転生とらぶる
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スーパーロボット大戦OG外伝
0503話
ODEシステムのマスターコアから姿を現したヴァルシオン改・タイプCF。出て来るのを知っていた俺や、この機体にそれ程深く関わっていなかったスレイはともかく、ムラタにとっては珍しく唖然とした表情を浮かべているのがモニタ越しに確認出来た。
「何故あの機体が……ヴァルシオン改・タイプCFがここに? いや、一時期とは言ってもロレンツォがここにいた以上はあってもおかしくはないのか。ちっ……」
忌々しそうに舌打ちをするムラタを横目に、ラミアの乗っているバルトールの方へと視線を向ける。そこでもこっちで姿を現したヴァルシオン改・タイプCFに気が付いたのだろう。キョウスケのアルトアイゼン・リーゼを始めとしてインスペクター事件の序章ともなった北米で起きた強奪事件に関わっていた者達の機体が多かれ少なかれ意表を突かれた様子でその動きを鈍らせていた。
「期待外れか」
それとは別に、思わず呟く。
その言葉を聞き咎めたのだろう。スレイが不思議そうな口調で尋ねてきた。
「何が期待外れだったのだ?」
「いや、マスターコアと思しき場所から出て来たところを見て、あの機体がマスターコア本体だと思って間違い無いだろう。つまりは……っと!」
スレイへと説明をしている途中で、こちらの様子を見ていたヴァルシオン改・タイプCFがとうとう動きを見せたのだ。その両手にエネルギーを溜め、同時に胸の部分を展開する。
「全機散れっ、クロスマッシャーだ!」
その攻撃が何であるのかを知っていた俺の言葉に、スレイのカリオンが瞬時に従う。ムラタはと言えば、向こうが動きを見せた時点で既に動き始めていた。何しろ実際にあの機体に触れてきた時間がそれなりにあるのだ。原作知識でしか知らない俺よりも余程詳しいだろう。
「ヒリュウ改、ハガネ、聞こえているな! ヴァルシオン改・タイプCFだ! そっちにも攻撃が届く可能性がある。十分に注意しろ!」
通信を送り、返事を聞かずにそのまま回避行動に。そして胸の部分からクロスマッシャーが放たれる。螺旋状のレーザーとなって撃ち放たれたそのエネルギーは、周囲を赤と青の色違いの何かに絡みつかれてこちらへと向かって来る。
ちぃっ、狙いは俺か!?
「加速!」
咄嗟に精神コマンドの加速を使用し、バーニアを全開にしてクロスマッシャーの射線軸上から退避する。
ギュオッ! そんな空気を斬り裂く……と言うよりも、削り取るような音が聞こえてきた。その音の発生源は、つい数秒前までグロウセイヴァーのいた空間を貫通してそのまま突き進み……ヒリュウ改やハガネの部隊とラミアの操縦するバルトールがいた空間を貫き、ヘルゲートの壁を破壊して外へと飛び出ていった。ヴァルシオン改・タイプCFの様子を警戒していたのが幸いだったのか、幸いこちら側の機体には被害が殆ど出ていない。その重量故に回避するのが少し遅れたジンガスクード・ドゥロに多少ダメージはあったが、その殆どはG・テリトリーの効果により防ぎきっていた。
「何と言う威力だ」
カリオンからスレイの唖然とした様な呟き。その視線が向いているのは、ここからかなりの距離があるというのにクロスマッシャーにより貫通されたヘルゲートの壁か。
「はああぁぁあぁっ!」
雄叫びと共に無明がシシオウブレードを構えたままヴァルシオン改・タイプCFへと突撃していく。
「ムラタ!?」
そんな無明を見て、スレイが漏らした声が聞こえて来る。
だが、選択としてはそれでいい。何しろあの機体は……
「あの機体は宙間戦闘用として改修された機体だ。近接戦闘用の武装を一切持っていない、射撃戦闘用の機体としてな。だからムラタのあの判断は正しい!」
そうカリオンに通信を送りつつ、俺もまた無明に続けとばかりにグロウセイヴァーのバーニアを全開にして距離を縮める。
特にこの機体は確かデュミナスに操られたラミアが乗って現れる機体と違ってクロスマッシャーの射程に穴があった筈だ。その射程の穴を埋める為のメガ・グラビトンウェーブを使われる前に仕留める!
「アダマンハルパー、起動!」
急激に距離が縮まっていくヴァルシオン改・タイプCFを見ながら大鎌状態にしたアダマンハルパーを振り上げ……
ムラタのシシオウブレードを後方へと大きく下がりながら回避するヴァルシオン改・タイプCF。こちらにも注意は払っているのだろうが、まだ距離があると判断しているのだろう。機体を完全にシシオウブレードで斬り付けてくる無明の方へと向けている。だがその隙が命取りだ!
「加速!」
精神コマンドの加速を使用。同時にクロノスの追加ブースターを全開にし、グロウセイヴァーに出せる最速の速度を出して最短距離で間合いを縮め……
「ムラタ、合わせろ! スレイ、後詰めを!」
幾らカリオンとは言っても、今のグロウセイヴァーには追いつけない。なのでスレイには後詰めを頼み、ヴァルシオン改・タイプCFへとアダマンハルパーを振り下ろす!
「はぁぁっ!」
俺の指示が聞こえたのだろう。ムラタの裂帛の声が通信を通して聞こえ、シシオウブレードを用いて巨大な足下へと斬り付ける。そして俺もまたそれにあわせるようにしてヴァルシオン改・タイプCFの背後、増設された宙間用スラスターへとアダマンハルパーを振り下ろす。
ざくり。そんな手応えがグロウセイヴァーを通じて俺にも感じられた。そして視界の隅へと一瞬だけ映ったのは、宙間スラスターの右の部分が斬り飛ばされた所だった。同時に、シシオウブレードで斬られた足にもそれなり以上に深い傷がある。そして……
「はぁぁぁっ!」
スレイの乗るカリオンが小刻みに動き、時にはバレルロール回転をしながら、カリオンの先端に内蔵されているレールガンを連続発射をして、そのまま距離を縮めていく。
「これが私の……スレイ・プレスティの実力だ!」
続けて機体の先端にエネルギーを発生させ、そのままヴァルシオン改・タイプCFへと突っ込んで行き、装甲表面を削り取りながら通り過ぎる。
Gドライバーからのソニック・カッターへと繋げた訳か。言うだけなら簡単だが、実際に行うにはかなり繊細なテスラ・ドライブの制御が必要になる。この辺はさすがスレイと言った所だろう。
「ファントムッ!」
そんなスレイの作った隙を逃さずに、ファントムを全機射出。T-LINKシステムを通じて俺の意志を伝え、レーザーブレードを展開したままヴァルシオン改・タイプCFへと突っ込んでいく。
さすがに60m近い大きさを持つとファントムを回避するのも難しいらしく、その巨体には面白いようにレーザーブレードが突き刺さる。それでもさすがに究極ロボの異名を取るヴァルシオンの量産機と言うべきだろう。その装甲の厚さは並ではない。だが……
「ムラタ、スレイ。遠距離攻撃で奴の注意を俺に向けさせるな」
短く指示を出し、量産型システムXNを起動する。
「システムXN、起動……転移座標確定。転移フィールド生成開始……」
ファントムがヴァルシオン改・タイプCFの周囲を舞うように飛び回り、隙があればレーザーブレードを突き立て、あるいはその装甲を削り取っていく。あるいはレーザー弾を連続して発射し、小さいながらもダメージを重ねていく。
スレイのカリオンはホーミングミサイルとマルチトレースミサイル、レールガンを連続して発射し、ムラタもまた得意ではないながらも何とかバースト・レールガンを撃ってこちらから注意を逸らさせる事に成功している。
その様子を見ながらビームガトリング砲、リニアレールガン、ランツェ・カノーネの砲身を展開。同時に両手に装備されているグレイプニルの糸をいつでも展開出来るように準備する。
そのままグロウセイヴァーは光の繭のような転移フィールドに包み込まれ……
「愛……転移!」
精神コマンドの愛を使い、それと同時に転移が行われ、次の瞬間にはグロウセイヴァーはヴァルシオン改・タイプCFの背後へと姿を現していた。
「グレイプニルの糸、起動!」
T-LINKシステムを通し、グロウセイヴァーの両手から念動力を糸状態へと変化させグレイプニルの糸を生成。目の前にいるヴァルシオン改・タイプCFへと絡みつける。
「ゴルゴンの瞳に魅入られろ!」
グレイプニルの糸により強制的にその動きを止め、ファントムを少し距離を取ってこちらから離す。同時に零距離ともいえるこの距離でクロノスから砲身を展開していたビームガトリング砲、リニアレールガン、ランツェ・カノーネ2門のトリガーを引いた。
さすがにこの至近距離から、回避する事も出来ずに好き放題に撃たれるのは効くのだろう。その衝撃で次々に宙間スラスターの部品が砕け散り、装甲も破壊されていく。
大きさで言えばグロウセイヴァーはヴァルシオン改・タイプCFの半分もない。それでもその動きを強引に止める事が出来ているのは、やはり時流エンジンとプラズマジェネレーターをフルドライブさせているおかげだろう。
「ファントムッ!」
同時に先程退避させていたファントム全機にレーザーブレードを展開させたままこちららへと突っ込ませる。
これまでの牽制の為の一撃とは違い、レーザーブレードを展開したまま最大速度で突進。ヴァルシオン改・タイプCFの装甲を抉り、機体内部へとその身を沈めていく。
「アダマンハルパー、ナイン・テールモード!」
グレイプニルの糸を多少緩め、腕を振るう空間を確保してアダマンハルパーを展開。ナイン・テールモードの9条の鞭へと姿を変え、そのまま振り下ろす!
ギャギャギャギャッ、という金属同士が擦れ合う聞き苦しい音を周囲に響かせながら機体背部に装備されている宙間スラスターが全て破壊され、砕かれ、斬り裂かれて部品がヘルゲートの中へと散らばる。
まだだ!
「SPブースト……斬っ!」
T-LINKシステムへと大量のSPを注ぎ込み、その動きを縛っていた念動力で生成された糸へと切断性能を付与。そのまま思い切りグレイプニルの糸を引き、糸が絡まっていた四肢を念動力の糸によって斬り裂かれていく。
「食らえ、仕上げの一撃だ!」
四肢を失い、ヴァルシオン改・タイプCFの最大の特徴とも言える宙間スラスターすらも破壊され、文字通りに胴体と頭部しか無くなり戦闘力を失ったODEシステムのマスターコアへと向かって、グレイプニルの糸を解除、素早く武器ラックからガン・レイピアとハルバート・ランチャーを取り出す。同時に胸部装甲を展開、多弾頭ミサイルのファイア・ダガーを零距離から発射し、両腕に持った2つの武器のトリガーも引く。
「貴様は消えろ、ODEシステム!」
その台詞と共に、巨体を誇るその胴体すらも消滅していき……最後に残ったのはマスターコアが移植されたであろうコックピットブロック周辺のパーツのみだった。
そして背後から聞こえて来る爆発音。一瞬だけそちらを確認すると、そこではアルトアイゼン・リーゼがバルトールを撃破し、コックピットブロックからラミアを救出している。手足に若干の損傷が見られるが、その目にはしっかりと己の意志を宿しているのを見て安堵する。
「残念だったな。いざという時には一瞬の隙を突いてあのラミアを攻撃。キョウスケ達に同胞を失わせる絶望を与えるつもりだったのだろう?」
既にコックピットブロックのみとなったヴァルシオン改・タイプCFをグロウセイヴァーで掴み、接触回線で通信を送る。
「……お前は、何者だ。何故ODEシステムである私の思考を把握する事が出来る?」
「さて、何故だろうな。1つ言えるのは、所詮ODEシステムは出来損ないだって事だけだ」
「否。ODEシステムで人類の意思を統一してこそ地球は救われる。特定の個人ではない、地球人の総力を持って地球を、この世界を守る為にはODEシステムこそが……」
「なら何故ラミア以外の、アラドやゼオラ、ラトゥーニ、クスハ、オウカ達を吸収しなかった?」
「……コアナンバー521は均一化を図った後も抵抗を続けた。そのエラーが広がる恐れがあった為にその同胞をODEシステムに組み込むのを見送った」
「その時点で既に全人類を1つの意志に纏めるというのが矛盾していると、何故気が付かない?」
「……」
「そもそもODEシステムは柔軟性に難があるシステムだ。特定の範囲内の能力を持つ人物なら確かにシステムに組み込むのは有益だろう。だが、それ以外。例えばお前が危険視したラミア。そしてこの場にいるパイロット達のような、一種の規格外に対してはシステムが許容出来ないんだよ。その時点でお前が言ったODEシステムの大前提である全地球人類の意志を統一するという目標は崩れ去っている」
「私が……ODEシステムが間違っていたと言うのか?」
「さて、どうだろうな。正しいかもしれないし、間違っているかもしれない。だが結局の所は人の意志を1つに纏めると言うのが無理のある事なんだろうよ。……さて、馬鹿げたバルトール事件もこれで終劇だ。デュミナスや修羅、ソーディアンがまだいるんでな。お前で時間を使う訳にはいかないんだよ」
ハルバート・ランチャーを武器ラックから取り出し、その銃口を向けてトリガーを引く。複数の光線がヴァルシオン改・タイプCFへと弾着……する寸前にその機体から強力な光が周囲を照らし出し、念動力が激しく警鐘を鳴らす。
現れたか……デュミナス。
後書き
アクセル・アルマー
LV:40
PP:300
格闘:270
射撃:290
技量:280
防御:280
回避:310
命中:330
SP:478
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
撃墜数:447
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