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ヘタリア大帝国

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TURN116 カテーリンの資質その十一

「かなり疑問です」
「だよな、自分達の権利を守ることには必死なんだがな」
「強権を発動して出てもらって出してもらう?」
 マリーも困った感じの顔で言う。
「そうしないと正直辛いでしょ」
「それはそうなのですが」
「無理にしたらなのね」
「彼等はこの状況でも反乱を起こしかねません」
 イギリス妹も曇った顔になりマリーに話す。
「ですからそれはとても」
「完全に内憂外患だね」
「もう少し貴族の方々がこの戦争に協力的で清潔ならば」
 それならばだったというのだ。
「楽なのですが」
「難しいところよね、そこが」
「本来は女王命令として議会、そして貴族制度への根本からの改革を行うつもりでした」
 それはもう法案まで完全に整え貴族達の反発には正規軍で沈黙させるつもりだった、だがそれがだったのだ。
「しかしこの戦争で」
「そっちに力がいってるからな」
「それが貴族達をそのままにしています」
 セーラはここでも曇った顔で話した。
「戦後になります」
「ったくよ、この戦争はエイリスにとって疫病神だな」
 イギリスは苦りきった顔でこう言った。
「インド洋までの植民地は失うし太平洋の連中はでかい顔をするし」
「ドクツも復活して大きくなったりね」
 マリーも言う。
「何か散々だよね」
「何とか挽回しないとな」
 イギリスはこうも言った。
「アジアの植民地も取り戻してな」
「その為にはアフリカで踏ん張ってね」
「勝とうな、最後は」
「はい、では勝利の為に」
 セーラが一同に言った。
「御願いします」
「了解」
 一同はセーラのその言葉に応えた、エイリスは最後の植民地達を守る為にアフリカに軍を集結させ防衛ラインを敷きだした、そしてその頃。
 ヒムラーは何とか踏み止まろうとするエイリスとは違い余裕綽々だった、それで表の部下達にこう言った。
「さて、東部の航路はね」
「はい、全てですね」
「今すぐにですね」
「破壊しておくこと」
 こう命じた。
「それでいいね」
「わかりました、それでは」
「命じておきます」
「ただ、北欧はもういいよ」
 そこはだというのだ。
「あそこはね」
「北欧はですか」
「放棄されるのですか」
「そう、フィンランドとエストニアの航路じゃなくてね」
 そこではなく、というのだ。
「ドイツ本土とデンマークのね」
「その航路をですね」
「破壊しますか」
「そう、北欧はもう用がないから」
 何故用がなくなったかは言わない、ぼかした。
「枢軸国に渡しておくよ。人口も少ないしね」
「では、ですか」
「ギリシアやポッポーランド、ハンガリー、ルーマニアとドビエトの国境の航路をですね」
「ブルガリアもだよ」
 東部の全ての航路をだというのだ。
「破壊してね」
「枢軸国をアフリカに向かわせますか」
「そしてエイリスの最後の植民地達も」
「植民地のないエイリスは最早敵じゃない」
 ドクツにとってもだ、エイリスの没落は歓迎すべきことだ。だが今は同盟国であるので枢軸国にそうしてもらうというのだ。 
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