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虹の軌跡

作者:フゥマ
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第二十八話

虹太郎と啓一が野球同好会に入部して3日が経った

授業も始まり、部活動勧誘は昼休みと放課後限定になった

尚も部員は増えず、勧誘期間も残り10日となった。


あおい
「ボクがピッチャー、矢部君が外野手、七橋君がファーストで潮見君がサードか」

放課後のA組の教室に集まった4人

ノートにメンバーとポジションを書き込みながらあおいが呟いた

今のところ被りはないが、あとは捕手、二塁手、遊撃手、外野手2人

最低5人入れないと試合も出来ないのだ

啓一
「期限過ぎたら同好会活動出来ないからなぁ。ところで矢部っち、前に説得してるって言ってた奴らどうなったの?」

矢部
「1人は結局サッカー部に入部したので無理でやんすが、もう1人は目下説得中でやんす」


力無く答える矢部


矢部
「でも、みた感じ運動が苦手なイメージでは無いでやんす。絶対に即戦力でやんすよ」

まだ決まった訳でもないのに大した自信である

虹太郎
「そんなにスゴいんだ。ところで、どんな人なんだい?」

矢部
「キュウイチ君でやんすか?D組にいる小柄な男子でやんす」

啓一
「ふ~ん…ところで苗字は?」


矢部
「それが解らないんでやんす。ただ机には『キュウイチ』としか書かれてなかったでやんすよ」


そう言って矢部は紙に漢数字で『九一』と書いた


虹太郎・啓一
「……プッ」


その名前を見るなり吹き出す2人

啓一に至っては爆笑しだした


虹太郎
「いや、ミケ、人違いかも知れない。それに笑うのは良くないな。俺もだけど」

笑うのを堪えながら虹太郎が口を開く


あおい
「え?2人共知ってるの?」

やり取りについて行けず、ポカンとするあおい

啓一
「俺達の予想通りならな。コイツは九(いちじく)一(はじめ)。んでもって」

虹太郎
「俺達と同じ東雲中学野球部で遊撃手を守ってたんだ」 
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