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転生とらぶる

作者:青竹
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スーパーロボット大戦OG外伝
  0515話

 スレイ、フィリオ、オウカの3人を魔法球に案内した翌日、俺の姿は再びスパロボOGsの世界にあった。イスルギ重工のミツコに対してバルトール事件に関しての報告だったり、約束してあったマジックアイテムやハロウィン・プランの中でも量産型ゲシュペンストMk-Ⅱ改のデータを譲渡するという目的だ。バルトール事件の方に関しては昨日通信を貰った時に軽く説明はしてあるので、主な目的に関しては後者がメインだけどな。
 そんな訳で、これまでのようにイスルギ重工本社の受付へと向かう。

「アクセル・アルマーだ。社長のミツコ・イスルギと約束があって来たんだが」
「はい、確認しますので少々お待ち下さい」

 受付嬢にそう言われてどこかに連絡しているのを眺めていると……

「おい、あれ。確か以前にここで修羅場を演じていた……」
「ああ、なんか気の強そうな女とホテルにしけ込むとか何とか言ってた奴だな」
「いや、浮気がバレて寝技で強引に解決に持ち込んだんだろう?」
「今日も誰か女を口説きに来たのかしら。……あの顔なら私は全然OKなんだけどな」
「ちょっと、よしなさいよ。何でもあの人うちの社長の知り合いらしいわよ?」
「げっ。いやまぁ。確かにうちの社長は美人だけど……」

 ……スレイとの一件に関してはどうやらまだ忘れ去られていないらしい。
 おまけに、俺の相手をしていた以外の受付嬢もどこか興味深そうにこっちへ視線を向けているしな。つーか、そこの右端にいる受付嬢。お前は確かストライクダガーとかを提供する時に地下格納庫まで案内しただろうに。
 内心で溜息を吐きつつ待っていると、やがて確認が終わったのだろう。受付嬢が席を立ち、俺をエレベーターの前まで案内する。

「このエレベーターを使えば社長室まで直通ですので」
「助かる」

 短く礼を言い、エレベーターに乗り込み……やがて数分もしないうちに俺の姿はイスルギ重工ビルの最上階、社長室の中にあった。

「連絡が遅くなったな」

 執務机で何らかの書類を眺めているミツコだったが、俺のその声を聞くと読んでいた書類を机の上に投げだして小さく首を振る。

「いいですわよ。そちらにしても色々とあったんでしょうし。……それにしても困りましたわ。まさかソーディアンなんて物が現れてスカルヘッドをエネルギー無効化範囲内に取り込んでしまうなんて。これであそこを手放す事にでもなったら結構な損失になりますわね」

 溜息を吐きつつ、手元に置かれていたカップを口に運ぶミツコ。

「まぁ、それでもバルトールの中枢コアを私達の手の者として派遣されていた名目のアクセルが破壊してくれたので、今回の件に関してイスルギ重工として最低限のケジメは付けたと連邦軍の方でも認識しているから、これ以上経済的損失は広がらないで済みそうですが……」
「やっぱり俺達か?」

 インスペクター事件の、ある意味首謀者とも言えるシャドウミラー。その幹部であった俺がイスルギ重工の勢力としてバルトール事件に介入したのだ。連邦軍としては面白くないだろう。

「そうですわ。特にインスペクター事件で色々と貴方達にやり込められたケネス少将は色々とお冠です。もっとも、飼い主であるグライエン大統領の方から手を回して貰ってどうにか抑えて貰いましたけど」
「飼い主、ね」

 その言葉からも、ミツコがケネスをまともに相手にしていないと言うのは明らかだった。いやまぁ、元々の世界で関わり合いがあった俺としてはそれが正解だとは思うけどな。
 苦笑を浮かべつつも空間倉庫から量産型ゲシュペンストMk-Ⅱ改の各種データが入ったディスクと、転移札5枚を取り出す。

「こっちの札はマジックアイテムだから後で説明する。取りあえずはこのデータだ。中身はオルレアン研究所で入手したハロウィン・プラン、その中でも量産型ゲシュペンストMk-Ⅱ改についてのデータだ。ただし知っての通り、この機体はロールアウトしたばかりで蓄積データがまだまだ少ない。その辺についてはそっちで何とかしてくれ」

 ディスクを近くのコンピュータに読み込ませて内容を確認しながら頷くミツコ。

「ええ、確認しましたわ。ありがとうございます。確かにまだ蓄積データは少ないですが、十分私達が開発するべき機体の参考になります。特に武器のフォールディング・ツーウェイ・キャノン、通称F2Wキャノンですか。これに関しては興味深いですわね。それにハードポイントに関しても」

 口元に笑みを浮かべつつコンピュータからディスクを抜き取るミツコ。
 ただし笑みとは言っても、その笑みはどちらかと言うとニコリと表現するよりもニヤリと表現すべき笑みだった。

「ハロウィン・プランのデータに関してはこれでいいですわ。それで、肝心のマジックアイテムについてですが……」

 そう言い、執務机の上に存在する5枚の転移札へと視線を向ける。

「この札がマジックアイテムなのですか? 具体的にはどのような?」
「そうだな、実際に使ってみるのが一番早いだろう。ちょっと立って俺の肩にでも触ってくれ」
「は? まぁ、構いませんけど」

 俺の言葉にミツコが頷き、座っていた椅子から立ち上がって俺の肩に触れてくる。
 ……それにしても、今日もチャイナドレスなんだな。趣味か?
 そんな風に思いつつ、肩にミツコが触れているのを確認して執務机の上に置かれている転移札を手に取る。

「いいか? 危険は無いが、一応念の為だ。決して俺から手を離すなよ? それと一応念の為に目を瞑っておけ」

 その言葉にミツコが頷いたのを見て、転移札へと魔力を通しながらストライクダガーとガン・ルゥを出した地下にある格納庫を思い出し……転移札を発動する。
 すると次の瞬間には俺とミツコ以外の声は一切しなかった社長室から、周囲からざわめきが聞こえて来る地下格納庫へと俺達の姿は転移していた。

「……これ、は?」

 さすがにこのざわめきには気が付いたのだろう。恐る恐るといった様子で目を開けたミツコの視界に入ってきたのは、分解されているストライクダガーとガン・ルゥ。そしてそれを解析している50人近い人々だった。白衣を着ている者もいれば、中には技術者らしくツナギを着ている者もいる。幸いなのは俺達が転移したのが格納庫の中でも隅であり、転移してきた俺達に対して注意を引かなかった事だ。

「ご覧の通り、地下格納庫だ。……まぁ、俺が言うまでも無いと思うが」
「そう、ですわね……」

 さすがに魔法による転移というのはミツコにしても意外だったのだろう。唖然とした表情で周囲を見回している。
 そして当然そんな事をしていれば、いずれ気が付く者も出てくる訳で。

「しゃ、社長!? いつの間にここに!?」

 研究員達を率いていると思われる50代程の男がミツコを見て驚愕の声を漏らす。同時に、周囲にいた他の者達の視線もこちらへと向けられる。
 その視線には、いつの間にか現れたミツコに驚きの表情を。そして、ミツコの隣にいる俺に誰だコイツ? みたいな視線を送ってくる。
 こいつ等にしてみれば、一度も見た事の無い俺がイスルギ重工でもかなり重要度の高いだろう地下格納庫に姿を現しているのだから当然だろう。それでも警備員を呼ばれるような騒ぎにならないのは、ひとえにミツコが俺の隣に立っているからだ。

「ん、コホン。それで機体の解析の方はどうなっていますか?」

 何とか我を取り戻したミツコがそう告げると、先程の50代程の男も何故ミツコがこの地下格納庫に来たのか理解したのだろう。多少不思議そうな顔をしつつも口を開く。

「いつもはこちらから報告に行っていた筈ですが……その前に、社長と一緒にいる方は? 一応この件に関してはイスルギ重工でも社外秘の機密になっているのですが」
「気にしなくてもいいです。彼は貴方達が解析している機体の関係者ですからね」
「へぇ、この機体の。……どこからこの機体を入手したのか聞いても?」

 ジロリ、と俺の方へと視線を向けてくる男。
 まぁ、そんな感じになるのも無理はない。何しろこのストライクダガーにしろガンルゥにしろ、PTやAMといった機体とは全く別の設計思想で作られているからな。特にストライクダガーはこの世界では殆ど発達していないバッテリー技術を持っているし、ガン・ルゥに関してはサクラダイトと言う未知の物質だ。怪しむのも無理はない。
 だが男の問いに、俺は軽く首を振る。

「それについての詳細は話せないな。ただ、今ここに機体の現物がある。それで十分なんじゃないのか?」
「……取りあえずそう言う事にしておくよ」

 俺へと鋭い視線を向け、部下らしき科学者から渡されたレポート数枚をミツコへと渡す男。

「これが現在判明中の主な要項です。バッテリーに関しては同じ物を作るのは技術的には難しくないので、ある程度の時間と施設を用意出来れば量産が可能になります。ただ……」
「サクラダイト、ね」
「ええ。一応イスルギ重工の研究所の方にサンプルを回してみたんですが、やはり未知の物質だと。少なくても今まで見つかった事はないらしいです」
「未知の物質ですか。……ちなみに、人工的に作りあげる事は可能ですか?」
「ちょっと難しいでしょうね。出来るにしても技術的なブレイクスルーが必要になるでしょう」
「……そうですか。ですが未知の物質と言う事は、まだ誰もこのサクラダイトを知らないと言う事になります。つまり、これを人工的に合成するなり、採掘なり発掘なり出来ればイスルギ重工の一人勝ちになるのを考えると、この研究を止めるという選択肢はありませんね。……アクセル、ちなみに何かこのサクラダイトに関してアドバイス等はありますか?」

 チラリと視線をこちらに送ってくるミツコ。
 ただ、サクラダイトに対するアドバイスと言われてもな。あぁ、いや。そうか。

「あくまでも可能性ではあるが……」
「あるが?」
「もしかしたら……本当にもしかしたら、だぞ? 富士山の辺りに埋蔵されている……かもしれない」
「……富士山?」
「ああ。ただし、これに関しては今も言ったが可能性はかなり少ないと覚悟しておいてくれ」

 ギアスの世界では富士山がサクラダイトの埋蔵量の殆どを占めていたはずだ。だが、それはあくまでもギアス世界の富士山。このOGsの富士山にサクラダイトが埋まっている可能性は……まず無いだろう。それにもしサクラダイトを見つけたとしても、KMFのように動力源にするのはプラズマジェネレーターや核融合ジェネレーターが普通にある以上難しい筈だ。可能性があるとしたら流体サクラダイトのように爆薬のような使い方だろうか。

「分かりました。専門の技術者を数名派遣しましょう」

 少し考え、そう呟くミツコ。

「取りあえずこのレポートは貰っていきます。機体の解析はもっと進めて下さい」
「はい」

 その場にいた技術者や科学者へと告げ、近くにあるエレベーターで社長室へと戻る。

「……この転移札というのは、かなり有用なマジックアイテムですわね」
「だろうな。ただ、マジックアイテムだけあって発動するのに多少ではあるが魔力が必要だから、ある程度魔法を使えるようにならないと意味が無いけどな。……そう言えば、魔法についての解析はどんな具合だ?」

 一応魔法書や初心者用の魔法発動体は渡してあるのだ。ミツコの事だし、それなりに魔法の解析を部下辺りに命じているだろう。……さすがにミツコ本人は忙しすぎて手を出したりは出来無いだろうが。

「今はまだ魔法教本の翻訳が終わって読み進めている所ですわね。さすがにラテン語ともなると……」
「そうか。まぁ、その辺は努力してみて頑張ってくれとしか言えないな。……ん?」

 ふと執務机の上に置かれていた書類が目に入る。
 今日俺がこの社長室に来た時にミツコが読んでいた書類だ。普通ならイスルギ重工の会社の書類として気になるような事は無かったのだろうが、俺がその書類に目を止めた理由はただ1つ。その書類に『シロガネ』という言葉と、シロガネの船体の絵が描かれていたからだ。これはどう考えても俺達シャドウミラーがインスペクター事件の時に乗っていた艦で、ドルムの攻防戦でどこへともなく去って行った艦だ。そして俺達がアインスト空間に飲み込まれた後にスレイ率いるイスルギ重工の部隊が密かに鹵獲しておいた艦。

「シロガネ?」
「え? ええ。ようやく解析が一通り終了したのですが、何しろ今のイスルギ重工にはこれ程の艦を動かす為の人材が……」

 まぁ、そうだろうな。イスルギ重工はあくまでも兵器製造会社であり、連邦軍のように実働部隊を要している訳ではない。いや、ある程度の数ならいるかもしれないが、スペースノア級を十分に運用できるだけの数はいないんだろう。そもそも基本的に小規模な部隊である以上は、メンバーもその殆どがPTやAMのパイロットがメインだろうし。いたとしてもレイディバードを動かせるくらいか。

「そう言えば、艦長のリーはどうしたか分かるか?」
「彼なら確かにシロガネ共々保護しましたが、既にこちらにはいません」
「どこに行ったか聞いても?」
「さすがに取引の内容については話せませんわ」
「……ま、それもそうか」

 シャドウミラーとしては出来ればいた方がいい人物ではあるが、絶対にいないといけないって程でも無いしな。そもそも現在のシャドウミラーはリーが所属したとしても恐らく性格的に合わないだろうし。
 結局この日は色々と魔法についてのレクチャーをしたり、転移札についての説明をしたりして過ごしていった。
 ……尚、何故かミツコがシロガネの書類を意味あり気に見ていたのはまた何か企んでいるんだろう。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:40
PP:300
格闘:270
射撃:290
技量:280
防御:280
回避:310
命中:330
SP:478
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???

撃墜数:447 
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