Ghost trick
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Crazy Night(後編)
船長「てめぇ、能力者だったのか…!!」
『文句ある?』
ピタリと止まっている船長に近付き、生意気そうに蔑むムウマ。
『これから楽しいゲームが始まるよ(妖笑)』
船長「ゲーム、だと…?」
船員「一体、何を…!?」
ムウマの発言に、疑問に抱く船長と船員達。
『その名も……
殺戮ゲーム(妖笑)』
全「「!?!?」」
子供の口から出た言葉に、誰もがギョッと驚く。
『それじゃあ……お前!』
すると、ムウマは一人の船員を指名した。
『此処に居る奴等を……
全員殺せ』
ムウマの黒い瞳が、男の眼を捕らえると、互いの眼が妖しく光った。
「待ってくれ!!我々はどうなる!?」
「嫌っ!!死にたくない!!」
すると、一般人や娼婦達が恐怖で怯えていた。
『ウチの顔を知った以上、生かしとく訳にはいかないからね』
船員「躰が…勝手に…!?」
腰に挿していた刀を抜き、カタカタと震わせる。
「待ってくれ!止めろ…!止めろ…!止めてくれー!」
―ザシュッ!!―
船員は操られる様に、一般人を突き刺した。
「に、逃げろーっ!!」
恐怖に耐え切れず、逃れ様と扉に向かう。
しかし…
『逃がさないよ』
ムウマの能力で、全ての窓や扉が閉ざされた。
「嫌…!嫌…!嫌ァァァ!!」
「誰か…!助けてくれ!!」
そして、成す術を失った一般人や、他の船員達は、再び恐怖に怯えていた。
―ザシュッ!!―
―ザシュッ!!―
殺戮は止まらず、次第に血の臭いが漂い、次々と倒れていく。
神様「……」
『(妖笑)』
そんな残酷な様子を、椅子に座り、涼しい表情で観ていたムウマとリューク。
船員「あぁっ…!あぁっ…!」
遂に、その場に立っているのは、指導者と殺戮者の二人になった。
『さっきまで煩かった此処も、随分静かになった』
見物を終えたムウマは、椅子から立ち上がる。
『いや~。存分に楽しませて貰ったよ』
パチパチと拍手をして、ゆっくり船員に近付く。
『それじゃあ、最期の命令。
此処で……
切腹しろ』
ニヤリと不適な笑みを浮かべると…
―グサッ!!―
最後の人を刺した音と、大量の血の臭いが店内を包み込んだ。
神様「…吹雪…?」
隣には、躰を震わせている“吹雪”の姿。
神様「恐いの…?」
恐る恐る尋ねてみると、
『……“恐い”よ…』
小さな紅い口が、ハッキリ動いた。
『この状況を観ても、“気が動転しない自分”が恐いよ』
神様「!!」
吹雪の本当の答えに、思わず言葉を失うリューク。
そして、
悪夢は…
幕を閉じた
to be continued
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