久遠の神話
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第六十九話 二人の参加者その五
「ですから」
「色々とあるのですね」
「そうですね、私達は」
「とにかく、お昼にこの校舎の屋上で」
「お話をしましょう」
「わかりました」
上城は彼女の言葉に再び頷いた、そしてだった。
彼はその屋上に樹里、転校生のことを話すとどうしても同行すると言って来た彼女と共にその後者の屋上に向かった、その屋上への扉のところで。
高代と会った、高代は彼の姿を認めてこう言って来た。
「貴方もですね」
「はい、呼ばれまして」
「女神達にですね」
いつもの穏やかで優しい声で彼に言う。
「そうですか」
「あの、先生にお話をしたのか」
「あの新任の先生です」
彼女がだというのだ。
「水樹智子さんと仰いますが」
「その人がですね」
「私をここに案内してくれました」
「私はどうしてもって言ってです」
樹里は強い声で高代に告げた、目もそうなっている。
「上城君についてきました」
「そうですか」
「気になって」
それでだとだ、樹里は高代に述べる。
「そうしました」
「わかりました、では」
「私も一緒にいていいんですね」
「貴女が決められたことなら」
それならというのだ。
「私は何も言いません」
「そうなんですか」
「人は自分で決めて自分で動くものです」
高代はここでこうも言った。
「それが正しいことならば」
「先生は止めないんですね」
「何が正しく何が悪いかの見極めこそ大事ですが」
「今の私は、ですか」
「ここで上城君を心配せずに一人で行かせるのなら」
その場合はというのだ。
「言わずともですね」
「そうですね、じゃあ」
「はい、では行きましょう」
樹里と上城に言った。
「これより」
「では、ですね」
「扉を開けて」
「私が開けます」
高代は屋上に出る扉のドアノブに手を添えた、そしてだった。
彼が扉を開ける、そのうえで三人は屋上に入った。
三人が屋上に入るともうそこに二人が立っていた、豊香ともう一人は草色のスーツとズボンの美女だった。
その二人がだ、こう三人に名乗って来た。
「春日野豊香、ペルセポネーです」
「水樹智子、アテナです」
「ペルセポネー、そしてアテナですか」
高代は二人の名乗りを受けて述べた。
「ギリシアでも有名な女神の方々ですね」
「有名かどうかは知りませんが」
智子はそれはいいとして高代に返した。
「私はアテナです」
「そうですか」
「はい、そしてですが」
智子は自分から話をはじめた、その話はというと。
「貴方達は剣士ですね」
「はい、そうです」
「御存知だと思いますが」
上城と高代が答える。二人は横に並んでそのうえで智子と豊香、やはり横に並んでいる彼女達に応える。樹里は二人の剣士の後ろにいる。
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