『ポケスペの世界へ』
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第十四話
―――23番道路―――
前作のゲームやったらセキエイ高原のBGMが必ず流れるけど、金銀は忘れたな。
「まだ着かねーのかよぉ。いい加減遠いぜ。 あ~~~、ハラ減ってきたな~~~」
ゴールドがバクフーンの背中に乗りながらそんな事を言う。
隣にはクリスがメガニウムの背中に乗っている。
俺はピジョットの背中に乗りながら飛行している。
「そうだ。途中で買ってきたタンバ名物「ホカホカ焼き芋」でも食うか」
ゴールドがリュックから焼き芋を三個出し た。
「どうぞっすショウ先輩」
「おぅ」
ゴールドは何故か俺を先輩と言ってきた。
ゴールド曰く「先輩は先輩っすよ」らしい。
「ほらよクリス、一本やるぜ。デブらない程度に控えめに食いな」
「な………」
クリスがゴールドの言葉に驚く。
「女の子に普通、そうゆう事言う? それにこれ、よく焼けてないじゃないッ!!」
やっぱ女の子なんやろか、食う気満々やん。
「んだよ、そんな事か。バクたろう」
ボウゥッ!!
バクたろうが炎を出した。
「ハハハッ!! 軽くあぶり直してやろーと思ったんだけど、ちょっと火加減が強すぎたか。まぁよくある事だ。気にすんなクリス」
「………気にするなですってェェェ???。火傷するかと思ったじゃないゴールドッ!!」
クリスが焦げた焼き芋をゴールドに投げた。
あ、命中した。
「………イチャイチャ臭やなぁ……」
「「だから違うッ!!」」
「息もあっとるやん………」
俺は溜め息を吐いた。
「大体貴方は………」
「うわったったったッ!! 悪かったっ てッ!!ったくしつけーなッ!!」
あれからずっとクリスがゴールドに文句を 言っている。
「よっぽど焼き芋を焦がされたのを根に持ってるな……」
「そうですよ。焼き芋は美味しくて………って違いますよッ!!」
あら?ちゃうんか?
「お、セキエイ高原のポケモンリーグの会場が見えたで」
俺達はリーグ会場に着いた。
「何だよこの人だかりはよ」
「リーグの挑戦者に決まってるやんか」
「一般入場受付だの選手入場口だのややこしいぜ。よしッ!!」
ゴールドがキックボードを出した。
「先に行くぜッ!!」
「あッ!!」
ゴールドはバクたろうを戻して中に突撃し た。
「どけぇーーーッ!! 一般人どもッ!!」
「あ、こらッ!!」
入場受付係の人が叫んだ。
「ちょっとゴールドッ!!」
「あー、さっきの少年と知り合いかね?」
「わわわ、す、すみませんッ!!」
走っていたクリスを受付係が止める。
「え?と、一般入場です。あ、入場料は彼の分も私が払いますから………」
全く………。
「きゃあァァッ!!」
「何や?」
「……またゴールドが何かしでかしたんじゃ あ………」
………クリス怖いから。
「ぁ?ヤンヤンマが暴れてるな……」
「どうしたッ!?」
「登録手続きのために一旦、出場選手から預 かっていたボールが弾みで開いたんだ。それで赤ん坊を持って……」
確かに三匹のうちの一匹が赤ちゃんを持っとるな。
「駄目だ。素早くて捕まえられないッ!!」
「あのヤンヤンマ達のトレーナーを呼ぶん だッ!!」
辺りが騒然としてきた。
「俺に任せろッ!!」
ゴールドがキューとボールを出す。
「そらッ!!」
そして、ボールを打った。
「赤ん坊が巻き込まれているのに攻撃をするなんて……何て事をするんだッ!!」
「攻撃じゃねーよッ!! パープリンは黙ってみてなッ!!」
「ん?」
ボールは右横の壁に当たり、真上に当たり、左横の壁に当たる。
それが何回も繰り返していると、ヤンヤンマが眼を回して赤ちゃんを離した。
「きゃあァァッ!!」
ボムッ!!
その直後、ボールの開閉スイッチに床が当 たって、ウソッキーが赤ちゃんをキャッチし た。
『オオォォォッ!!』
見物人が歓声をあげた。
「ヘヘ。ヤンヤンマはでっかい眼で常に360度を見てるポケモンだ。まぁその特徴を逆に利用してやったまで……イテテテッ!!」
ゴールドがクリスに耳を引っ張られる。
「ってーなッ!! 何だよッ!!」
「バカッ!! 助けるにしても、もっと地味にやってッ!! 何しに来たか忘れたの?目立ったら駄目なのッ!!」
怒っとる怒っとる。
ピポッ!!
「あ、博士。はい。無事に会場入りしました。はい、くれぐれも目立たないようにします。ゴールドにもちゃんと言います」
「わーってるよ。さっさと行こうぜ」
ゴールドがクリスに言う。
「どっちだ? エキシビションマッチをやるメイン闘技場は?」
「あっちやな」
「なら早く行きましょう、ショウ先輩」
「分かった分かった」
俺達は闘技場に向かった。
後書き
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