ヘタリア大帝国
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TURN122 砂嵐の中でその六
「それを第一の手にする」
「じゃあ第二の手は」
アグニが東郷に問うた。
「それは?」
「全軍上下に散開する」
敵が機雷原を突破するまでの間にだというのだ。
「そしてそのうえでだ」
「敵軍を上下からですか」
「攻める」
そうするというのだ。
「わかったな」
「敵の突撃を避けるんですね」
「向かってくる敵にわざわざ楯突くこともない」
この考えからの戦術だった。
「敵の鋭鋒は避けるに限る」
「わかりました、それじゃあ」
こうしてだった、まずは機雷原を撒布して。
エイリス軍を迎え撃つ、エイリス軍もその機雷原を見ていた。
だがその機雷原を見てもだ、モンゴメリーが言う。
「このままです」
「突撃ですね」
「機雷原にビーム掃射を」
正面にだ、それで薙ぎ払ってだというのだ。
「速度は緩めません」
「わかりました、それでは」
イギリス妹がモンゴメリーの言葉に応える、そしてだった。
エイリス軍はそのまま突撃する、機雷原は彼の命令通り薙ぎ払われ穴が開けられる。エイリス軍はその穴が塞がれる前に全速力で突っ切る。
そのまま三本の矢となって突っ込む、その彼等に対して。
枢軸軍は既に上下に散開していた、丁度矢の先を逃れた形だ。
そのうえでだ、東郷は言った。
「ではだ」
「はい、今からですね」
「エイリス軍に対して」
「彼等の前を撃つ」
突撃してくるその前を斜め上、斜め下からというのだ。
「それで撃つ」
「そのうえで敵にダメージを与えますか」
「突撃を避けて」
「それがいい」
今は、というのだ。
「じゃあいいな」
「了解です」
皆東郷のその戦術に頷く、そして実際に。
彼等はエイリス軍の進路上にビームを集中させる、そのビームでもエイリス軍のバリアに阻まれる。だがそれでも。
彼等はそれなりのダメージを受けた、しかもビームだけではなかった。
ミサイル、鉄鋼弾と次々に出す、それで突撃していくエイリス軍を撃つのだった。
エイリス軍はネルソンタッチをかわされた、そのうえでダメージを受けた。結果としてネルソンタッチは失敗だった。
これを見てだ、モンゴメリーは艦隊を反転させて再び枢軸軍に向かう姿勢で言った。
「艦隊の動きが速いですね」
「はい、ここでも」
イギリス妹がモンゴメリーに応える。
「そのせいでネルソンタッチをかわされました」
「こうしたことははじめてです」
そうだとだ、こう言うイギリス妹だった。
「まさか」
「トラファルガーはこの戦術で勝ちました」
「はい」
「それ以来のエイリス軍の必勝戦術でしたが」
まさに切り札だったのだ。
「ですが」
「勝利にはですね」
「突撃を成功させる必要があります」
それによって勝利を収める戦術だ、それなら当然のことだ。
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