ヘタリア大帝国
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TURN113 ソビエト占領その三
「我々が知っていることは所詮は大海の中のスプーン一杯のものでしかありませんから」
「そうね、星域についてもね」
「我々が全ての星域を知っている訳ではありません」
こうエルザに話す。
「ですから」
「ましてソビエトはかなり秘密主義の国だしな」
イギリスは腕を組んで難しい顔で述べた。
「有り得るな」
「だとするとです」
イギリス妹も言う。
「ソビエトはそこに拠点を置いて反撃の機会を伺っているのでしょうか」
「あの宙図のことはもうすぐセーラちゃんにも話すわ」
そうするというのだ。
「あとマリーちゃんにもね」
「それでもだよな」
「ええ。今はカテーリン書記長の所在よ」
エルザは強い声で三人に言った。
「それを突き止めましょう」
「わかりました、それでは」
モンゴメリーが応える、そうしてだった。
エイリスもカテーリンの所在を探しだした、それはドクツもである。
ヒムラーはドイツ妹とプロイセン妹にだ、こう言った。
「書記長の所在がわからないけれどね」
「何としてもですね」
「突き止めるんだね」
「そう、絶対にね」
こう二人に話すのだった、己の執務用の机に座ったまま。
「さもないとこっちも仕掛けられないからね」
「暗殺かい?」
プロイセン妹はあえてこう尋ねた。
「カテーリン書記長をそうするのかい?」
「ははは、それはまだ決めていないけれどね」
ヒムラーは明るい笑い声で返すがその選択を否定はしなかった。
「まあ連合国は同床異夢だからね」
「いざという時に備えてですか」
「カテーリン書記長の所在は知っておくんだね」
「知ることは武器だよ」
それだけでだというのだ。
「だからね」
「カテーリン書記長の所在は常にですね」
「知っておくんだね」
「どうも各国の送る刺客を常にかわしてるらしいけれど」
尚ガメリカと中帝国は連合にいた頃から常に工作を仕掛けていた、同盟関係にあっても彼等は常に敵対関係にあったのだ。
「知らないよりずっといいよ」
「わかりました、では」
「調べておくよ」
「そうしてくれるかい?じゃあね」
こうしてだった、ドクツ側もカテーリン書記長の所在を探しだした、とにかく誰もがカテーリンの行方を調べていた。
カテーリンはある場所にいた、そこにおいてだった。
ミーリャにだ、曇った顔で言うのだった。
「クローン兵士はまだ揃わないの?」
「もうちょっとよ」
密室だ、ミーリャはその中でカテーリンに話した。
「もうちょっとだけあればね」
「揃うのね」
「艦艇もね。だからもう少し我慢してね」
「早ければ早い方がいいのよ」
カテーリンは眉を顰めさせてこう言った。
「戦ってるんだから」
「それでその戦力でよね」
「そう、モスクワを奪還してね」
そうしてだというのだ。
「それかね」
「ソビエト全土の奪還ね」
「何としてもそうするから」
カテーリンはその強い意志で言う。
「絶対にね」
「そうしようね。ただね」
「ただって?」
「ゲーペ先生がカテーリンちゃんに提案があるらしいの」
「先生が?」
カテーリンはミーリャの今の話にきょとんとした顔になった、その顔は年相応の子供らしい顔であった。
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