ヘタリア大帝国
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TURN122 砂嵐の中でその八
「ここはどうするの?」
「とはいってもな」
追撃はしなければならない、ランスは言葉の外でこう言った。
だがランスだ、躊躇はしない。彼はモンゴルに答えた。
「突撃だ」
「多少のダメージを受けてもいいんだね」
「ああ、それを度外視してな」
そうしてだというのだ。
「攻めるからな」
「それで敵の方陣を突破してだね」
「そのうえで追撃するからな」
これがランスの選択だった、実際に彼は自ら先頭に立って突撃を敢行しようとする、だがここでだった。
シィルがだ、モニターからランスにこう言ってきた。
「いえ、ここは」
「攻めるなっていうのか?」
「追撃は難しいです」
モンゴメリーの方陣を見ての判断だった。
「少なくともこのまま攻めても」
「難しいか」
「はい、そうです」
「じゃあ攻めるなっていうのかよ」
「いえ、方陣自体を攻めずに」
そうしてだというのだ。
「旗艦を攻めましょう」
「ああ、あれか」
ランスはモニターにその戦艦を映した、それこそがオークだった。
「モンゴメリー提督の乗艦だな」
「あの戦艦を攻めればです」
「敵の指揮官がいなくなるな」
「そうなれば方陣もです」
指揮官がいなくなってはというのだ。
「ですから」
「そうか、そこから方陣を破ってか」
「追撃が可能です、例えそれに間に合うことがなくとも」
「モンゴメリー提督を倒せればな」
「エイリス軍にとってかなりのダメージです」
元軍の軍師としてだ、シィルはランスに進言した。
そしてランスもだ、こうシィルに答えた。
「よし、まずはモンゴメリー提督だ」
「そうして頂けますね」
「エイリス軍も気になるがモンゴメリー提督をここで倒せたらな」
「大きいですね」
「御前の言う通りだよ、じゃあな」
「はい、それでは」
「おい、あの戦艦に火力を集中させるぞ」
ランスは今度はオークを観ながら言った。
「いいな」
「うん、じゃあね」
モンゴルが応える。そしてだった。
元軍はオークに集中攻撃を浴びせた、モンゴメリーはそれを見て艦長に言った。
「済まないがね」
「はい、回避運動ですね」
「それを頼むよ」
「お任せ下さい」
微笑んでだ、こう答えた艦長だった。そうして。
オークは上下左右に動いてそしてだった。
元軍の攻撃をかわす、これにはランスもうなった。
「やっぱり一筋縄じゃいかないな」
「うん、しぶといね」
「往生際が悪いっていうのか?」
「その辺りハーンと一緒だね」
「おい、そこでそう言うのかよ」
「だってハーンも往生f際悪いじゃない」
「俺の場合は最後まで諦めないんだよ」
戦いでも女でもだ。
「それだけなんだよ」
「女の子が好きなところがモンゴメリー提督と違うね」
「あのおっさん中年だけれどイケメンだしな」
ランスもそのことは認める。
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