ヘタリア大帝国
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TURN118 アルビルダの帰還その六
「欧州で二番手となるでしょう」
「あのエイリスがですか」
「これから私達はアフリカの植民地に攻め込みます」
そのうえで独立してもらう、それではだった。
「そうなればあの国の植民地はなくなります」
「これで、ですね」
「ですから」
それ故にだというのだ。
「エイリスは最早世界帝国ではなくなり」
「欧州の一国として存在することになりますか」
「欧州の中では大国ですが」
だがそれでもだというのだ。
「世界帝国ではなくなり」
「欧州でもですか」
「やはりドクツが強いです」
そうなるというのだ。
「あの国が」
「そうですか、あの国がですか」
「どう考えてもです」
やはり強いというのだ、ドクツがだ。
それでだ、五藤はこういうのだった。
「外相ともお話しますが」
「ドクツとですね」
「どうしていくかが欧州との外交になります」
「そうですね、しかし」
ここで秋山は言った。
「ドクツとは」
「今は、ですね」
「今は、ですか」
「はい、今はです」
あくまで今の時点はというのだ。五藤はその顔はにこやかに笑っているがその言葉は真剣なものであった。
「今の時点ではです、、戦後はわかりません」
「ドクツと対立する可能性がですか」
「あります」
「ありますか」
「はい、欧州と太平洋」
その二つに分かれるというのだ、五藤は軍人だが今は政治家として分析してその場で話を進めていた。
「この二つの軸で動くでしょう」
「確かに、言われてみれば」
秋山もここでわかった、彼も伊達に参謀総長ではない。そうした政治的センスも備えているのだ。
「そうなっていきますね」
「今同盟国といってもそれが永遠にはならないですから」
「そうですね、本当に」
「太平洋経済圏においてもです」
その彼等が所属する経済圏でもだというのだ。
「戦後はその内部でかなり」
「主導権争いがですね」
「日米中三国にインドカレーも含めてです」
「この四国で、ですね」
「若しくは三国か」
この場合は日米中だ。
「争いそしてインドカレーがバランサーになるでしょう」
「ではインドカレーがかなり重要ですね」
「そうなると思います」
「太平洋経済圏といっても一枚板ではないですね」
「しかも三国だけではありません」
「そうですね、他の国々もありますから」
「太平洋経済圏は非常に内部での対立が複雑になっていきます」
参加国の数が多い、それ故にだというのだ。
「戦争の後でも」
「色々ありますね」
「戦争が終わってそれでハッピーエンドになるかというと」
「なりませんね」
「新たなはじまりです」
それからだというのだ。
「そうなります」
「ではそれからのことも」
「参謀総長も考えて頂ければ」
「では」
こうした話もしていた、枢軸の中でもそろそろ戦後のことが考えられてきていた。
だが今はそれは言われだしてきたばかりだ、やはり肝心なのは今の戦争のことだった。
北欧とその諸国を加えた枢軸諸国はいよいよアフリカ戦線に戦力を集結させていた、スエズと南アフリカ方面が次の戦略目標だった。
その中でだ、スウェーデンが一同にある缶詰を出してきた。台湾はその缶詰を見て本能的に危機を察して言った。
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