幽霊だからって恋がしないとは限らないっ!
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修復されていく感情。
翌日、起きたのは8時だった。
「ん・・・」
俺は手をついたところに柔らかい感覚を感じた。
「んっ!」
ふざけた声まで聞こえてくる。
「・・・・・・・・?」
ふと、手を見ると、渚の小さな胸に手が当たっていた。
「うわぁっぁああ!」
俺は反射的にベッドから落ちる。
「ん?・・・・おはよー伊織。」
「あ、ああ。」
き、気付いてない?
「やっぱり男の子って大きい方がいいのかな?」
きづいとった!
「わ、悪い!」
「どう?さわり心地は?」
「ま、まぁよかったって何を言わせんだよ!」
「ははっ!んじゃあ今日はショッピングだね!」
「ああ、準備しろよ。」
「はーい!」
///////////////////
「早くしろよ、渚。」
「ちょっと待ってよ!」
「ったく」
数分後。
「お待たせっ!」
出てきたのは制服に髪を後ろでまとめた渚だった。
「・・・・」
「ん?・・見とれちゃった?」
「ばっ!んな分けない!」
「ははっ、素直じゃないねっ、男のツンデレは受けないよ?」
「ツンデレじゃない!」
「はいはい。」
そんなかいわをしながら俺達はあるきだした。
「お前はどんな服を買うんだ?」
「うーん・・・下着?」
「服を聞いてるんだが、」
「選んでもらうからね!」
「下着?」
「もち!」
「諦めろ。」
「なんで!?」
「当たり前だろ?誰が彼氏に下着を選ばせる彼女がいるんだ?」
「ここ」
「ここにしかいないんだよ」
「あっ!ほらほら、見えてきたよ!」
「・・・」
見えてきたのはショッピングモール。
「けっこう大きいな。」
「・・・・」
渚は回りを気にしている様子だった。
「目線が気になるよ。」
「仕方ないだろ?お前は見えてないんだから。」
「あ・・・私のために・・・」
「当たり前だ、俺がお前を気付かなくなったら誰がお前を見るんだ?」
「あ・・・」
「だから・・・・気にするな、お前は俺が見続ける、これからもずっと。」
「・・・・・・うんっ!」
///////////////////
「これをプレゼントでお願いします。
「は、・・・はいっ!包装はどうされますか?」
「これで。」
俺は服を8着ほど買わされ、包装を選んでいた。
「着るのはあとな。」
「うん!」
店を出て、ベンチに座った俺達は、ジュースを飲んでいた。
「・・・俺、ちょっとトイレいってくる。」
「いっといれ。」
ブリザードが吹き荒れた。
「今のは聞かなかったことにしとくからな。」
「すいません。」
伊織は歩いて角を曲がった。
「・・・・・」
渚は伊織が置いていったジュースを見る。
「ちょっと位いいかな?」
渚は缶を手に取る。
「・・・・・」
どうしよ。
「・・・・」
缶がゆっくりと口に近づく、3・・・2・・・・1・・・・
「お待たせ」
「!?」
「ん?どうした?」
間一髪、缶を置いた。
「ななな、なんんでででもないいいいいよ」
「こんなに同様するやつ始めてみた」
「差、いこうか!」
「ああ、そうだな。」
時計を見ると一時を示していた。
「飯にするか。」
「やったぁ!」
「弁当な。」
「外食じゃないの!?」
「当たり前だ、フォークが浮いてたら怖いだろ。」
「ぐっ」
俺達はショッピングセンターの近くの公園へ向かった。
「ふぅ、お腹へった。」
「ほら、お前の文。」
俺は自分で作った飯を渡した。
「愛妻弁当?」
「逆だがな。」
渚は開けた弁当を見て驚いていた。
「・・・・なんだこれは・・・」
「下手か?」
「いや・・・私より数百倍うまい・・・」
「そうか、よかった。」
「あじも、しっかり付いててうまい!」
「そんな誉めるなよ。」
「負けた・・・男に女として負けた。」
「そんなか?」
「うんっ!これからもお願いしますっ!」
「ああ、分かった。」
俺はいびつだが、笑ってみた。
「おお、成長してるね、!」
「ありがと、お前のお陰だな。」
「そうだね♪」
俺たちがラブラブしてると、後ろから声がかかった。
それが俺と渚の仲を破滅させる種になるとは思いもしなかった。
「伊織さん、お久しぶりですね。」
そこで俺の意識は途絶えた。
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