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とある英雄の学園生活

作者:にゃん丸
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第15話 メイド魔人

 「キラさんをこの国に騎士として仕えるとして階級をどうする」
 
 「そうですね休職時が准尉でしたので私と同じ3階級特進で大尉でよろしいかと」
 
 え!?俺が大尉?マジですか。
 階級にあまり興味はないが、
 大尉といえばあの人を思い出すよ。
 グラサンをかけた赤いノースリーブの軍服をきた人。
 俺が生まれる前のアニメだけど劇場版は父親と見た。
 父親がそのアニメの大ファンで俺も何故か一緒に見るようになり俺もファンになっていた。
 あれちょっと待て……。
 休職?
 なんのことだ?

 「俺はたしか騎士をやめたはずだが、それなのに休職てなんだ?」 
 
 「あら、キラ様はこの国の騎士を休職してヒミコ討伐の旅に出たことになっておりますが」
 
 むむむ、たしか俺の上官にやめると言ってその日にその許可がおりたんだが。
 それがなぜ休職なんだ?
 
 「うむ、階級は大尉でいいとして、それだけではちょっと不安だな・・・・・・」
 
 「そうですね、私と同じフェリスの称号を与えてはどうでしょうか?」
 
 「そうだな、今後のこともあるしそれでいこう」
 
 俺を無視して話が進んでいるんだが
 
 「それでいいですか、キラさん」
 「階級は別にいいが、フェリスて称号はなんなんだ?」
 
 「これは失礼、そうですな簡単に言えば王である私の命令以外は聞かなくてもいいという特権です」
 
 「じゃあ、上官の命令も無視しても?」
 
 「はい構いません」
 
 なんて嬉しい特権なんだろう。
 
 「キラ様には自由にアリス姫を守っていただきたいので」
 
 「ジパング滞在大使はキラさんより上の階級はジェノス・クラウディオ中佐で伯爵の地位も持っており少し高慢な態度をとる人物なので、フェリスの称号を持っていれば彼は何も言ってこないとはずですので」
 
 「なるほど、それは便利な特権だ」
 
 人から命令されるのが好きではない俺にはありがたい話だ。

 「わかった、でだ肝心なことを聞いていないのだが?」

 一番必要なことをアルト王とセリアは言っていないので聞いとかないと

 「なんですか?」
 
 「給料はいくらもらえるんだ?」
 
 「「「「「・・・・・・」」」」」」
 
 なんで俺以外の人間(魔人も含む)は目が点になるんだよ。
 大切なことだろう。
 もちろんアリス姫は全力で守る。
 がそれなりの給料もほしいじゃないか!
 俺おかしくないよね?
 ね?
 
 「セリア、給料はどれくらい払ったらいいんだ?」
 
 「そうですね、一般の大尉であれば1月金貨3枚と銀貨5枚ですので、キラ様には金貨5枚でよろしいのではないかと」
 
 おお、そんなにもらえるのか
 
 「セリアはこう言っておりますが……」
 
 「OKだ、あと住むとこは?」
 
 「ジパングのにある別邸に住んでいただきます。ただ他の娘たちと一緒になりますが」
 
 「わかった」
 
 飲食居住付きでさらに給料が金貨5枚ならかなり高待遇だ。
 これで文句言ったらもったいないお化けがでてくるよ。

 「あとはメイドか執事をどうするかだな……」
 
 「そうですね」
 
 「誰か適任者はいないのか?」
 
 「城にいるメイドに命令すれば……」
 
 城での募集は難しいかな。
 『呪われた姫』と言われているからな。
 
 だが一般で募集をかけるのはちょっと難しいかもな。
 一般でもよほど身元がしっかりした人物でないと
 
 「あたいがやる!」
 
 それまで俺たちのやり取りをのほほんと見ていたイフリートが立って挙手をした。
 
 「「「「………………」」」」
 
 俺、シヴァ、アルト王、セシリアさんは何言ってんだみたいな目でイフリートを見たが
 
 「それはいい考えですね」
 
 セリアだけは賛同した。
 
 「「「「え!」」」」
 
 セリアとイフリート以外は見事にシンクロした。
 
 「イフリートには無理だろう、シヴァならわかるが……」
 
 いかん、つい本音が出てしまった。
 
 「ああん、綺羅あんたあたいよりシヴァのほうがてどういう意味よ」
 
 性格とか見た目に決まってるだろうが……と言えない俺
 
 「え~となんだ、その……」
 
 「さすが綺羅様、わかっていますね」
 
 涼しい顔でお茶を飲んでいるシヴァ。
 おい~俺のフォローをしてくれよ。
 なにか良い言い訳しないと。
 
 ジュウゥ
 
 イフリートが持っていたカップが炎で溶け出した。
 
 「なに!この貧乳!やる気!」
 
 ピシッ
 
 
 シヴァの飲んでいるカップが氷で固まった。
 
 「なんですって!この牛チチが!」
 
 2人の魔人が火花を散らしている。
 
 まずい、マジで喧嘩になる。
 この2人が喧嘩になるとこの宮殿はがれきの山になるだろう。
 とにかくとめないと

 「イフリート、シヴァやめろ。でないと……」
 
 俺は2人を睨む
 
 「……わかったわよ」
 
 「申し訳ございません綺羅様」
 
 2人はブスッとした表情で机の上にあるクッキーをボリボリ食べだした。
 とにかくセリアの話の続きを聞くか。

 「私は、イフリートでもシヴァでもどちらでもかまいませんが、もしよければ2人共メイドになっていただくのはどうでしょうか」
 
 どっちでもいいのか。
 
 確かにこの2人ほど信頼できる人間(魔人)はいない。
 2人に目を向けると
 「綺羅、あたいメイド服が着たい」
 
 服が着たいだけか、この魔人!  
 
 「じゃあ私も着てみたいです」
 
 シヴァまで何を言い出すの。
 
 俺は頭が痛くなり、額に手を押さえ
 
 「あのな、メイド服を着るだけでなく、アリス姫をご奉仕するのが仕事なんだぞ。できるのか?」
 
 「やれるわよ!」
 
 「やります」
 
 やる気はありそうだが、大丈夫かこの2人で。
 
 「1ヶ月後に入学式があるんだよな?」
 
 「はい」
 
 うむ、ならこの2人を徹底的にメイド修行させればなんとかなるかもしれない。
 たぶん。
 
 「とりあえず2人にメイド修行をさせつつ人材も探そう」
 
 2人はあくまで保険だ。
 保険になるかわからないが保険だ。
 いい人材が見つかればいいのだが

 「とりあえず、2人には当家で1ヶ月間メイド修行をしてもらいましょう」

 こうして世界に5本しかないと言われている魔人剣の2人は厳しいメイド修行に励むことになった。 
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