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モンスターハンター ~厄災の狩人達~

作者:島原
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黒蝕の陰、天廻の陽
  新たな地と拠り所?

 
前書き
(´‘ω‘`)感想かかれたので俄然やる気出ました。

(´‘ω‘`)というわけで更新です。 

 
「なあアル、俺まだどんな大陸行くかあんまよく分かってないんだけどどんなところなんだ?」

「ん?あ、そっか。ラスにはまだ説明してないっけか。これから行く大陸はね…。」

アルフレッドたちが乗っているのは、エイン村やテロス密林がある『タレミシア大陸』と、
今回アルフレッドが調査に向かう『ラスガルス大陸』を結ぶ連絡船。その甲板の上である。
連絡船とは言っても海上を渡るためのものではなく、ジエン・モーランと対峙する際に乗る砂上船である。
頑丈な木材を組み合わせ、左舷右舷にそれぞれバリスタと大砲を一門ずつ備えてある砂上戦闘船である。
帆がはためくすぐ側には大きな銅鑼が取り付けられており、モーラン種の超大型モンスターはこのような銅鑼が出す大きな音を不得手としている。

「ふぅ~ん。あ、そうだ。タレミシア大陸には密林とか火山とか色んな狩り場があったけど、ラスガルスにはどんなところがあるんだ?」

「えっと確か~…。」

ラスガルス大陸は全体的に似通った地形の地域で構成されている。
古代の竜人族がその英知を遺したとされる ルブル・エルトラス遺跡平原
豊富な鉱物資源が眠る新たな種の生息地  ガルガン地底洞窟
澄んだ水に根を張る樹木の聖地      ウォラダ原生林

これら以外にもまだまだ多くの地域が存在する。

「おぉ~!狩り応えありそう!」

と、ダイラスが期待に胸を膨らませていると

「何だ?お前さん達は狩人なのか?」

遠くの方から赤い服と帽子に身を包み、肩に鳥を乗せた男が話しかけて来た。

「そうだけど、おっさんは?」

「俺か?俺は仲間を集めに行くのさ。これでもキャラバンマスターをやっていてね。」

「キャラバンマスター?って、…何だ?」

「あらゆる拠点を移動しながら自分の目的を達成する旅団のようなもの、ですかね?」

キャラバンマスターを名乗る赤服の男にアルフレッドが訊ねた。

「ああ、そういう解釈でいい。狩人ということは、お前さん達もバルバレに行くのか?」

「バルバレ?」

赤服の男からの問いにダイラスはまたも首をかしげる。

「ああ、バルバレはこの船が向かう『ラスガルス大陸』の中で一番の港なんだ。
そこではありとあらゆる人・物・情報が集まってくるんだよ。
俺はバルバレで、我がキャラバンの仲間集めをしようと思っていたところなんだ。」

赤服の男は明後日の方向を見やった。

「どんな仲間が見つかるかなァ…、楽しみだ。」

ダイラス達は顔を見合わせさも腑に落ちなさそうな顔をした。

「…お前さん達、さっきから船の上を飛んでいるガブラスが見えるか?」

「ガ、ガブラスですか?」

全員が船の真上を見やると、男の言うとおりガブラスが群れを成して飛んでいた。
ガブラスは小型の飛竜種で、黒色の外骨格・甲殻と肌色の内骨格を持つ。
古塔などでその姿がよく目撃されているが決して好き好んで古塔に生息しているのではなく、その所以は定まっていない。
ただ、古龍種が頻繁に出現する場所や出現する時期・周期が近づいてきたときは大抵周辺の地域にガブラスの目撃証言があり、古龍観測学上ではこのガブラスの出現を以って古龍観測を開始すると定義付けられている。

「ガブラスは古龍の先駆け…、何か来るのでは?」

「ああ、俺もそう思って辺りを見ているんだが古龍らしき姿は一向…ん?」

赤服の男は連絡船の側を泳ぐ数匹のモンスターに目をつけた。

「デルクス…?まずい、お前さん達気をつけろ!」

言われるがまま周囲を警戒するアルフレッド達。
すると突如地鳴りと共に船が揺れだした。

「うおっ!一体どうなってんだこりゃ?」

「この大砂漠、ガブラスにデルクス…まさか、ジエン・モーラン!?」

「近いといえば近いな。ここらへんで出現すると言うと一体しか居ない!」

船の揺れが収まったその直後、砂中から一体の超巨大モンスターが姿を現した。

「で、でけぇー!!!」

「これは…ジエン・モーランではないけど、体格が酷似している…。ダレン・モーラン!?」

「ああそうだ。そっちの地方ではジエン・モーランを豊穣の象徴としているようだが、こっちの方ではダレン・モーランを『豪傑』の象徴としてるんだ…しまった!」

赤服の男はダレン・モーランの着地のショックでバランスを崩し、被っていた帽子を大砲の砲身へと飛ばしてしまった。

「クソッ、あの帽子には大事な物が…。」

「大事なものを帽子にしまうなよ!」

突っ込みながらダイラスは砲身へ走った。
しかし、ダレン・モーランが大きく体をうねらせ射出した岩石に阻まれる。

「うおっ、あぶね!あ…帽子が!」

砲身に引っかかっていた帽子は岩石が衝突した衝撃で飛んでしまい、今度はダレン・モーランの背中に引っかかってしまった。

「あの帽子の中のものがないと、俺がバルバレに行く理由がなくなっちまう…!」

「だんだん大事なものなのかそうでないのか分からなくなってきたぞ…?」

変な汗を額に浮かべるダイラス。
そうこうしているうちにダレン・モーラン自らが船の方に寄ってきた。

「しめた、背中に乗り移れるかもしれないぞ。」

「アイツの背中って乗れるのか…?」

不安がるダイラス。だが赤服の男はそんなことおかまいなしに

「お前さん、俺の帽子を取りに行ってくれるのか!?くぅ~助かるねぇ!」

「まだ何も言ってねぇ!あー…もう!分かったからタイミングの指示とかくれ!」

「任せな。…今だ!」

ダレンモーランの腕が連絡船にかかったタイミングを見計らって赤服の男が声を上げた。

「よっと。えーとおっさんの帽子はっと。あった!」

背中の左側に引っかかっていた帽子をひょいと取ったダイラス。
その後

「おーい!ダレンモーランが暴れそうだ!そこから戻って来れそうか!?」

「いけそうだ!…ん?」

ダイラスが背中から降りようとした時、ふとダレンモーランの行く先を見た。

「おーい!バルバレってあの港か!?」

「え"っ!?しまった、もうあんなところに!」

「結局こうするしかねえのかよ…!」

ダイラスは背中のフラストレーションを構え、力を溜め始めた。

「すまねえ、お前にうらみはねえけど…グギギギギ。」

「何をやってるんだあのハンターは…?」

赤服の男が目を凝らす。

「大丈夫です、ラスがああやってるときは大抵奇跡が起こりますから。」

「奇跡?」

赤服の男が半ば生返事のような返しをした。
力を溜めきったダイラスはハンマーを上空に振り上げ大きく跳躍する。

「バルバレってとこが近いからァ…ッ!」

背中まで思いっきりフラストレーションを振りかぶり

「ちょっと止まってくれェ!!!」

最大限にまで力を溜め込んだフラストレーションをダレンモーランの背中に思い切り叩き付けた。
その衝撃波は凄まじく、ダレンモーランが姿を現した時に近い波が連絡船のアルフレッド達を襲う。

「ぐぉぉ…まるで大銅鑼を鳴らしたみたいだ…。ホントにアイツハンターか!?」

「一応素手でドスランポスくらいならボコボコにして帰ってきますしねぇ。あ、ダレンモーランの体にヒビが入ってる。アレはちょっとやりすぎかなー…。」

「え?体にヒビ?…甲殻じゃなくてか。」

「ええ、体に。ほら見てくださいダイラスの足元。裂けて白くなってません?あれ体にヒビ入ってる証拠ですよ。」

「か、体にヒビを入れるほどの威力だったというのかあの溜め攻撃は…。」

赤服の男は開いた口が塞がらないようすだった。
ダイラスの溜め攻撃によりダレンモーランの前進は止まり、かくしてバルバレは何事もなく危険を回避した。







「だ、ダレンモーランを一撃!?しかも体にヒビじゃとぉ!?甲殻ではのうてか!?」

バルバレに着いた後、そこのギルドマスターに赤服の男が話した。

「あ、ああ。俺も見たときは自分の目を疑ったさ。だがホントに割れてたんだ。ギルドマスターも見ただろ?キレイに大剣三本分くらいのヒビが入ったジエンモーランの体を。」

「た、確かに見たが…ワシはあれを寒暖差による何かかと勘違いしておったワイ。」

「どう解釈したらそうなるんだ…。で、何かギルドにアテはないかと思って尋ねてみたんだが。」

「むぅ…。噂だけなら聞いたことはあるが。」

ギルドマスターと呼ばれた初老の男は聞き覚えがあるようだった。

「ホントかマスター!?」

「うむ。確か危険個体のラージャン激昂種や鋼龍クシャルダオラを相手に十二分ほどでけろっとした顔で帰って来て、ギルドの者が発見したそのモンスターの死体が顔面をはじめめった殴りにされていたとかいう噂をの。」

「よ、要するにタコ殴りってことか…。どちらも見つかったら生きてはまず帰れんと言われるほどなのに…。」

どうやらダイラスのバカ力談義をしている様子だった。

「すまないな、ギルドマスター。おかげで面白い話を聞けたよ。ありがとう!」

「うむ。またいつでも顔を見せに来い。ハッハッハ!」

赤服の男は片手を挙げながら集会所を後にした。 
 

 
後書き
(´‘ω‘`)感想ありがとうございました!

(´‘ω‘`)マジで嬉しかったッス!

(´‘ω‘`)というわけで今回も例に漏れず戦闘シーンは少なめです。

(´‘ω‘`)ただでさえバカ力設定なのでこの辺はどうしようかしら・・・。

(´‘ω‘`)ノシ 
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