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SDガンダムGジェネレーション・オーバーワールド 明日無き未来へ

作者:鳥人間
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第2-7 ソレスタルビーング

 
前書き
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。 

 
「ガンダム・・・ガンダム!!!」

智恵理は、ソレスタルビーイングの機体が現れてきたのを見ると頭の中が真っ白になった。そして、その後すぐに黒い感情が溢れ出してきた。かつて、ソレスタルビーイングの行いによって大切な人達を失った時の記憶が蘇っていた。智恵理は、感情の思うままに機体を操縦してガンダムエクシアに突撃していた。

「智恵理!落ち着きなさい!智恵理!!」

通信で何か聞こえたがそんなことよりも目の前の標的だけに集中していた。

「ソレスタルビーイング・・・私の・・・私達の!」

すると、コックピット内にロックオンアラートがなった。智恵理は、咄嗟に機体を止めると自身の進行方向の上からビームが横切った。ビームの方向を見るとそこには和也の乗るゲルググが立っていた。

「智恵理!落ち着け!」
「どいて下さい!私は、あの機体を落とさないといけないんです!」

智恵理の状態はとても危険な精神状態であった。目の前の事しか目に入ってないみたいであった。

「勝手な行動は止めろ!お前の身勝手でみんなに迷惑がかかってくるんだ!」
「じゃあ、私の事は気にしないで下さい!私だけでやるますから!」
「だから、それが身勝手って言ってるんだ!」

すると、智恵理はマシンガンの銃口を和也に向けた。

「邪魔をするなら隊長だからって!!!」

すると、和也に向かって発砲していく。
和也は、戸惑ったが直ぐに機体を操作して弾丸を回避していった。

「智恵理!」

和也は、現状の智恵理を見て落ち着かせることを不可能と感じ覚悟を決めた。
それと同時に鷺ノ宮隊から通信が入ってきた。どうやら、先程まで相手していたニューロとの戦闘が終了したようであった。

「和也さん!」
「こっちは俺に任せろ!鷺ノ宮隊は、美穂達の援護を頼む!」
「了解!凛!未央!行くぞ!」

通信を切ると和也は、智恵理の機体に集中していく。智恵理は、あのガンダムの事に頭が一杯みたいで攻撃事態が雑になって動きが止まっていた。

「少し、手荒に行くぞ!智恵理!!」

和也は、シールドを前に構えてブースターを一気に吹かして機体を接近させていった。


「(どうして・・・どうして!!)」

智恵理の頭の中には、ソレスタルビーングに抱いている怒りの感情が覆ってしまい感情の赴くままに攻撃をしていまっていた。

「(和也さんは、この事には関係ない!だけど!)」

操縦管を握り締め改めて自分の前に立ちはだかる相手を見据えて再び狙いを付けた。相手は、シールドを前に構えて自分に突っ込んできていた。

「私は・・・私は!」

自然と目頭が熱くなってきて涙が流れてきながらも和也に向けてマシンガンを発砲していった。

「私は!!!」

しかし、弾丸はシールドに阻まれて和也に接近を許してしまいマシンガンでは対応できなくなってきていた。

「先ずは!」

和也は、接近しながらビームナギナタを取り出していて近距離になってからシールドでマシンガンの銃口を反らしていきその腕を切り裂いた。

「クッ!」

智恵理は、残った腕でサーベルを取り出そうとしたが和也は、それを見逃さず流れるように残りの腕も切り裂かれていた。

「少し、頭を冷してもらうぞ!」

そして、腕の次に脚、頭と切り裂いて残りが胴体だけになるまで和也は攻撃を続けた。何も出来なくなった智恵理の機体は宙に佇む鉄の塊状態になってしまった。

「・・・格納庫。智恵理を捕獲。これより帰艦する。」

キャリーベースに通信を入れて和也は、智恵理を連れて帰艦していった。

「ソレスタル・・・ビーング・・・家族の・・・」

智恵理は、メインカメラのやられたコックピット内で憎き相手の姿を思い出しながら意識が遠くなっていった。




「先ずは牽制する!」

アンナマリーは、拡散ビーム砲で牽制攻撃を行った。それに連携するかのように連れていたエビル・Sがビームスプレーガンで攻撃をしていった。

「この部隊は!?所属データがない・・・次元干渉の影響か!」

刹那達はビームによって離れてしまい孤立した刹那に粒子を撒く機体、アヘッドとジンクスが接近して来ていた。

「ガンダムとは言え、5年前の機体!アヘッドの敵ではない!」

アヘッドのビームライフルでエクシアに向かって射撃をしていく。

「邪魔をするなぁぁぁ!」

刹那は、エクシアを操作してライフルを回避しながら自身もライフルで応戦したが機体性能差もあったがエクシアは、5年前の戦闘で半壊していて本来の性能よりも下がっていた為少しではあるが被弾していった。

「クッ!やはり、今のエクシアでは・・・」

刹那は、戦況を確認して動きが遅いジンクスに狙いを付けた。確実に1機ずつ落としていく事に集中していった。

「ひ・・・ガンダム!クッ!」

ジンクスⅢを操縦するルイスは、ガンダムに狙われている事に気付くと応戦しようとしたが初戦闘とある出来事が脳裏を過り動きが更に鈍ってしまった。

「そこ!」
「准尉!ッ!」

アンドレイは、ルイスを援護をしようとしたがシンが乗るインパルスがサーベルを構えながら接近していた。

「このぉぉぉ!」
「異世界のガンダムか!例え異世界の機体だとしてもガンダムは、破壊する!」

アンドレイは、装備されているランスでサーベルを受け止めながら攻撃に転じた。ランスは、インパルスの胴体を貫こうとしたがヴァリアブル・フェイズシフトによって阻まれていた。

「何!?特殊装甲か!」
「その程度で!」



美穂と法子は、クロスボーン・バンガードの機体の動きに翻弄されていた。
相手の機体は小型で機動力もあり捕らえるのが難しかった。

「小さくて中々狙いが・・・」
「なら!接近で!」

法子は、射撃を諦めてートホークを取り出して接近しようとした。
しかし、エビル・Sはそれを見据えたかのようにショットランサーを使って迎撃していく。法子は、予想外の攻撃によって回避が遅れてしまった。

「きゃぁぁぁぁ!」
「法子ちゃん!」

法子へのダメージは、まだ戦闘行動には支障のないダメージであった。しかし、戦況は向こうの方が上であった。そんな時にクロスボーン・バンガード達に向かってビームが放たれていっていた。どうやら、鷺ノ宮隊が合流してくれたようだ。

「美穂!大丈夫か!」
「は、はい!なんとか。」
「どうやら、性能差は向こうの方が上みたいだね。」
「それなら、数で押すよ!」

美穂達は、数の差を利用してクロスボーン・バンガードの機体達を包囲していくように陣形を取っていく。性能差は、あっても相手はコンピューターのニューロ。そんな相手なら包囲していけば勝てない相手ではなく1機また1機と落としていく。

「クッ!旧式程度に押されるとは!」
「奥の手を見せてやる!」

弦は、アンナマリーに接近してビームサーベルで攻撃をした。しかし、アンナマリーはその軌道を読んで回避したが弦の狙いはそれであり機体のブーツを切り離してそれをアンナマリーに向かってぶつけた。

「何!?分離した部分だけをぶつけるだと!?」

流石のアンナマリーもそれを予想することが出来ずブーツが衝突すると爆発してそのダメージによってアンナマリー機も爆発していってしまった。

「私は、まだ死ぬわけには・・・!!!」


「ガンダム・・・来るなぁぁ!」

ルイスは、バルカンで牽制していたが刹那との腕の差に押されていた。

「准尉!下がれ!」

それを認識していたバラックは、ルイスに下がるように命令して自身はビームサーベルを取り出し接近攻撃を仕掛けようとした。

「させない!」

しかし、バナージはユニコーンの姿がガンダムの姿から戻りビームマグナムをアヘッドに向かって撃っていた。それによりバラックは、動きを止めることになったがそれが致命的になってしまった。

「そこ!」

刹那は、動きが止まったアヘッドに物理剣のソードを展開して斬りかかった。

「クッ!」

バラックは、何とか機体を動かして直撃は避ける事ができたが機体ダメージは、レッドゾーンに入ってしまった。

「ここまでか・・・少尉!准尉!撤退するぞ!」
「「りょ、了解!」」

バラックの指示によってルイスとアンドレイは、戦闘宙域を離脱していこうとした。

「待て!」

刹那な、追撃しようとしたが機体事態も限界が来ていてアラートが鳴っていた。そのため、迎撃をするのは断念した。

「な、何とかなったな。」
「ありがとうございました。お陰で助かりました。」

互いに礼を言い合いそれぞれ宙域を離れようとすると智恵理を輸送していた和也が合流した。

「そこの青いガンダムのパイロット!聞こえるか!」
「お前は、天宮和也か。」
「何で、俺の名を・・・」

ヘルメットによって顔までは見ることは出来なかったが声からすると若い男性であることは分かった。しかし、和也はその声に聞き覚えはなかった。

「(・・・成る程、どうやらあの時の俺達と接触する前の時間軸と言うことか)以前、お前達に助けてもらった。」
「なんの事かよく分からないが、聞きたいことがある。」
「なんだ?」
「俺の部下の1人がお前に・・・いや、ソレスタルビーングと言う組織に恨みを抱いてるみたいだが心当たりはあるか?」
「俺達は、世界の敵だ。戦争根絶の為に武力介入をしていった。ただ、それだけだ。」

和也は、エクシアをロックオンしていたが刹那の言葉を聞くと何故か彼の言葉の中にある意志を感じて狙いを外してた。

「だが、俺は今の世界を認めない。だが、この世界を作ってしまったのは俺達だ。だから、まだ死ぬわけにはいかない。」

そう言って刹那は、エクシアを操作してその宙域を離脱していった。和也、それを見続ける事しか出来なかった。
 
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