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万華鏡

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第五十話 遂に開催その七

「いいじゃない」
「どうしようかって思ってね」
 それで考えてだというのだ。
「あらかじめ決まってたのをクラスの男子連中で集まって話をしてね」
「チェックしながらだったの」
「決めたんだ」
「ううん、そうなの」
「じゃあこれでいくね」
「ええ、じゃあな。ただ」
 ここでこう言う花澄だった、いぶかしむ目で。
「何時の間にこんなことしてたの?」
「こんなことって?」
「だから、何時再検証したのよ」
 お化け屋敷の区割りや配置をだというのだ。
「あらかじめおおよそは私達で決めてたにしても」
「僕と委員長と文化委員とでね」
「そうよ、それでもよ」
 何時それをしたのか、花澄は木村に問う。
「あんたずっと怠けてたのに」
「いや、昨日のお昼にね」
「お弁当食べてる時に?」
「そう、男子にちょっと集まってもらってね」
 それでだというのだ。
「五分位でね」
「速いわね」
「ああ、俺達実際に木村に呼ばれてさ」
「それでちょっと話してな」
「再検証したんだよ」
「本当に五分位で」
 ここでこう話すその男子達だった、それぞれの作業の中で。
「そうしたんだよ」
「五分でなの」
「大体は出来ていたから」
 それでだというのだ。
「後はね」
「見直しするだけだったの」
「そんなに変えてないでしょ」
「ええ、けれど」
 花澄はその区割りと配置を今もチェックしている、そのうえで言うのだった。
「前よりもいい感じね」
「そう、じゃあこれでいこう」
「本当に今日中にしてね」
「後はだね」
「もう旧校舎の方はお掃除出来てるのよね」
「ばっちりだよ」
「だったらね」
 もうそれでだとだ、花澄は木村の言葉に頷いて述べた。
「それでいきましょう」
「そういうことでね」
「ええ、じゃあね」
 これでこのことも決まった、琴乃のクラスの仕事もかなり順調だった。
 クラスをお化け屋敷にする仕事もあっさりと進み終わった、そしてそれが終わってから。
 琴乃達は旧校舎に移った、旧校舎は多くの部活が部室に使っている。運動部も文化部もどちらも入っている。
 その旧校舎の空いているクラスの一つに入ってからだ、琴乃は女子のクラスメイト達と共に自分達の荷物を置きながら話した。
「クラスの方も順調で」
「そっちの部活の方もよね」
「順調なのよね」
「そうなの」
 それでだというのだ。
「私何かやることが」
「なくなったとか?」
「そうなったの?」
「そうなの」
 こうだ、手持ちぶたさになった感じで言うのだった。
「クラスも済んだから」
「それで部活の方もなのね」
「全部順調だから」
「はじまるまでどうしようかしら」
 それでこう言うのだ。
「これから」
「それじゃあね」
 花澄がだ、ここで琴乃にこう提案した。
「楽器見たら?」
「ギタ-?」
「そう、軽音楽部だから演奏するのよね」
「それはね」
 当然だとだ、琴乃も答える。 
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