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久遠の神話

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第六十九話 二人の参加者その一

                  久遠の神話
              第六十九話  二人の参加者
 学園の中は転校生の話で持ちきりだった、それはというと。
「先生の方もだけれどな」
「ああ、ギリシアかららしいな」
「ギリシアからの転校生らしいな」
「じゃあ外人さんか」
「おい、随分古い表現だな」 
 外人という表現がもうだというのだ。
「もう外人もないだろ」
「それもそうか」
「ああ、ギリシア人って言おうな」
 こうしたやり取りも入ったのだった、そしてそのギリシア人の話にもなった。
「ただ、ギリシアってな」
「何か美人少ないっていうよな」
「ギリシア神話の女神とかお姫様とか美人揃いって聞くけれどな」
「実際は違うんだな」
「今のギリシアは」 
 それは何故かという話も為される。
「今のギリシア人ってギリシア神話の頃のギリシア人じゃないからな」
「えっ、そうなの?」
「今とはまた違うの」
「ギリシア神話の頃のギリシア人はヘレネスだったけれどな」
 彼等は自分達をそう呼んでいた、そして他の場所から来た者達をバルバロイ、即ち異邦人と呼んでいたのだ。
「そこからマケドニアだのローマだの入っただろ」
「ああ、そうだったな」
「そういえばそうよね」
「そこにスラブ人も入ってイスラム教徒も入って」
「トルコだった時代もあるし」
 尚この時代のことはギリシア人は全力でなかったことにしている、アテネオリンピックの開会式でも一切触れていない。
「それで混血してなのね」
「古代のギリシア人じゃなくなったのか」
「そういうことなの」
「そうなんだよ、それでな」
 その混血の結果だというのだ。
「何か変に混ざったらしくて」
「ギリシアは美人が少ない」
「そうなるのか」
「他にはベルギーやオランダもな」
 こちらはフランスとドイツの間にある。
「混血jはしてもか」
「それが失敗して」
「それで三国で欧州三大な」
 美人が少ない国だと言われているというのだ、ただし美人かどうかは時代によって変わるし所詮は主観の問題だ。
「そう言われてるけれどな」
「いや、ギリシアそんなに美人少なくないだろ」
「結構多いんじゃ?」
「そうだよな」
 皆その話を聞いてそれで話すのだった。
「ベルギーやギリシアも」
「そんなに美人少ないか?」
「普通位よね」
「というか美人とかって人それぞれで主観もあるから」
「日本の女優やアイドルにしても」
 具体的な例として自分達の国が挙げられる。
「アイドルグループでもそれぞれ好みがあるから」
「太ってるとかお猿さんみたいな顔とか歯が出てるとか」
「顔が真ん中に寄ってるとか目が大きいとか」
「鼻の形がおかしいとか」
 それこそそれぞれの好みで言いだしたらきりがない、しかもここに人相も関わる。
「美人なんてなあ」
「あまり言っても」
「主観のことだし」
「今度来る娘もねえ」
「美人だっていうのも」
「やっぱり主観だよな」
 こう話す彼等だった、結局そういうことは主観でありはっきりとそうだとは言えないというのだ、そして実際にだった。
 その転校生と新しく来た先生を見てだ、彼等はこう話した。 
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