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MS Operative Theory

作者:ユリス
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軍編制
  地球連邦軍の編制④

——MSを中心に行われた、地球連邦軍の装備更新——

 一年戦争以降、地球連邦軍はほとんどの領域においてMSを主力兵器として使用するようになった。これにより、それまでの各領域における主力戦闘兵器であった宇宙/航空戦闘機は、MSの補助兵器として運用された。

 地球連邦の誕生と前後して編成が進められた地球連邦軍には、地球連邦を構成する国家の軍隊を基に編成された連邦地球軍(陸海空三軍を統括)と、宇宙空間の警備を担当する連邦宇宙軍が存在する。

 誕生から一年戦争中期頃までの地球軍の装備は、航空機やAFV、海上艦隊などに代表される兵器がほとんどで、基本的には旧世紀の兵器体系を継承したものであった。新設された連邦宇宙軍(U.C.0060に統制された地球連邦宇宙軍=Earth Federation Space Forceの前身組織と思われる)は、宇宙環境に適応した新兵器を必要とした。

 この結果、サラミス級警備艇(U.C.0070就役のサラミス級宇宙巡洋艦とは異なる)が開発されたのである。宇宙世紀開始前に配備されたサラミス級警備艇は、トラス状の骨格をベースに4基の船尾ロケット・エンジン、船体の下部には全長に匹敵するサイズの太陽電池パネルを持つ有人宇宙船だった。

 兵装として骨格前方の操船指揮所の下にマウントされた高出力レーザー砲と、遠隔操作式のレーザー衛星が24基装備された。また、船体と同じ長さのレールガンや、宇宙戦闘機係留用のジョイント・アームなどを装備したバリエーションも存在した。

 この後、地球連邦宇宙軍は、宇宙艦艇を中心に編成され、「大鑑巨砲主義」と呼ばれるドクトリンを確立していった。

 地球連邦軍の基本的な兵器体系は、宇宙世紀の開始前後に確立されたと言える。その後、60年代軍備増強計画や70年代軍備増強計画、U.C.0061の61式戦車の制式化やU.C.0070のマゼラン級宇宙戦艦及びサラミス級宇宙巡洋艦の就役といった装備更新が実施された。しかし、地球連邦軍の兵器体系が大きく変化することはなかった。

 このような状況に変革をもたらしたのが、ミノフスキー粒子とMSである。レーダーや電子機器に依存していた旧来の戦術を無効化したミノフスキー粒子と、そのミノフスキー粒子散布環境に適応したMSを前に、地球連邦軍もMSを中心とした戦術への移行を余儀なくされた。

 この結果、宇宙艦艇はMSの母艦や火力支援プラットホーム、航空機やAFVもMSの支援が主な任務となり、大半の領域でMSが主力兵器として運用されるようになった。一年戦争以降、地球連邦軍は80年以上もMS中心のドクトリンを維持し、装備の更新もMSが優先項目となっている。

 特にジオン公国軍残党勢力の活動が懸念されていたU.C.0080年代には頻繁にMSの機種更新が行われた。これに対し、宇宙艦艇の更新速度は遅く、U.C.0150年代になってもサラミス級宇宙巡洋艦が第一線で運用され続けている。





補足事項

——地球連邦軍で運用された鹵獲兵器——

 一年戦争期からグリプス戦役にかけて、地球連邦軍で炉画したジオン公国軍製MSを運用する部隊があった。一年戦争時にはMSに関するデータ収集のため、U.C.0080年代にはアグレッサー(仮想敵機)やMS不足を補う目的で使用されていた。

 U.C.0080年代中期には全天周囲モニターなどを搭載するアップデートも行われていたが、次第に一線から退いていた。


●MS-06J(ザクⅡJ型)

 U.C.0079,04~05頃、セモベンテ隊で運用された鹵獲ザクⅡ。地球連邦軍の識別章を付けず、ジオン公国軍への奇襲攻撃を繰り返していた。


●MS-06M(マリン・ハイザック)

 U.C.0080年代、ホンコン特務が装備していた水陸両用MS。ジオン公国軍のMSM-01(水中用ザク)を改修した機体と思われる。


●MS-07H(グフ飛行試験型)

 グリプス戦役時、ジャブローに配備されていたMS。飛行タイプのMSではなく、ホバー走行式MSとして運用されていた。

 
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