ヘタリア大帝国
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TURN118 アルビルダの帰還その二
「次はね」
「エイリスもですね」
「向こうもわかってる筈だよ、この同盟はね」
「あくまで一時的なものですね」
「永遠のものじゃないよ」
断じて違っていた、このことは。
「ドクツとエイリスには積もりに積もりものがあるからね」
「はい、ですから」
「我々にしても」
「まあ俺達にしてみればドクツのことはどうでもいいさ」
ヒムラーはドクツ総統でありながら平然とこう言った、そして今現在彼の前にいる部下達も同じであった。
「所詮ね」
「はい、しかしです」
「エイリスを倒さなければ」
「そう、ドーラ教を広められないからね」
だからだった、今は。
「エイリスも倒してね」
「世界をドーラ様のものに」
「そうしましょう」
「さて、では時間だよ」
ヒムラーはここでもそっけなく言った。
「ドーラ様の御前に行こう」
「それでは共に」
「礼拝を」
部下達も応える、そうしてだった。
彼等は北欧を放棄しそれからのことも話した。ヒムラーはアルプスとその後のことも既に構えていたのだった。
エイリスも北欧を放棄した、アイスランドとのワープ航路を破壊した。
航路の破壊を担当したのはイギリス兄妹だ、二人はその破壊された航路を見届けながら難しい顔になっていた。
その中でだ、イギリス妹は兄に言った。
「また修理すればいいです」
「ああ、戦争は終わったらな」
「ですが、ですね」
「折角見つけた航路を破壊するのはな」
どうかとだ、イギリスが今言うのはこのことだった。
「どうもな」
「あまり気持ちのいいものではないですね」
「この航路も見つけるのが大変だったんだよ」
イギリスはそのアイスランドへの航路を見届けながら言う、その破戒した航路を。
「だからな」
「お気持ちはわかります、この航路を発見するにはかなり苦労しました」
「しかし壊しておかないとな」
「枢軸軍は北欧からも攻めて来る様になります」
だから破壊したのだ。
「ドクツ戦の時にもこうしましたし」
「あの時もな、正直言ってな」
「お嫌でしたね」
「ああ、そうだったよ」
その通りだったというのだ。
「本当にな」
「そうですね、しかしこれで」
「枢軸軍はこっちから来ないな」
「このことは間違いありません」
確実にだ、それは防げるというのだ。
「ご安心下さい」
「じゃあこれからだな」
「南アフリカとスエズの守りを固め」
そうしてだった。
「枢軸軍を迎え撃ちましょう」
「特にスエズだな」
そこに回るのは妹の方だ、イギリスはその彼女に対して言った。
「頼むな、モンゴメリーさんとな」
「やらせて頂きます」
「絶対にな、若しスエズをなくすと」
「はい」
まさにその時はだった。
「危うくなります」
「しかもあそこの総督はな」
今度はスエズ総督の話になる。
「酷い奴だからな」
「近頃大抵の総督がですが」
「どうもな、ここんとこ本国がやばかったからな」
それでだったのだ。
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