向日葵の咲く丘

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向日葵の咲く丘

前書き

「なぁ、俺らは大人になったらどうなるんだろう？」
　
　小学2年の夏休み。
　
　小学生らしくない話題を振ってみた時に
　
　あいつは言ったんだ。

「向日葵みたいになりたいな」って。

家近くの大通りで車どうしが正面衝突。

運転手を含めて同乗していた全ての人が即死だったそうだ。

大家さんは「あぶないわねぇ～物騒だわ～」なんて他人事で話してた。

俺は気になって大通りまで野次馬のように走って行った。

路上は血塗れ。見るからにグロテスク。

警察も消防もたくさん来ていて物々しかった。

さっきまで小雨だった雨も次第に激しくなって

血の滲んだ水たまりがせわしなく波紋を作っていた。

そのうち救急車が到着して、ブルーシートに包まれた人が運ばれて行った。

最後の1人は子供だったらしく、少し小さかった。

運ばれているときにひらっと何かが落ちた。

少しして救急車は全部いなくなって

消防も警察も次第に減って行った。

俺はその“何か”を見つけた。

小さな可愛らしい向日葵のブローチだった。

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