ソードアート・オンライン~剣の世界の魔法使い~
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第Ⅰ章:剣の世界の魔法使い
《魔法使い》の正体
シェリーナが目を覚ますと、そこは《エネマリア》でドレイクが寝泊まりしている、あの洞窟だった。シェリーナは焚き木のそばで、毛布にくるまって眠っていたようだった。
昨日――――PoHとドレイクの戦闘の後、シェリーナはキリトがアスナを選んだことを知った。ずっと覚悟してきたことではあったが、しかしショックはシェリーナの心を大きく傷つけ、シェリーナはその場で泣いてしまったのだ。心配したドレイクが、《エネマリア》に連れてきてくれて、《エネマリア》の住民達と一緒に夕食をとり…黒龍王が巨大な魚を一口で食べるという恐ろしくどうでもいい特技を見せてくれた…ドレイクにこの洞窟を借りて寝たのだ。当のドレイクは、シェリーナが『気にしていない』と言ったにもかかわらず、外で毛布にくるまって眠ってしまった。
シェリーナはいそいそと起き出すと、毛布をアイテムストレージにしまった。
「おはようございます」
その時、洞窟の入り口から声がした。振り向くと、そこにはやはりドレイクが立っていた。
「おはようございます、ドレイクさん。あの……昨日は、すみませんでした」
「いえいえ。私も《エネマリア》の皆さんが普段どんな環境で寝ているのか、一度試してみたいと思っていたところだったんですよ」
ははは、と笑うドレイク。思えば、声を上げてドレイクが笑うのを初めて見た気がする。シェリーナも、いつの間にか笑っていた。
本当に、ドレイクは不思議な人だ。その場にいるだけで、まるで空間そのものが彼を讃えているかのように周りが彼につられる。こういうのを《カリスマ性》、と言うのだろうか――――
「……彼らは、まだ起きてこないようですね……あ、入ってもいいですか?」
「あ、はい……というか、もともとドレイクさんの住処じゃないですか!」
ドレイクは一度外を見やると、シェリーナの答えを聞くと、それもそうですね、といって洞窟に入ってきた。
シェリーナの目の前にある焚き木を挟んで向こう側の丸太椅子に座ったドレイクは、正面からシェリーナを見て、数瞬迷ったようなそぶりをしてから……突然、頭を下げた。
「ごめんなさい」
「え!?ど、どうしたんですか……?」
「私は、シェリーナを騙している」
「騙している……?」
それはどういうことか、とシェリーナが聞く前に、ドレイクが後を続けた。
「……私は、最初に出会ったその瞬間から、今、この時に至るまで、存在そのものがあなたを騙しています……シェリーナ、あなたは、私が『この世界で言うところの《何》』に見えますか」
「何に見えるかって……プレイヤー、ですよね。カーソルも出ているし……」
シェリーナがなおも困惑した回答を返すと、ドレイクは苦笑して言った。
「そうですね。基本的に、パッと見ただけではそうでしょう。実際、当たっています。しかし……100%ではない」
「100%ではない?」
「はい。……シェリーナは、この世界を創りだした茅場晶彦卿の職業は、なんだか知っていますか」
茅場晶彦の名前を出すか。シェリーナは現実世界では比較的世の中の事情に疎い方だった。彼はたしか、高校二年生の時に当時世界最弱だったゲーム会社《アーガス》に提供したゲームが大ヒットした功績で、高卒の後、大学に通いながら《アーガス》で働いていたという……ということを、キリトから聞いた。
「――――《科学者》、か、《ゲームデザイナー》、でしょうか」
「どちらも正解ですが、どちらも不正解です。茅場卿の本職は、《量子力学者》……それも、より正確には《量子脳力学者》」
「量子……脳……?」
量子、というのは物質の構成を説明する理論の一つだった気がする。詳しいことはあまりよく知らないが、キワモノ扱いされる分野であることは想像に難くない。
「かつて……二十世紀の終わりごろでしょうか。イギリスのとある学者が、人間の《魂》に関する理論を考え出しました」
「魂!?」
シェリーナは思わず叫んでいた。魂といえばおとぎ話の産物ではないか。そんなものを研究した人がいるとは……。
「……何かわかったんですか」
「ええ。人間の魂の構造について。しかし、当時の科学技術ではそれを解明することができず、結局うやむやになり、長いあいだそのジャンルに手は付けられてこなかった――――」
しかし、とドレイクが続ける。
「それに注目した存在達がいました。彼らは、本物の異世界を夢見て、人の魂――――《フラクトライト》と呼ばれるそれを求めた。……茅場卿について少し話しましょう」
――――茅場晶彦は、大学時代、真の天才しか立ち入ることを許されない研究室、《重村ラボ》の筆頭として活躍していた。メンバーは、茅場晶彦、須郷伸之、神代凜子、比嘉タケル。全員が東大最高と言われた頭脳の持ち主だった。茅場と須郷、二人はライバル同士で、それぞれ脳やフルダイブ技術に関する様々な研究を競うように行っていた。そんな中で、茅場は魂……フラクトライトに関する研究をも進めていたという。
だが、その研究にはすでに先達者がいた。その人の名は、浅木藍。茅場の一年先輩であり、重村ラボメンバーに最初にえらばれた女性。彼女はフラクトライトに関する研究を進め、当時すでにそれを読み取り、複製するレベルまで至っていたという。
「茅場卿は、浅木女史について詳しいことは知らなかったようです。茅場卿と、重村ラボの統率者である重村教授を除く残りのメンバーは彼女の存在すら知らなかった。茅場卿は、自分が後塵を拝しているとも知らずにフラクトライトに関する研究を進め、魂を読み取る装置の作成、それをめざし、試作品として、今私たち……いえ、あなた達が頭にかぶっている《ナーヴギア》をつくり出したのです」
「ナーヴギアは試作品?……ってことは」
「はい。これは、《SAO事件》は、彼の壮大な計画の最初期段階にすぎません。《夢の実現》……本物の《アインクラッド》がある異世界へと向かうための」
「本物の、アインクラッド……」
アインクラッド、という単語は、《具現化する世界》の略称だという。つまり、茅場晶彦はこの世界を具現化させることが目的だということか。確かに、この世界がデスゲームへと変貌したあの日、空に浮かんだホロウ・アバターはこういった。
『私の目的は、この世界を作り上げ、観賞すること』
茅場晶彦は、さらにこの世界より完成度の高い、まさに『真の異世界』を創ることを望んでいるというのか。そして、その世界はどのような世界となるのだろうか――――だれも、そこが仮想空間だということを知らない世界……。
突如、シェリーナは寒気に襲われ、二の腕をさすった。
「ドレイクさん」
「はい」
「あなたは……今、ナーヴギアについて、『あなた達がかぶっている』といった。つまり、あなたは、ナーヴギアでこの世界にダイブしていない、ということですか?」
ドレイクは、目をしばらく伏せると、意を決したように強い意志を宿した瞳でシェリーナを見た。くしくも、ドレイクが口にした言葉は、シェリーナのそれと酷似した形式だった。
「シェリーナ」
「は、はい」
「あなたは……これから私が語ることを真実だとは思えないでしょう。しかし、信じていただきたい。これは、現実に起こった出来事だと」
ドレイクは、声の調子を少し緩めると、ゆっくり問うて来た。
「『脳みそを交換して』とか言われたこと、あります?」
「あ、はい……昔、現実世界で友達によく言われました」
シェリーナのクラスメイトは、学校のテストやらなんやらがあると、シェリーナに『脳交換してよ~』と冗談を言ってきた。少しばかりの寂しさがシェリーナの胸をよぎる。
「……私は、プレイヤーネーム【ドレイク】は、言ってしまえば、それと実に似たことをして生まれた存在です」
「え……」
「私は、既に亡くなった人間の《フラクトライト》を、長きにわたって全ての学者・研究者たちが追い求めた《完成されたAI》…ボトムアップ型と呼ばれます…に置き換えて作られたんです。私の体は人間ですが、私の魂は人工物です。言ってしまえば、私は『高性能なホムンクルス』とでも言ったところでしょうか」
シェリーナは、しばらく口を開くどころか呼吸もできなかった。ここが現実世界なら、窒息死していただろう。それほどまでに、驚愕すべきことだったのだ。人工で作られた魂……それが、ドレイクの正体だというのか。
「私の肉体である方は、このSAOのプレイヤーでした。彼は相当な高レベルプレイヤーでしたが、素行が悪く、攻略にも参加していなかったようです。そんな彼は、ある日、しばらく後に最悪と言われるギルドの、リーダーとなる男と遭遇。敗北し、死亡します。今から一年と少し前の話です。」
そのギルドリーダーが、《笑う棺桶》頭首であるPoHであることは間違いなさそうだった。昨日遭遇した時、PoHがドレイクを見て『死んだはず』と言ったのはそういうことだったのか。
「死亡したそのプレイヤーの脳は焼切られ、プレイヤーは死亡しました。しかし、偶然にも浅木女史の近辺に住んでいたその少年が、浅木女史の獲物となるのです」
獲物、という言葉にぞっとする者を感じた。ドレイクは続ける。
「浅木女史は、少年のご両親に交渉を持ちかけます。『息子さんと二度と会えなくなる代わりに、彼を生き返らせたくはないか』。両親は、どちらにせよ息子と再び会うことはできないという矛盾に愚かにも気付かず、交渉を了承してしまう。浅木女史は、少年を回収し、その脳を彼女が開発した特殊な機械…詳しいことは私も知りません…にかけ、そこに完成されたフラクトライトを埋め込んだ。装置の造りだす加速された仮想世界で造りだされ、そして常識や理解、人間らしい感情を与えられた魂は、遂に少年にとって代わる。それが、私……ドレイクの正体です」
なんと――――なんという、壮大な話であろうか。シェリーナは、既に五分近く息を止めていることに気が付き、息を吐き出した。それを見てドレイクは、まだ続きますよ、と呟いた。
「《私のナーヴギア》は、私がログアウトするかこの世界で死亡するかした瞬間、壊れます。それに、私の場合死亡=魂の削除です。そのあたりはあなた達のナーヴギアと似ていますね……。そして、私は、茅場晶彦と、この世界について何も知らないわけではない。そればかりか、一度よみがえったその時にこの世界について全てを知ったと言ってもいい。《神聖剣》《二刀流》《暗黒剣》《抜刀術》《手裏剣術》《無限槍》《射撃》《雌雄剣》《双斧》《創造》……これらは、この世界に設定された《ユニークスキル》の名前です。もちろん、出現条件も知っています」
「ちょ、ちょっと待ってください」
シェリーナはドレイクの言葉に、聞き捨てならない部分があったことに気付いた。
「今、ユニークスキルの名前が出てきましたが……それで、全部なんですか?」
「はい。全部です」
「じゃぁ……じゃぁ……《魔法》は?今出てきた名前に、《魔法》はなかった……」
困惑するシェリーナに、ドレイクはなおも硬い表情で答える。
「一言で言ってしまえば、《魔法》はユニークスキルではないんです。この世界に外部から挿し込まれた、異物」
「異物……?」
はい、とドレイクは頷く。
「《魔法》は、浅木女史……《お母さん》が、《私のナーヴギア》に搭載させたバグ機能のようなものです。私のアカウントデータは、《ヒースクリフ》と同じように書き換えられた異物なんですよ」
「ヒースクリフ!?」
「はい。以前、シェリーナは私に《神聖剣》について質問してきましたね。あの時は、真実を伝えられませんでした……。あの時のヒースクリフの奇怪な動きは、《システムのオーバーアシスト》によるものです。彼のHPは、決してイエローゾーンには陥らない。彼のHPは、イエローゾーンまで減少すると、【不死属性】の表記と共に相手を跳ね返す。恐らく、ヒースクリフ……茅場卿は、それが露見することを恐れて、オーバーアシストを使ったのでしょう」
「ヒースクリフさんが、茅場晶彦なんですか……?」
「『他人のやっているRPGをはたから見ることほどつまらないことはない』……だそうですよ。お母さんが言っていました」
ヒースクリフが……茅場。なんとなく予想していたが、そうだという真実を突き立てられるとシェリーナでも動揺する。もっとも、先ほどから動揺しっぱなしなのだが。
「……ここら辺で、終わりにしておきますか?」
「いえ……ご迷惑でなければ、全部、教えてください」
「わかりました――――私が知っているここまでの知識は、全てお母さんから与えられたものです。彼女は、ナーヴギアよりはるかに高性能な次元へ……茅場卿がようやくその尻尾をつかんだ、《魂達の異世界》へとたどり着いていました。彼女は茅場晶彦を超える超人……いえ、魔人です。そして彼女は、重村ラボのメンバーの事を、なぜか非常によく知っていた。私には、彼ら一人一人に関する詳しい情報が与えられています。とりわけ、茅場卿に関する情報が多い」
ドレイクは話疲れたのか、しばらく待ってください、と目を閉じると、数秒後に目をあけた。シェリーナは気が付いた。ドレイクの赤銅色の瞳が、いつもはない不規則に揺らめく光を湛えていることに。
「茅場卿は、お母さん――――浅木女史の一年後輩として入学してきました。次の年に入学してきた須郷卿とはライバル、神代女史とは恋人同士だったようです。――――お母さんは人間観測の趣味でもあったんでしょうか……直接面識はないはずなのに、ものすごい量の情報がインプットされていますね……。茅場卿は卒業後、《アーガス》に本格的に籍を置き、《ナーヴギア》《ソードアート・オンライン》を立て続けに発表。この鉄の浮遊城を完成させた。彼はゲーム内では《ヒースクリフ》の名前を使い、様々なプレイヤーをすくい、導いてきた。25層時、ユニークスキル《神聖剣》を自動習得。その後、《聖騎士》として前線に立った……」
ここからは少し未来の話も混じります、とドレイクは前置きし、続ける。
「アインクラッド五十層が攻略されたとき、その時の戦闘で圧倒的な回避力を見せた《黒の剣士》を《二刀流》の使い手として認めます……シェリーナは、その時に戦いには……?」
「参加、していました。というか、当時はその《黒の剣士》の攻略パートナーでした……」
シェリーナが苦笑いしながらそう答えると、へぇ、そうだったんですか、とドレイクが微笑む。重苦しいばかりだった周りの空気が、ドレイクにつられて少し和らいだ。
「すごく、怖い戦いでした。全滅寸前までいったんです」
「そうですね。クォーターポイントは、ユニークスキルホルダーを決める大事な戦いですから。次のアインクラッド第七十五層攻略後、ユニークスキル《射撃》が解放されます。九十層で《暗黒剣》《抜刀術》《手裏剣術》《無限槍》が。九十五層で《双斧》、《創造》が解放されます。そして、開放されるのはそれだけではない。ヒースクリフは正体を明かし、この世界最悪のボスモンスター、アインクラッド第百層階層守護者へと変貌します」
「ラストボス!?そんな……」
この話を知らないプレイヤーたちは、その時、どれだけ絶望するのだろうか。シェリーナも、今、絶望の淵に立ちかけている。
「《神聖剣》はその時点で別のプレイヤーに受け継がれます。それまでにユニークスキル使いが死亡していた場合、その後から新たな使用者に受け継がれる。同時に、《圏内》は無効となり、アインクラッドは混沌へと叩き落される――――」
「そん、な……」
そんなことになったら――――この世界は、終わりだ。攻略は進まず、永遠にこの世界に取り込まれるだけ――――。視界がブラックアウトしかけたシェリーナは、次のドレイクの言葉で引き戻された。
「大丈夫。そうさせないために、私がいるんです」
「え……?」
「私は、救世主を名乗る気はありません。けれど、私に……《エネマリア》に与えられた役割はそれだ。この世界に介入したお母さんは、カーディナルの一部を掌握、外部エリアに不可侵のステージデータを作成したのです。それが《エネマリア》。彼らNPCは、全員が私と同じ人工フラクトライト。妙に人間っぽいのはそのせいです」
「彼らも、人工の魂……」
「はい。《その時》になったら、私は勇者たちを救うべく彼らの《王》となり、勇者たちと共に戦うのです。そのために、《エネマリア》と《魔法》は存在する」
呆然とするシェリーナに、ドレイクは長い、長い話を締めくくるべく話しかけた。
「私は、今、どこで、茅場晶彦が何をしているのかすら知っている。ヒースクリフを倒す方法も――――そしてそれを、皆さんに隠している。これらを現実世界に戻っていた時間帯に、警察か何かに連絡していれば……そして、これらの情報を皆さんに明かしていれば……しかし、私はそうしていない。それに、私は人間ではないのに、さも人間の様に澄ましている。人間を『知って』はいても、『理解して』はいないんです。これを、みなさんを『騙している』と言わずしてなんと言いましょう。私が今まであなたと接し、話していた全ての事は、まやかしに過ぎない。これを、あなたを『騙している』と言わずしてなんと言いましょう。……シェリーナ、今私が教えた全ての事を、今すぐ暴露しても構いません。記憶から消し去っても構いません。すべて、あなたの自由です。あなたにはその権利がある。ここまで、付きあわせてしまって申し訳ありませんでした」
頭を下げるドレイク。そのまま立ち上がり、洞窟の出口へと歩き始めようとしたドレイクに
「待ってください!」
シェリーナは、しがみついていた。
「シェリーナ!?な、なにを……」
「……ドレイクさんが驚いているところ、初めて見た気がしました……あの、座って下さい」
「あ、はい……」
本来この洞窟はドレイクのもののはずなのだが。
「ドレイクさん。私、ドレイクさんに『騙された』なんて思ってません。むしろ、感謝しているんです」
「感謝……?」
「はい」
ドレイクが助けてくれなければ、シェリーナは死んでいた。そんな場面が二度。《エネマリア》の住民たちに元気づけられた。シェリーナは、気が付かないうちに《エネマリア》と、ドレイクに、たくさん、たくさん、助けられていたのだ。
「ドレイクさんは、確かに、100%の意味での《人間》ではないのかもしれません。けれど、今私の目の前にいる、【ドレイクさん】という、たった一人だけの《剣の世界の魔法使い》は、間違いなく、一人の人間なんです。私は、ドレイクさんにたくさん助けられました。《エネマリア》の皆さんに、たくさん助けられました。それでいいんです。それで、いいんです」
「それで、いい……私は、人間……」
シェリーナは、なんども、何度も、そう呟くドレイクの赤銅色の瞳が、うるみ始め、そこから大粒の涙がこぼれはじめるのを見た。シェリーナは、手を伸ばすと、その涙をはらう。しかし、あとから、あとから、ドレイクの涙は溢れてくる。
「そう……それで……いい……シェリーナ……」
「涙が流せるっていうことは、人間だっていう、『生きている』っていう証拠ですよ。あなたは、決してまがい物なんかじゃない」
「ありがとう、俺を……《人間》って……《人間》って言ってくれて……ありがとう……」
いつまでも、いつまでも、ドレイクは泣き続けた。シェリーナは、昨日ドレイクがそうしてくれたように、ドレイクの背中をさすり続けた。
後書き
と言うわけでネタバレ回となりましたが、浅木さんがなぜSAOを強制終了させなかったのかについてはGGO編で明らかにするつもりです。
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