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ヘタリア大帝国

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TURN123 モンゴメリーの決意その五

「一つの経済圏として」
「動いていきますか」
「その様です」
「どちらにしても最早植民地の時代ではありませんね」
 モンゴメリーも確信していた、以前からであるが今はより確かにだ。
「そうですね」
「そのことは間違いないですね」
「ではエイリスも」
 植民地のないエイリスはどうなるのか、このことは火を見るより明らかだった。
「世界帝国ではなく」
「エイリスが世界帝国か」
 ゴローンが応えてきた、ゲームの女の子の声を聴きながら。
「もうそれはな」
「終わったというのですね」
「というかそっちの中身何とかしたらどうだ?」
「貴族達をですね」
「そうだよ、あまり言いたくはないがな」 
 それでもだとだ、ゴローンは言うのだった。彼は元々こうしたことは言わない性質だがあえて言ったのである。
「エイリスはな」
「貴族達の腐敗がですね」
「まずいだろ」
「この戦争の中でも彼等は変わっていません」
 モンゴメリーも痛感していることだった、それも強く。
「自分のことしか考えずに」
「利権ばかり貪ってるよな」
「植民地からの」
「植民地の富とかはどうなってるんだ?」
「かなりの割合で貴族達の懐に」
 エイリスの国庫ではなく、というのだ。
「そのことはかねてより批判されてきた通りです」
「じゃあ意味ないだろ」
 ゴローンはゲームをしながらモンゴメリーに語っていく。
「植民地があってもな」
「ではエイリスはこれからは」
「植民地なくてもやっていけるだろ」
「我が国を甘く見てはいませんね」
「いないからこう言うんだよ」
 ゴローンも決して愚かではない、確かにゲームやアニメ三昧であるが。
 それでも見るものは見て考えることは考えているのだ、それでこう言うのだ。
「欧州の中の一国としてな」
「はい、充分にやっていけます」
「そもそも一国が世界を導くとかな」
「無理があるというのですね」
「そんなこと日本さんも考えてないよ」
 それも全く、というのだ。日本はあくまで枢軸の盟主的立場であり話し合いで決める主義だ。世界を導く等とは考えていない。
 では日本は何を考えているかというと。
「戦争が終わったら太平洋経済圏の一国だな」
「主要国ではあってもですね」
「日本さんとアメリカさんと中国さんとな」
「そしてインド殿ですね」
「他の国家さん達もいてな」
 だが主な顔触れはこの四国になるというのだ。
「それでやっていくつもりだろうな」
「あくまで一つの経済圏の合議ですね」
「そんなところだよ、とてもな」
「一つの国が世界を導くことは」
「無理なんだよ」
 こうモンゴメリーに語る。
「とてもな」
「そうですか」
「これまでもエイリスは無理してただろ」
「かなりの力を使ってきました」
 世界の盟主として他国に言うことを聞かせることにだ。その為かなりの規模の軍も持っていたのだ。
「先の世界大戦といい」
「ガメリカとか中帝国とか言うこと聞かなかっただろ」
 そしてソビエトもだ、かつてのロシア帝国にしても。 
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