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転生者達による神世界開拓記

作者:三島 渓山
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真・恋姫
  第十七話

 
前書き
ちょっと半年ぶりかなーってぐらいの更新です。理由は「他の作品書きてーよ症候群」にかかってたからです。 

 





 劉備、いや桃香が旅の一行に加わって数日が経った。何故劉備が桃香なのかというと、



 「お師匠様に真名を教えない訳にはいきません。桃香と呼んでください!」



 との事だ。真名とは劉備曰く、親愛度の高い相手にしか教えないらしい。それよりもお師匠様ねぇ……ご主人様よりマシか?



 「お師匠様~……」

 「腑抜けるなよ。もう一回素振り100回だ」

 「ふにゅ~……」



 宝剣・靖王伝家を振り回す桃香。彼女の身の丈に合わないので振り回されてるという表現の方が正しいのかもしれない。



 「……桃香にあの剣を使い熟せるとは思えないのう」

 「比較的軽いのが幸いだ。構えなどは今後実戦で試せばいい」

 「頑張れー桃香お姉ちゃーん!」

 「桃香さん頑張ってー!」



 身の丈以上ある棒を軽々振り回すチビッ子二人(種族が違うので当然だが)に応援されて苦笑する。



 「ところでここはどこなのだ?」

 「さあ?」

 「永巡……」

 「冗談だよ。この地図を見てみろ」

 「む、これは……?」

 「居場所お知らせ世界地図だ。俺の魔法と能力で作ったもの……早速反応したぞ」



 居場所お知らせ世界地図は広げた地図にある赤い矢印が今いる場所を指差す。拡大、縮小も出来る大変便利なものなのだ!



 「桃香の村を出た時はここら辺だったから……少々南下しているな」

 「不味いのか?」

 「まあな。目的地と逆方向だ」



 俺達は桃香の親友『公孫賛』の元へ向かう予定だった。しかし、俺達は流浪の身である。漠然とした目的地に向かうのは苦手だったみたいで真逆を行っていたのだ。



 「どうするのだ?」

 「近くの村で休んでから方向転換しよう。」

 「ふむ。偶には他人の家に宿泊も乙なものよ」

 「……期待している所悪いがこの国に風呂はねえぞ」

 「何と!?」



 今まではドラム缶風呂で我慢していた分、足を延ばしたいとか思ってたんだろうな。



 「寧ろドラム缶風呂があるだけましだろ」

 「む……しかしだな……」

 「日本に着いたらデカイ風呂作ってやるから」

 「……分かったのじゃ」



 我が儘は言うが聞き訳がいいので結構楽だ。その分後で何やらされるか不安だが。



 「お師匠様~終わりました~」

 「よっし、そろそろ出発するぞ」

 「お~」

 「おー」

 「台詞だけじゃとどっちがどっちか分からぬな」



 因みに~がサクラでーがアリシアな。多分役に立つ……かも知れない。



 「うぅ~白蓮ちゃんの家はまだかな~……?」

 「あー……その事なんだがな桃香」

 「ふぇ?」

 「桃香、お主方向が逆じゃぞ」

 「……えぇ~~~~~!?」



 ムンクの叫びみたいな顔になってんぞ!?



 「にゃははは……」

 「桃香お姉ちゃん……」

 「そんな目で見ないで……ぐすん」

 「俺達は今呉にいる。袁術の領土だからあまり長居したくないな」



 袁家の良い噂って聞いた事無いし……ていうか蜂蜜ってこの時代にあるもんなんだな。



 「お……あれか?」

 「村じゃなくて城砦みたいじゃの」

 「初めて見たね」

 「うんうん」



 完全に横○三国志に出てくる砦だった。



 「早く入らないと門閉められるな」

 「えーっ!?」

 「それじゃあ急ごう!」

 「あ!ちょ、待つのじゃ!」

 「待って~!」

 「はぁ……桃香」

 「うぅ……?」

 「何時までも落ち込んでないで行くぞ。失敗は次で取り戻せ」

 「……分かりましたお師匠様」



 そう言ってサクラ達を追う桃香。俺もそろそろ行くか。





 ~~~~~~





 「やっと着いた……」



 見知らぬ城下町で一息吐く俺達。ここはまだ黄巾党の被害を受けては無い様だ。



 「もうへとへとだよ~……」

 「うにゃ……」

 「もう少しの辛抱だぞお主ら」

 「宿までもう一踏ん張りだ」

 「「「は~い……」」」



 のそのそと歩く三人。それはゾンビを彷彿とさせるものだった(笑)



 「永巡」

 「何だネロ?」

 「人倒れではないかあれは?」

 「はぁ?」



 ネロが指差した方向を見ると確かに飲茶のポーズで倒れている女の子がいた。



 「どうするのだ?」

 「……取り敢えず拾っておこうか」



 サクラと同じ位の背丈をした少女を担いで宿を目指す。言っておくけど誘拐じゃないからね!?



 「お兄ちゃ~ん!」

 「見つけたみたいだな」

 「余達も急ごうぞ」



 ネロが急かすので走ってさくらの元へ向かった。この少女意外と軽いな。





 ~~~~~~





 飯も終わって月が昇り切りそうな時間。俺は宿の外で月を見ていた。



 「永巡よ、何をしているのだ」

 「月を見ていた」

 「月か……そなたは良く空を見ているが何かあるのか?」



 ネロの質問に内心びっくりした。無意識に月を見ていたのか……やっぱり家族が恋しいのかな?



 「月には家族がいるんだ」

 「ほう」

 「……笑ったりしないのか?」

 「今更そんな事で驚いたりせぬ」



 ちょっと馬鹿にされた気がした。能力の恩恵だが色々と無茶してるからなー。



 「……やはり家族が恋しいのかの?」

 「……あんまそういうのはないな。姉弟で仲は良かったけど、束縛されるのは嫌だからな」

 「束縛?」

 「老害ってのは何時の時代にも、何処の場所にもいるって事さ」



 ネロはそう言われて納得した顔をしていた。皇帝ってのもいいものじゃない。上に立つ者には立つ者なりの苦労や悩みがあるもんだ。



 「……っくしゅん!」

 「お、風か?」

 「いや、そうではないんだが……少し肌寒いかもしれぬな」

 「じゃあ中に戻るか」



 二人一緒に宿の中に戻る。すると中にはアイシアがキョロキョロ首を回していた。



 「アイシア?」

 「あ、お兄さん探しましたよ」

 「どうしたんだ?」

 「お兄さんが拾った女の子が起きたの!」



 マジか。ちょっと間が悪いかなーなんて思ったり。



 「行くぞ永巡。余はあの幼子が心配だ」

 「ああそうだな」

 「こっちだよ」



 先導しているアイシアについて行くネロと俺なのであった。
 
 

 
後書き
どんな作品書きたかったのか知りたい人はつぶやきでも見てください。ここで連載するかどうかはまだ決めてませんが。 
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