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幽霊だからって恋がしないとは限らないっ!

作者:御劔優太
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怪奇研究部の奇妙な生活。

その時、俺はあいつと出会った。
まぁ、話が飛びすぎだと思うが気にすんな。
「一番気になるとこでしょ!」
そう叫んだのは銀髪に透き通った肌、整った顔と三拍子揃った美少女、玲瓏渚。
こいつは龍神学園高等科、高校一年の生徒で・・・・
ーーーーーーーーー幽霊だ。
「別にお前との出会いなんて誰も気にしないからな。」
「そこ一番気になるとこ!そんなつれないこと言ってるとこのノートをばらしちゃおっかな!」
渚が出した一冊のノートの表には・・・
「がはっ!?それは・・・暗黒ノート!!!・・・」
「えっ?まだ中二病抜けてなかったの?」
「だまれ。」
そう、俺は元、中二病だ。自らを龍神の聖騎士(ドラグナー・シュバルツ)と名乗り、中学生活を痛々しくすごしてしまった。
「それはそうと名乗らなくていいの?」
「ああ、そうだな。」
俺の名前は獅童伊織。あっ、ちなみにしどうれおと読む。
みんなにはゼロ、とかれーくんとか呼ばれている。
俺は自分で言うのもどうかと思うが学年の四番いないに入る位のイケメンだ。
しかし・・・・この暗黒ノートのせいでこいつに脅され、奇妙な行動をとらされている。
「ところで伊織くん、このまえのラブレター。答えたの?」
「まだだが?」
「んじゃ、冷たい女たらしのキャラで断ってきてよ!」
「なぜに!?」
「いいのかなぁ?そんなこと言って。」
渚はヒラヒラとノートを見せる。
「ふん、そんなもので・・・」
「俺、ドラグナー・シュバルツは聖戦、「ジュケ・ン・ベン・キョー」で負傷、力を失ってしまった。」
「ぐわっ!?グゥゥ・・・」
「この黒魔術本を貴様が読むときはもう俺を忘れて・・」
「やめろぉぉぉぉぉ!分かった!やるから!やめれくれ!」
俺は知らないうちに壁に頭を打ち付けていた。
「血、出てるよ」
渚は袖で伊織の額を拭ってきた。
「お、お前服それしか無いんだろ!やめろよ。」
「いや?」
「別に嫌じゃないけど・・・」
「いいじゃん」
俺は拭う手をどけて、立ち上がった。
「んじゃ先に行ってるね。」
渚は屋上から出ていった。
「断ってくるか。」
俺は恋愛ができない。
///////////////////
屋上。
「・・・・」
俺伊織は屋上でピンク髪の女の子を見つけた。
「あっ!獅童せんぱーい」
「お前かよ・・・・さっさと剣道部行け
そして先輩は止めろ」
「んじゃ参拝」
「俺は神社かなにかか?」
「うーん・・・」
「悩むなよ。」
こいつは水嶋霙。残念なことに俺の幼馴染みだ。
「んで、この手紙はなんだ?」
「そのままの意味だよ!」
「お前は俺がモテることを一番不思議がってただろ。」
「で、でも!」
霙の表情が一気に曇った。
「伊織が他の人に取られるのは・・・・嫌だから・・・」
今までどんな告白も無慈悲に断ってきた俺だが、どうやっても霙の告白は断れなかった。
///////////////////
教室へ戻った。
「なぁ、伊織。」
「なんだ。」
「水嶋さんの告白、どーするんだ?」
このチャラいやつは神居智輝、残念なことに俺の親友だ。
「ああ・・・保留だ。」
「ん?お前が保留なんて珍しいな。」
「ふん、余計なお世話だ。」
「さいで、・・・・部室へ行きますか?」
「ああ、そうするか。」

俺たちが向かったのは、別館の一階。
「チーッス」
「こんにちは!」
俺と智輝が部屋に入ると、部長が出迎えてくれた。
「遅かったね、みんな。」
この黒髪が似合う怪しい感じの先輩は我々怪奇研究部の部長、神崎刹那。
「弁当を食ってから来たんですよ。」
「そうか、玲瓏も来てるぞ。」
「ヤッホー。」
渚が手を振る。
そう、怪奇研究部のメンバーは・・・・・全員が渚を見ることができる。
「あと来てないのは・・・・水嶋さんだね。」
「剣道部だろ。」
「まぁ、ゆっくりしていきたまえ、この怪奇研究部で!」
神崎先輩は両手を広げた。 
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