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クレイジーパラダイスへようこそ

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第一章


第一章

                 クレイジーパラダイスへようこそ
「おい、どうする?」
 俺は仲間達に尋ねた。学校の食堂でだ。ハンバーガーやホットドッグをコーヒーで流し込みながらだ。一緒にいる連中に尋ねた。
「これからな」
「ああ、放課後な」
「学校の後か」
「どうするかってか」
「バンドの練習やるか?」
 一人がこう言ってきた。
「今日は」
「そうすっか?」
「暇だしな」
「それでどうだよ」
「なあ」
「バンドもいいけれどな」
 けれど俺はここで皆に言った。俺を含めて七人、何をするにもこのメンバーだ。このハイスクールじゃ俺達を知らない奴はいない。
 その中の一人の俺がだ。こう言った。
「他のことしないか?」
「他のこと?」
「何だよ、それって」
「何処か行くのかよ」
 仲間達は俺の言葉に六人共怪訝な顔になった。
「行くにしても何処だよ」
「バーか?」
「それともビリヤードか?」
「何処だよ」
「ああ、わかった」
 一人が言ってきた。口髭の奴だ。
「あそこだろ。ディスコだろ」
「そこで女の子ひっかけるってか」
「それで後は好き勝手にパーティーだね」
 色の白いのと細目のの言葉だ。
「何かそれもいつも通りだし」
「それでもいいけれどね」
「だよな。ありきたりだな」
「それか?」
 のっぽとリーダーがこう言ってきた。
「それじゃあな」
「今一だよな」
「何か他に面白いこと」
「あるか?」
「酒?」
 俺の弟の言葉だ。兄弟でこのグループにいるってことだ。
「飲む?」
「いつもだろ、それ」
「まあいいけれどな」
「それもな」
 皆それで納得しだした。けれどここで、だった。
 俺は何となく。こう皆に切り出した。
「酒もいいけれどな」
「んっ、何だよ」
「まだあるのかよ」
「一緒にビデオでも観ないか?」
 酒だけじゃ物足りないと思ってこう提案した。
「それでどうだよ」
「ビデオか」
「ああ、そういえばレンタルビデオショップな」
「結構いいビデオ多いよな」
「そうだよな」
 仲間達は俺の今の言葉に頷いてきた。
「それじゃあ酒と一緒にな」
「ビデオで映画も観るか」
「ついでに酒のあても買ってな」
「そうするか」
「ああ、それじゃあな」
「まあバンドは明日でいいか」
 最後にバンドについてはそれで終わった。こんな話をしてからだ。
 
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