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ドリトル先生学校に行く

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第一幕 充実している学園その八

「よければ読んで下さい」
「英語の本ですね」
 学生さんの一人が先生にこのことも尋ねました。
「そうですよね、やっぱり」
「はい、イギリスにいた頃に書いたものです」
 実際にそうだと答える先生でした。
「全て英語で書いています」
「じゃあ英語が出来ないとですね」
「難しいですね」
「ですが皆さんはドイツ語も学ばれていますね」
 カルテはドイツ語で書きます、それでなのです。
「英語とドイツ語は近いですね」
「はい、そうですね」
「それではですね」
「ご心配には及びません」
 勉強することについてだというのです。
「皆さんなら出来ます、いえ誰でもです」
「誰でもですか」
「英語を勉強出来るんですか」
「日本では子供の頃から英語を勉強しているそうですが」
「はい、そうです」
「これが中々厄介でして」
「実は英語は誰でも簡単に身に着けることが出来るのです」
 先生はにこにことしてこうお話するのでした。
「恐れることも身構えることもないのです」
「そうですか?僕は苦労しましたけれど」
「僕もちょっと」
「英語は苦手です」
 学生さんのうちの何人かが先生のそのお話に難しい顔で応えます。
「どうにも」
「勉強しにくかったです」
「コツがありまして」
「コツ!?」
「コツがですか」
「はい、あるのです」
 こうお話するのでした、学生さん達に。
「皆さんにそのこともお話させてもらいましょうか」
「はい、お願いします」
 学生さん達は先生の今の言葉に目を輝かせて応えました。
「そんな簡単なんですか!?」
「でしたら是非教えて下さい」
「僕も知りたいです」
「僕もです」
 学生さん達は皆で先生にお願いします、先生はその学生さん達に優しい笑顔で応えます、そうしてなのでした。
 学生さん達は先生の研究室でそのコツを教えてもらいました、そのことを聞いてです。
 テーブルに着席している皆は唸る様にしてこう言いました。
「そうしていけばいいんですか」
「いや、凄いですね」
「そんな覚え方があるなんて」
「意外ですね」
「はい、僕はこのやり方で他の言葉も覚えています」
 学生さん達と同じテーブルに着いている先生は紅茶を飲みつつこう応えます。
「日本語や中国語も」
「そして動物の言葉もですね」
「それもですね」
「そうです、語学はコツなんです」
 難しく考えるものではなく、というのです。
「それなんです」
「そうなんですね」
「そのやり方でいけばいいんですね」
「わかりました、それじゃあ」
「頑張ります」
「それとです、この研究室の本ですが」
 部屋の壁を全部埋めている本棚の本達のこともです、先生は学生さん達にお話しました。
「今は日本語の蔵書は殆どないのです」
「やっぱり英語の本が多いですね」
「そうなっていますね」
「これから増やしていくつもりです」
 その日本語の本もだというのです。 
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