仕掛けかッ
あぶなかったもし気がつかなかったら………
…月岡………お前が…………教えてくれたのか
……俺達に…………)」


豊「信史?? どうしたの??」




突如黙り込んでしまった信史に豊は声を掛ける

信史は慌てて話し出す


信史「あッ…あぁすまない、血がかなり
酷かったんでな」


そう言うと信史は傍に置いてあったパソコンに
文章を打ち込だす


豊「?? どうしたの信史??」




信史は豊に打ち込んだ文章を見せる


豊が画面を覗き込むとそこには驚くべき事が
書いてあった……


豊「えぇと…………えぇ!!!…ムグッ」


声を出しそうになった豊は慌てて口を塞ぐ


そこには次のような事が書いてあった


血を拭ったときに盗聴器に気が付いたこと


カメラは付いていない事



そしてこれから説明するはずだったパソコンを
使っての分校へのハッキングの仕方の全てが
書いてあった


豊「…………」



余りの事に豊は声も出ないようだ



信二「…………(豊、これから先はお前の力が
必要だ……きついだろうか………頼むぞ)」


  …………信史は続けて打ち込んだ………



これからこのパソコンをカスタマイズして
奴らの分校にハッキングする


その為にはカスタマイズに時間がかかり
自分はパソコンから離れる事が出来ない


だから自分がカスタマイズしている間に
豊に分校を爆破する爆弾の材料を探してきて
欲しいと


しかも仮にハッキングが成功しても奴らの
コンピューターを支配出来るのは20分から
30分が限度だろうと


その上材料集めは1人ではとても無理だ
……それでもやるしかないと……だから頼むと
頭を下げられた


瀬戸豊は既に決心していた、あの信史が自分に
頭を下げたのだ、頼むと言ってくれたんだ


月岡が死ぬ処をただ見ているしか出来なかった
自分、そんな弱い自分から卒業しなければ
ならない


胸をはって三村信史の親友でいる為に
秋也や典子さんを助ける為に!!


だから豊は決意の言葉を告げる 多くを語らず
ただ告げる


豊「信史ッ、バスケをしよう……僕のパスを
受け取ってくれ!!」


信史「ゆッ……豊ァ……あぁやろうぜバスケを
………一緒にゴールまで突き進もうぜ!!!」


信史は嬉しかった、成功するかどうか
分からないそんな作戦


材料集めも危険と隣合わせだ、それなのに豊は
躊躇わなかった


胸をはって自分と一緒にくと言ってくれた


そして信史はもう一人の人物を思い浮かべる


自分達に希望を託してくれたクラスメイト
月岡彰の事を


信史「………(月岡 お前からのパス確かに
受け取った、ゴールするのは皆一緒だ
……後はまかせてくれ……お前は安らかに
眠ってくれ)……」



  ………空を見上げると昼空に流れ星が
流れた気がした………



  ・・月岡彰の魂は確と受けつがれた・・


  ・・そしてその魂は大きなうねりとなって
全てを覆い尽くすだろう・・



  ………舞台の役者は静かに動き始めた…………




バトルロワイアル another story 桐山和雄の章 第6話 月岡彰の残した物(希望)






あとがき

第6話上がりました

信二サイドは一番難しいです


ですが気合入れてやりました


この信二サイドは映画版入っています
わかるかな


さて次は主人公桐山、充サイドです

お楽しみに










ヒュン! ボコォ! 


充「はッ!、和雄さん この音は!」


桐山「あぁ…誰かが戦っているようだな」


充「やっぱりやる気になってる奴がいるのか!
けど…もし一方的にやられてるだけだったらッ
行きましょう和雄さん!!」


桐山「あぁ 行くぞ充」




  ・・もう間もなく正午になる時間帯・・


  ・・南の山頂上で桐山和雄と沼井充は
騒音を耳にした・・


  ・・いてもたってもいられず2人は
音のした場所へ向かう・・


  ・・だがこれが二人にとって思わぬ
手がかりとなるのだった・・



バトルロワイアル another story 
桐山和雄の章 第7話

掴んだ手がかり希望と絶望






千草貴子は幼馴染の杉村弘樹を探す中で
クラスメイト新井田和志と会うが嫌な雰囲気を
感じ取り逃げ出すが捕まってしまい攻撃を受け
戦いになる


貴子「良いわ…来なさいッ! 私の全存在を
掛けてアンタを否定してあげる!! アンタ
なんかに絶対負けない!!」


新井田「てめぇ……ぶっ殺してやるぜ!!」


戦いは始まった


貴子の武器はアイスピック 対する新井田は
ヌンチャクとどうやら近くの民家で手に入れた
らしいナイフを持っていた


新井田「オラァッ!」
ブゥン


貴子「そんな攻撃!」
ダダッ!


新井田のヌンチャクを脚力を生かして避ける
貴子だが


貴子「当たるか! 〔ツルッ!〕 っ!?」
ドタァ!


草に足を捕られ転倒してしまう


新井田「馬鹿野郎がッ くらえっ!」
ヒュン!


そこに新井田のナイフが貴子の足を狙う


貴子「ぐぁッ!?」


たまらず動きが止まる


その隙を逃さず新井田が襲ってくる


新井田「オラァ! ハッハァ!! ぶっ殺して
やるぜ!!」
ブゥン!!! ザシュッ!


貴子「くっ、ぐぁ!」


いまや戦いは一方的だった、始めこそ
スプリンターの脚力で優位だったものの
女性の力では新井田に適わず


その上脚を深く切りつけられ走れなくなって
しまい最早為すすべがなかった


新井田「へっへっへ どうした…最初の威勢は
何処いったー!! 〔ボコォ!!〕 誤って
みろよ、私は何もできませんみじめな女です
そう泣いて誤ったら許してやるよ!!」


あまりの苦しさに貴子は諦めてしまう


貴子「……ごめんなさい…私は………みじ…
(俺は貴子の事尊敬してるんだ)…!?弘樹」


  ……だが その時かつて杉村弘樹に言われた
言葉が蘇る……


  ……(「貴子…お前は誇り高い女なんだ
……どんなに強い力でねじ伏せられても
間違った相手には絶対に従わない……そんな
誇り高い女なんだ 俺はそんなお前を心の底
から尊敬してるんだ」)…………


貴子「……そうだよね……そうだったね…
ありがとう弘樹…貴方にそう言ってもらえた
ことが………私の一番の誇りだよ」


新井田「どうした、続きを言えよ!!」


貴子「…だから…こんな奴には………絶対に
負けない!!」
グサァッ!!


新井田「グアァーーー!!」


貴子「そうだよね弘樹!!」


一瞬の隙を突き指で新井田の目をつらぬく
踞る新井田に近くに転がっていたアイスピック
を突き刺しとどめを刺した


既に満身創痍の状態だ右足はナイフで深手を
負い片目も失明こそしていないが酷い状態だ


貴子「ハァハァッハァッ…大丈夫だよ弘樹」


   ジャリ


それでも彼女は生きていた、何一つ諦めたり
していない


貴子「もう走れないけど、探せるよ……
きっと会えるよ」


   カチャリ
   「(ニヤリ)」


貴子「弘樹ィ…私…頑張ったよ」


  ……貴子は背後から忍び寄る悪意に
気がつかない……


   「(さようなら、お馬鹿さん)」


  ……絶体絶命…………


  ………その時……


ダダダダッ
充「何やってんだッ、てめぇー!」


桐山「…お前は…相馬光子か」


貴子「 はッ!後ろ!?」


  …間一髪 桐山達が間にあった…


光子「チッ、邪魔が入ったわね」


充「テメェ、ナメた真似してくれやがって」


桐山「お前はゲームに乗ってしまったんだな」


光子「当然でしょう、私は何時だって奪う側に
回るわフフッ…それに私に言わせればゲームに
乗らない貴方達が理解できないわね……
本気で守る側になるつもりなの?」


そう言って光子は桐山達を見つめる


充「ふざけんな 馬鹿野郎!! 俺達をなめん
じゃねぇッ!!!!!」


桐山「俺達はお前とは違う、こんなゲームには
絶対に乗らない」


光子に桐山は決意のこもった言葉を返す


光子「まぁいいわ、じゃあね、また会い
ましょう」



  ………そう言うと相馬光子は踵を返し
逃げていった…………


光子がいなくなると桐山達は貴子に駆け
寄って行く


充「おいッ、無事かッ……て酷ぇ怪我だな
和雄さん!」


桐山「あぁ」


その後二人はここにくる間に民家から
持ち出した道具で貴子の応急処置をした


貴子「…………貴方達………本気なの?」


貴子が信じられないように言葉を出した


充「んぁ? 何がだよ」


桐山「………俺達がゲームに乗っていない
事がか」


貴子「………えぇ、正直びっくりしてるわ
……だってあの放送……」


充「ふざけんな、俺達はこんなクソゲームに
乗るほど落ちぶれちゃいねぇ」


桐山「……そうだな……だが俺達がゲームに
乗っている……そう信じ込ませてしまった
奴がいる」


貴子「?…どういう事?」


2人は全てを話した


南の端での事、月岡彰が襲撃者を追い掛けた事
その月岡彰との待ち合わせ、放送の事等
全てを話した


貴子「!?……南の端………大柄な男」


その中の言葉に貴子が反応した


桐山「……何か知ってるのか?」


充「本当かッ! 見たのかッ 博や竜平
金井を殺した奴を!!」



貴子は言葉を選ぶように話した


貴子「えぇ、まだ暗いうちに南の端から
二人の男が走っているのが見えたわ…………
川田章吾と赤松よ」


桐山「………奴か………なる程な・・だが赤松は
既に死んだ………おそらくは奴に利用され
用済みになり殺された…か」


桐山が的確な推理をする そしてそれを聞いた
充は怒りを隠せない


充「川田……奴が……奴が……許さなねぇ!!!」


  ・・遂に真実がわかり怒りに打ち震える
二人であった・・


貴子「……なる程ね、そういう事だったのね」


説明を聞き貴子も納得したようだ


  ………だが更なる真実が二人を絶望に
突き落とす……………


流される正午の放送


   「日下友美子さん、北野雪子さん
月岡彰君、矢作好美さん、倉元洋二君
新井田和志君」


貴子「っ!?」


充「なッ!?」


桐山「彰!?」


  ……あの桐山も驚きを隠せなかった………


桐山「彰…………何があった」


充「ふざけんなよ………アイツが…彰が……
ウアアァァァーーー!!!!」


  ………月岡彰の死亡放送に驚愕する二人………


  ・・そんな二人に2人よりも幾分冷静な
貴子が言葉を発する・・


貴子「……ねぇ、月岡君って川田を見張って
たんでしょう……それにあの呼びかけの声が
川田なら………」


桐山「なる程……つまり彰は二 人を助けようと
して川田に……そうも考えられるか」


充「……馬鹿野郎……てめえがそんなタマかよ
……人助けなんてよ、似合わねえ事すんじゃ
ねぇよ……ちくしょう」


貴子「………」


桐山「………充」


ギリィイッ
充「…俺はアイツの死体を見せられたって
そんな事信じねぇ………あいつが死んだなんて
そんな事あるわけねぇんだ……なぁ彰俺は
信じねぇぞ」


桐山「……彰……お前は満足だったのか?」


貴子「……川田章吾……か、とんでもない
悪党のようね」



  ・・友に死に涙する充・・


  ・・涙を怒りに変え川田章吾を許さんと
する桐山・・


  ・・真実を知り自らも運命を変えんと
する貴子・・


  ……真実に確実に近づいた3人 果たして
彼らは川田の野望を止める事ができるのか………






あとがき

千草貴子ちゃん生き残りまし た


はたしてこれからどうなっていくのか


もはや既に最初の構想から大きく外れて
しまいました


月岡が死に七原がとんでもない事になり


これからどうなっていくのか自分でも
わかりません


だからこそ作るのが楽しみです


皆さんどうか最後までお付き合いください









  ……杉村が居なくなり暫しの時が
流れていた……


七原「なぁ川田これからどうするんだ?
まだ仲間が集まっていないが桐山に攻撃を
しかけるか?」


川田「いやまだやめておこう、それに万が一の
事もある 道具の補給等もしておきたいな」


そんな二人の会話を聞きながらも典子は漸く
手に入れた僅かな希望に少し気が楽になって
いた


典子「………(ありがとう杉村君、貴方のお陰で
少し希望が持てた)」


杉村弘樹と別れた典子はこれからの事を
考えていた


秋也を助ける為に何としても診療所に行かな
ければならない


果たして彼女は秋也の闇を取り除く事が
できるのか





バトルロワイアル another story 
桐山和雄の章 第8話

運命に選ばれし者また一人






典子「…(月岡君、本当に死んじゃったんだね)…」


典子が一人物思いにひたっていると秋也が
心配して声をかけてくる



秋也「典子さんどうした、心配ごとかい?」


典子「うぅんなんでもないよ、心配してくれて
ありがとう秋也君」


典子は以前と変わらないように思われる
秋也の優しさがうれしかった、だが


秋也「そうか…心配するな典子さん桐山や
ゲームに乗った奴らを皆殺せば心配事なんて
無くなるさ、なぁ川田」


川田「あぁそうだな (…あぁ そうさ何も
心配するな…何もなフフッ)」


典子「ありがとう…(違うよ秋也君、本当の
優しい秋也君なら皆殺しなんて言葉言わないよ
……秋也君)」


典子は悲しかった、秋也は以前とあきらかに
変わってしまった、だが本人はその事に
気が付かない


今の秋也はただ盲目的に川田を信じている
そしてそんな彼に何も出来ない自分が本当に
悔しかった


川田「さてこれからどうするか」


  ……川田がそんな言葉をつぶやいた時……


  ピンッ 


典子「!!?…(今度は誰!? お願いどうか
秋也君を興奮させないで)」


川田「誰だ…こちらに戦う意思はない
大人しく出てきてくれ (抵抗すれば容赦なく
撃つがな) 」


秋也「……誰だ」
カチャリ


そう言って川田は銃をかまえる


横を見れば秋也も躊躇い無く銃を構えていた

  ガサリガサリ


果たして出て来たのは


琴弾加代子「待って私も戦う意思は無いわ
………えぇ!? 典子ッ!! 無事だった
のね!」


典子「あぁッ、加代子! 良かった無事
だったんだね」


中川典子の親友の琴弾加代子であった


二人は再会を喜び合い秋也も知り合いが
無事だった事に喜び声をかける

 
秋也「良かった、琴弾さんも無事だったん
だなッ」


そう言葉を掛ける秋也に琴弾は秋也と川田に
向き直るが


琴弾「………え……貴方………誰?」


  …………時が止まった……………


・・・・・・・・
  ・・・・・・・・


琴弾加代子はゲーム開始からずっと島を歩き
まわっていた


どうしても会いたい人がいたから だ
自分でもまだ気持ちの整理がついてない
だからこそ本人に会って確かめたかった
この気持ちの正体を


  ………杉村弘樹に会いたかった………


彼を探し島を歩いている時に北の展望台から
呼び掛けが流れた


近くに居た私は直ぐに行くつもりだった
だがその時あり得ない一言が流れたのだ
桐山和雄と声の主がそう呼んだ


桐山和雄が二人を殺した…それは有り得ない
だって私は島の南で彼を見たのだから


展望台とは別の方向に向かった彼がどうやって
二人を殺せるのか、私は直ぐに嘘だとわかった


そして展望台の近くを歩いていたら典子に
再会した


彼女に会えて良かった、…けど彼の顔を見た時
誰だかわからなかった


  ………だって彼はあんな悪魔のような
表情はしていなかったから……


  ……だから私は聞いた……


  ……貴方誰と………


秋也は何を言われたのか分からなかった


秋也「…………え?」


だが典子にはその言葉の意味が分かるのか
悲しい顔をして秋也を見つめる


川田「おいおいどうした嬢ちゃん、何時も
見慣れてるクラスメートだろう」


そう言って川田が茶化すと 言われた琴弾も
我に返る


琴弾「あッ…えと……ごめんね七原君なんでも
ないのッ、ちょっとボーっとしちゃったみたい
本当にごめんね」


そう言って慌てて取り繕った


琴弾はチラッと典子を見ると典子も軽く頷く


琴弾「………(何か訳ありみたいね)」


典子の態度で琴弾も何かあるのかと理解した
ようだ


秋也「ははっなんだびっくりしたよ」


どうやら秋也もそれほど気にしていないようだ


川田「ふむ、それじゃそろそろ行くか」


そう言って川田も腰を上げる


そこで典子は川田に話し出す


典子「ねぇ川田君、それじゃまずは診療所に
向かわない? 人数も増えたし もし怪我を
したら色々と必要 でしょ」


川田「……そうだなあ………良いだろう、なら
診療所に行くとしよう」


川田も特に反対意見をださず一行は診療所へ
向かう事になった


秋也「よしッ行こうぜ! 早く仲間を集めて
桐山を殺して皆を守ろう!!」


川田「ああ奴を野放しにはしておけんからな」


琴弾「……(明らかに普通じゃないわね七原君
それに川田君…あの声って川田君よね
……この二人は信じられない、つまり
典子が危ない)」


ならば自分は彼女の側を離れる訳にはいかない


典子「……(良かった、どうやら診療所には
何事も無く行けそうね、それに加代子も
気づいたみたいね 秋也君の闇に)」



  ・・琴弾加代子を仲間に加え診療所へ
向かう4人・・


  ・・果たして彼女の加入は吉と出るか
凶と出るか・・


  ………全ては診療所………





あとがき


琴弾加代子加入です


そして彼女も秋也の異常にきがついたようです


女の子は鋭い、はたして彼女は典子は
どうなるのか


それでは また次回お会いしましょう





 
 

 
後書き
このような暗い話を書いておいてなんですが
私はハッピーエンドが嫌いな訳ではありません


なのに何故このような暗い話ばかり書いているのか(笑)


因みに私の心の中で1番印象に残っている漫画は
デビルマンとバイオレンスジャック


作家は虚淵玄 東野圭吾 
山田風太郎(忍法帖シリーズ)

なんだかハッピーエンドとは
無縁の作家ばかりですな(笑)




 
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