ドリトル先生学校に行く
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第一幕 充実している学園その十一
「英語訳で読んでいました」
「古典も英語なんですよね」
学生さん達も笑顔でお話するのでした。
「本当に違いますね」
「それも全く」
「英語も日本語と同じで今とかつては違います」
このことをです、先生はここでお話します。
「そのことはご存知でしょうか」
「あっ、そうでしたね」
「言葉は時代と共に違いますから」
「イギリスもそうなんですよね」
「昔と今で言葉が違いますね」
「そうです、シェークスピアの時代の言葉は違います」
そうだというのです。
「どの国の言葉も同じですね」
「いや、凄く勉強になります」
「先生語学の先生も出来ますよ」
「僕達凄く勉強になりました」
「凄いですね」
「いや、僕も語学を学んでいますが」
先生は学生さん達の言葉に笑顔で、しかし謙遜してその学生さん達に応えます。
「そこまではとても」
「至らないですか」
「そう仰るんですか」
「そうです、僕はそこまでの学識はないです」
とてもだというのです。
「語学者は僕なぞよりとても言葉を知っていますから」
「だからですか」
「先生では、ですか」
「そうです、とてもです」
語学者にはなれないというのです。
「なれません」
「そうでしょうか」
「先生凄いですよ」
「動物の言葉もわかりますし」
「日本語も中国語も読めますし」
「しかも日本の古典にもお詳しいじゃないですか」
「なれますよ」
「いやいや、僕はあくまで医者です」
そして獣医だというのです。
「それで充分です」
「そうなんですか、けれどですね」
「これからもですね」
「日本にもいますので」
学生さん達の今の問いにはです、先生は謙遜ではなく素直さで応えました。
「ですから」
「学ばれますね」
「日本文学を」
「文学だけでなく」
それだけでなく、というのです。
「その他にも。日本自体を」
「勉強されますか」
「そうされるんですか」
「そうします」
是非にというのです、先生は前向きでした。
「色々と行ってみたい場所もあります」
「じゃあ神戸はですね」
「この街は」
学生さん達は笑顔で応えます、この人達も神戸にいますので。
それで神戸のことを次々とお話します、それに大阪や京都、奈良といった関西のあちこちのことも。先生はその中で特にです。
「京都ですね」
「あの街ですね」
「あそこに行かれますか」
「面白そうな街ですね、よくお話は聞きますが」
「ただ夏は物凄く暑いですから」
ここでこのことがお話する学生さんがいました。
「それに冬は寒いです」
「盆地だからですね」
「そうです、それは奈良もでして」
奈良も盆地です、だからだというのですう。
「あそこも夏と冬は覚悟しておいて下さい」
「成程、では同じ関西でも神戸とは全く違う気候ですか」
「そうです」
「では神戸と大阪も」
「大阪は暑いですよ」
このこともお話されました。
「神戸と比べると」
「そうなのですか」
「神戸は前に海、後ろに山がありますね」
「はい」
「それでその間の狭い場所に街があって」
そしてだというのです。
「しかも山から風が下りて冬も厳しい寒さなんです」
「しかし夏はですね」
「そうです、涼しいんです」
それが神戸の気候だというのです。
「大阪よりも」
「そして京都の夏よりもですね」
「そのことはご存知でいて下さいね」
「わかりました、日本はその地域ごとで様々な気候があるのですね」
「そうです、イギリスのことはよく知りませんが」
「イギリスよりも様々ですね」
先生はイギリスの地域やそれぞれの気候のことを思い出しつつ学生さんに答えました。
「街ごとに気候が変わるということは」
「ないですか」
「そうです、ないです」
そlこまではというのです。
「これでは同じ県であっても違っていそうですね」
「兵庫県もそうですよ」
先生達が今いる神戸市がある兵庫県もだというのです。
「日本海側や中央の山の中もありますけれど」
「それぞれで、ですね」
「違いますから」
「成程、そのことを学ぶことも楽しそうですね」
先生はにこりと笑って言いました、目をきらきらとさせてのその笑顔はまるで子供の様に素直で明るいものです。
「ではこれから」
「日本のことをですか」
「日本の様々なことを」
「はい、学んでいきます」
学者としtえそうしようと言う先生でした、先生は学生さん達と早速打ち解けると共に日本への興味をさらに深くさせたのでした。
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