| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ヘタリア大帝国

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

TURN123 モンゴメリーの決意その三

 その彼がだ、こう言うのだ。
「政治についても」
「現地民の意見を聞いてですか」
「そのうえで政策を決めています」
 それが今の彼だというのだ。
「そうしています」
「成程、そうですか」
「それでなんですけれど」
 総督はモンゴメリーにさらに話す。
「オーストラリアでも普通選挙を導入しました」
「エイリスの様に」
「いえ、貴族はいないので上下両院です」
「ガメリカの様にされたのですか」
「はい、そうです」
 ここでも階級が否定されていた、エイリスとは違い。
「現地民も含めて」
「誰もが平等な立場としてですか」
「議会も国家元首もです」
 選挙によって選ばれる様になったというのだ。
「そうなりました」
「では貴方も」
「はい、選ばれました」
 その普通選挙でだというのだ。
「そのうえで今の役職にあります」
「左様ですか」
「トルカも皆もこの国のことをよく知っています」
 先住民だからだ、それこそ細かいところまで知っているというのだ。
「彼等にはいつも教えてもらっています」
「そうでしたか」
「本当に助けてもらっています」
 微笑んでだ、総督は話す。
「有り難いことです」
「そうなのですね」
「いや、若し彼等がいてくれなかったら」
「貴方も政治が出来ないと」
「トルカは部族の姫であり僕の頼りになるパートナーです」
「総督さんはいつもトルカ達の為に頑張ってくれてるから」
 トルカもここで話す。
「だからなの」
「いつも意見を聞いてそれを取り入れています」
「植民地の頃とは違いますね」
 エイリス本国の政策に従うだけだった、当時は。
 しかし今は違っていた、四国の国々も太平洋経済圏の中で独自の道を歩いていた。植民地だった頃とは違い。
 アラビアにも入った、ここでは。
 ゴローンはゲーム三昧だった、そしてハルマはその兄にこう言っていた。
「兄さん、モンゴメリー提督が来てるのよ」
「ああ、そうか」
 全く動じずにパソコンでゲームに興ずるばかりの彼だった。
「それで提督は?」
「今ここにいるわ?」
「じゃあ隣でな」
 彼のそこでだというのだ。
「観てもらうか」
「兄さんのゲームを?」
「ああ、丁度いいところなんだよ」
 観れば画面の女の子が脱いでいる、いよいよという場面だ。
 ゴローンはそこに集中している、そのうえで妹に言うのだった。
「いいな」
「あのね、エイリスの騎士提督さんなのよ」
「それがどうした」
 本当にどうでもいいというゴローンだった、彼にはゲームよりもそちらの方が大事ということが明らかであった。
 それでだ、ハルマは呆れた顔でこうモンゴメリーに話した。
「すいません、こんな兄で」
「いやいや、構いません」
 モンゴメリーは微笑んでハルマに答えた。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧