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転生とらぶる

作者:青竹
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スーパーロボット大戦OG外伝
  0489話

「……本当に、まだあれから1時間しか経っていないと言うのか」

 魔法球から外へと出たムラタが、唖然とした様子で周囲を見回す。
 周囲を見回しても、魔法区画なんだから特にこれと言った変化は無いだろうに。
 結局あれからヒュドラとグレートグランドマスターキーの調整やら何やらで1日使い、残り1日はゆっくりと休憩を取ることになった。本来であればレモンやマリューとの優雅な休日……とでも行きたい所だったのだが、何しろ持ち帰ったデータやら機体やら武器やらの調査で2人ともそれどころではなかった。それでも、俺とムラタの機体であるミロンガと無明に関しては最優先でデータ取りや解析、調査や整備。ミロンガに関してはASRSの取り付けとオーバーホールをやってもらったので2日で何とかなったのだが……ヒュッケバインMk-Ⅲやグラビトン・ランチャー、ハロウィン・プランのデータについては、今頃もの凄い勢いで解析やらデータ収集やらトロニウム・エンジンの設計やらをしているだろう。

「マジックアイテムの凄さって奴だな。……ただし、中で過ごした分だけ歳は取るから普通の人間が使い続けるのはお薦め出来ないが」
「……その割には、随分と人数がいたようだが?」
「技術班は色々な意味で普通じゃないからな」

 そうは言いつつも、どうにかして年齢が加算される問題をクリアしないといけないとは思う。後でエヴァ辺りにでも相談してみるか。シャドウミラーの魔法顧問なんだし。

「時間的には……食事をして一休みすれば丁度いい時間だろうな」
「時間?」

 俺の言葉に首を傾げるムラタ。

「忘れたのか? お前よりも強い剣術を使う奴と手合わせをさせてやると言っておいただろう」

 現在の時刻が13:48分。麻帆良で桜咲の手が空くのが大体15時くらいだから丁度いい筈だ。

「む。そう言えばそうだったな。魔法という存在があまりに規格外過ぎてその件を忘れていた」
「だろうな。じゃあ取りあえず食事にするか。とは言っても、このホワイトスターには店とかは無いからキブツで作られた簡単な物しかないが……」
「構わん。食えればどうでもいい」

 頷くムラタを連れ、キブツへと向かうのだった。





「アクセル君!」

 簡単な食事を済ませ、そろそろ時間だという事で転移区画まで桜咲を迎えに行った俺とムラタ。そんな俺達の前で転移フィールドが展開して数人が姿を現す。桜咲と近衛。この2人は元々の予定だったからいいのだが、そこに当然とばかりに円と美砂の姿もあったのだ。
 そして俺を見つけた美砂が関口一番にそう言い、走り寄ってその勢いのまま抱き付いてくる。

「っと!」

 幸い今の俺は20代の姿をしていたので、特によろけることもないままに美砂を受け止めるのだった。
 相変わらず中学生とは思えないその肉体を感じつつ、そのまま床へと下ろしてやる。

「全く……戻って来たのなら、まず私達に連絡をしなさいよね!」

 笑みを浮かべつつそう告げてくる美砂と、その横で同様の表情をしている円。そんな2人に俺もまた笑みを浮かべながら口を開く。

「戻って来たと言っても、ちょっと届け物をしに来ただけだからな。この後でまた向こうの世界に戻らないといけない」
「……大丈夫なの?」

 俺に抱き付いている美砂の隣で円が心配そうに尋ねてくる。

「ああ、特にこれと言った問題は今の所ないな。目標だった動力炉の1つも入手出来たし、おまけに予想外の武器も入手出来た。そう考えると上手く行きすぎていると言ってもいいかもしれないな」
「……そう言う時こそ気を付けないと駄目だよ」

 そんな風に会話をしていると、ふと近衛の興奮した声が聞こえて来る。

「うわっ、せっちゃん。アクセル君凄いなぁ……そう思わへん?」
「いや、その……」

 そして少し離れた場所ではムラタが呆れたような目をしてこちらへと視線を向けていた。

「アクセル、幾ら何でも年齢をだな」
「あー、その辺は気にするな。俺は不老だからいずれこいつ等と釣り合いが取れるようになる」
「……何?」

 不老、とあっさりと言われたのに気が付いたのか、目を見開くムラタ。
 だがそんなムラタには構わずに、円とも抱擁を交わしてから桜咲へと目を向ける。

「桜咲、そこにいる男はムラタと言ってあっちの世界でシャドウミラーに所属したばかりだ。電話で言ったように月詠予備軍だな。ムラタ、そっちのサイドポニーの女が桜咲刹那。お前に言ったように凄腕の剣士だ」

 俺の言葉に、不老という文字が脳裏で吹き飛んだのだろう。笑みを浮かべながら――ただし獰猛な――桜咲へと視線を向けるムラタ。桜咲はと言えば、どこか戸惑ったようにムラタを見ている。
 ……まぁ、無理はない。人型起動兵器とかが無く、純粋に人のままで強さを求めて来たのがこのネギま世界の者達だ。そんな中でもどちらかと言えば上位の実力者に位置する桜咲にしてみれば、幾ら強面だと言ってもムラタは相手になるとも思えないのだろう。

「葉加瀬はどうした?」

 そんな困惑した桜咲の視線を無視し、まだ俺の腕をその胸の間に挟めるようにして抱きしめている美砂へと尋ねる。

「葉加瀬? 大学の研究室でやる事があるから今日はちょっと遅くなるって言ってたけど?」
「そうか。グレートグランドマスターキーを組み込んだ試験が一通り終わったから、魔法球の中でそれを見て欲しかったんだがな」
「ま、少し遅くなるってだけだからそのうちに来るでしょ。それにしても、あやかも千鶴も今日学校に来なかったのを後で残念がるかもね」

 あぁ、なるほど。あの2人はブルーマーズ計画の件で色々と動き回っているのか。

「ちょっと、美砂。いい加減にアクセル君から離れなよ」

 ぐいっとばかりに美砂を俺から引き離す円。……その際に腕にグニュリとした感触があったが……まぁ、それはそれという事で。

「さて、じゃあ早速だがムラタと桜咲の戦いを行いたいと思うが……場所をどうするかだな。いや、迷う事もないか」

 近くにいた量産型Wに大きめのエアカーを持ってこさせて全員を乗せる。そして向かう先はホワイトスターの中でも、まだ人の手が殆ど入っていない場所にある広場だ。正確に言えば人の手が入っていないと言うよりも、まだこの辺の住居には人が住んでいないってだけなんだがな。住居の類は既にきちんと準備されている。

「よし、ここなら周囲に誰もいないし迷惑を掛けないだろう。ムラタ、思う存分にやってみろ」
「承知した」

 俺の言葉に頷き、遊具も何も無い広場の中央へと進み出る。

「アクセルさん……いいんですか?」

 既に実力の差を理解しているのだろう桜咲が尋ねてくるが、小さく頷く。
 それを見て、何を言っても無駄だと判断したのだろう。大きく溜息を吐いて広場の中央で太刀をその手にムラタと向かい合う。

「近衛、一応何かあった場合は回復魔法を頼むな」
「ええよー」

 そんな軽い返事を聞き、小さく笑みを浮かべて口を開く。

「始めっ!」

 その言葉が発せられたその瞬間、ムラタは刀を鞘からいつでも抜けるようにして桜咲との距離を縮める。なるほど、俺の動きを見て速度で勝負する為に抜刀術を選んだ訳か。

「しっ!」

 鋭く呼吸をしながら神速の……否、ムラタにとっては神速だと思える居合い斬りを放つ。だが……

「何!?」

 ムラタの放った居合い斬りは確かに斬り裂いた。……そう。桜咲ではなく、一瞬前まで桜咲がいた筈の空間を。
 そして気が付けばムラタの首筋へと真横から突きつけられている太刀。
 それは桜咲の使っている武器こそ違うが、まるで俺が生身でムラタと戦った時の再現そのままと言ってもよかった。

「確かに一般人として考えれば腕はそれなりに立ちますが……」

 申し訳なさそうに告げてくる桜咲だが、ムラタはその言葉を全て聞く前に再び動く。

「はぁっ!」

 真横にいる桜咲へと向き直るようにムラタも真横へと向き直り、その勢いを利用して刀を横薙ぎに一閃する。
 だがそれも、刀を振るう速度自体がネギま世界の人間にしてみれば遅いのだ。ギリギリの、それこそ数mm程度で見極めつつも後方へと大きく下がる。そして太刀を鋭く振り……

「斬空閃!」

 その言葉と共に、振り抜かれた太刀から曲線状に放たれた気の刃がムラタの足下へと鋭い斬撃の跡を付ける。

「こ、これは……」

 唖然として足下に着いた斬空閃の跡へと視線を向けるムラタ。

「そこまでだ!」

 これ以上は勝負にならないだろうと判断し、そこで戦闘を中止させる。

「せっちゃんにも、あの人にも怪我がなくて良かったなー」

 ほんわかとした近衛の声を聞きつつも、ムラタの方へと近寄っていく。

「どうだ? お前に勝てる相手だと思うか?」
「……いや。10代の子供とは思えぬ身体能力だ。少なくても今の俺では手も足も出ないだろう。……桜咲、とか言ったか。1つ聞きたい」
「はい? なんでしょう?」
「お主ならば……アクセルに勝てるのか?」

 ムラタがそう尋ねた瞬間、桜咲の頬が引き攣り、顔色が蒼白へと変わる。

「ば、馬鹿言わないで下さい! 私なんかがアクセルさんに勝てるなんて……そんな訳ないじゃないですか! 大魔王ですよ!? あの大魔王アクセルさんに勝てる人なんて……それこそ、紅の翼全員が総掛かりとか、白き翼……だとちょっと力不足かもしれませんが。とにかく! 私がアクセルさんと戦ったら100%確実に負けます!」

 まるで俺と戦うのは絶対に御免だとばかりに叫ぶ桜咲。そんな桜咲に、思わず苦笑を浮かべつつ口を開く。

「そう毛嫌いしなくてもいいだろうに。実際問題、クルトや詠春、桜咲、葛葉、月詠辺りが使う神鳴流は俺との相性が最悪だと言うのは知ってるだろう?」
「それでもアクセルさんに勝てる未来なんて絶対に思いつきません!」
「まぁねぇ。本来2人組で出場するナギ・スプリングフィールド杯に1人で出場して、しかも優勝するんだから大魔王呼ばわりは無理もないわよ。特にあの姿をみて正義の味方って思う人はいないでしょ」

 笑みを浮かべながらそう言う美砂に、ムラタは訝しげな表情を作る。

「あの姿?」
「あぁ、そう言えばムラタには魔法については教えたけど見せた事はなかったか。こういうのだよ」

 パチンッと指を鳴らすと、次の瞬間俺の全身が一瞬にして炎に包まれる。そして次の瞬間には背中からは蝙蝠の……と言うよりは悪魔の羽が魔力によって形成され、腰の辺りからは竜尾が伸びる。同時に額と側頭部からは真上へと向かって角が伸び、後頭部から生えた角は側頭部から伸びている角の下を通って前方へと伸びる。

「うおっ!」

 いきなりの変身に驚いたのだろう。ムラタが咄嗟に後退って腰の刀へと手を伸ばす。

「ムラタ、俺だ。アクセルだ。驚くのは分かるが、その刀から手を離せ」
「……アクセル?」
「ああ」
「お前は……人ではなかったのか?」
「少し違うな。元々の俺は人だった。だがちょっとした事情で今の俺は人ではなくて混沌精霊という種族なんだよ」
「混沌精霊……?」

 ムラタの言葉に頷きながらステータスを表示。ちっ、やっぱりか。場所がホワイトスターだから、姿を変えるだけで40近いSPを消費している。

「……そうだな。俺に斬りかかってきてみろ」
「いいのか?」
「ああ、問題無い」

 俺が頷いた瞬間、ムラタに取っては最速の一撃とでも呼べるような居合いが抜き放たれる! だが……

「な……に……?」

 鋭く振り切られたムラタの刀は、俺を斬り裂く事無く身体をすり抜けていった。イメージとしては焚き火の炎へと刃を振り下ろしたような感じを想像して貰えば分かりやすいだろう。刃が通った一瞬だけ俺の身体は斬り裂かれたように見えるのだが、すぐに炎をなって元に戻るのだ。
 その様子に、今何が起こったのか理解出来ないとでも言うような視線を俺へと向けてくるムラタ。

「別に1度じゃなくてもいいぞ。もっとやってみろ」
「はぁっ!」

 俺の言葉が終わらないうちに再び繰り出されるムラタの斬撃。袈裟懸けに斬り下ろし、そのまま胴体をすり抜けたところで横薙ぎの一閃。刀を手元に戻して、喉を狙って突きを入れる。
 そして、その全てが俺の身体をすり抜けて、まるで空気でも斬り裂いたかのような感触をムラタに与えるのみだった。

「今体験して貰った通り、俺は通常の物理攻撃に関しては基本的に無効化出来る。俺にダメージを与えたいのなら、魔力や気の籠もった一撃を放つしかない訳だ」
「……俺も、強くなればその域に達せられるのか?」

 刀を鞘へと戻して尋ねてくるムラタ。

「そうだな。魔法も何もないあの世界でそこまで剣の腕を鍛え上げたお前だ。もしかしたら可能かもな」
「……そうか」

 小さく頷き、桜咲へと向かって頭を下げるムラタ。

「感謝する。お前のおかげで俺はもっと先へと進む事が出来そうだ」
「え? いや、その……ちょっ、アクセルさん!?」

 ムラタ程に歳の離れた男が真剣に頭を下げて感謝をしてくるというシチュエーションに、思わず取り乱す桜咲だった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:40
PP:125
格闘:270
射撃:290
技量:280
防御:280
回避:310
命中:330
SP:478
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???

撃墜数:412 
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