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久遠の神話

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第六十八話 集う女神達その九

「けれどね」
「それでもですね」
「貴女はセレネー姉様と同じ力を持っているわ」
 だから同じ月の女神なのだ、それにだ。
「しかもね」
「それに加えてですね」
「貴女と姉様の力は同じだけよ」
 神としての力は互角ではないかというのだ、だがアテナは聡美に対してこう言ってから少し考えて答えた。
「同じ、いえ姉様の方が少しだけね」
「上ですね」
「だから戦いを止められなかったのよ」
「私だけでは」
「私達一人一人では出来ることは限られているわ」
 例え神でもだというのだ。
「どうしてもね」
「だから私はこれまでずっと」
「そう、戦いを止められなかったのよ」
 聡美がセレネーと同じ力を持っていて彼女の方が少しだけだが劣るからだというのだ。この辺りは姉妹の如き関係でありセレネーの方が姉だからだろうか。
「けれどこれからは」
「アネナ姉様とペルセポネーがいるから」
「三人でね」
「姉様を止めるのですね」
「ええ、そうよ」
 絶対にだというのだ。
「そうしましょう」
「わかりました」
「私も是非」 
 聡美だけでなくペルセポネーもアテナのその言葉に頷いて答えた。
「姉様を止め戦いを終わらせる為に」
「是非」
「決まりね。ではね」
 アテナは二人の言葉を受けてからまた述べた。
「アルテミスは今は日本の学校にいるわね」
「はい、大学生として」
 銀月聡美、この名前で八条大学にいる。剣士達や樹里以外は彼女がアルテミスだということは知らない。
「そうしています」
「では私達もね」
「日本の学校に入られるのですか」
「そうするわ」
 アテナは微笑んで聡美に答えた。
「剣士達は貴女が通っている八条学園に集まっているわね」
「最も多いです」
「ではね」
 それならというのだ、アテナもペルセポネーも聡美に最初に呼ばれた時に八条学園のことは聞いていて知っているのだ。
「私達も学園に入るわ」
「そうされてですか」
「貴女と共に戦いを終わらせるわ」
「私もです」
 ペルセポネーも言う。
「そうさせてもらいます」
「貴女もなのね」
「三人ですから」
 ペルセポネーは聡美に微笑んで答えた。
「ですから」
「ではね」
「三人でお姉様を止めましょう」
 ペルセポネーは穏やかな笑顔で二人に言った。
「これから」
「これは日本の言葉だったわね」
 アテネは林檎を食べながら穏やかな微笑みでこの言葉をだった。 
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