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俺の異世界転生記

作者:BITE
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二日目 昼

森の奥へ進むと拍子抜けするほど簡単にゴブリン群れを見つけた。数にして数十匹、余裕だ。
俺は道の真ん中に立ち、忍び足で近寄る。
ゴブリンの目線上に俺はいるが、足音にさえ気を付ければ、見つかる事はない。なぜなら、今はワムウの流法、神砂嵐を使い、体を風で覆って姿を消しているからだ。
少しずつ俺はゴブリン達と距離を縮める。某隻眼の蛇のように油断なく近づく。

「ギィ?」

終わりだ。

俺はゴブリンの脳天目掛けて兜割りの要領で輝彩滑刀を降り下ろす。

ブシャァァァ!

「ギィィィィィ!!?」

周りのゴブリン達が仲間の一人が死ぬのを見て、慌てだすがその間に俺は同じように急所の頭を潰し続けた。グシャ、と音を立てて、ゴブリン達が崩れ落ちていく。素材アイテムの牙さえ、傷付かなければどんな風に殺そうが関係ない。

「ギ、ギィ.....」

グシャ.....!

これで最後だ。

俺は最後のゴブリンの頭から輝彩滑刀を無理矢理引き抜いた。刃にはゴブリンの脳髄が張り付き、銀色の刃はゴブリンの血で真っ赤に染まっていたので、ゴブリンの着ていた服の布で綺麗に拭き取って、腕に仕舞う。
(素材アイテムは牙と、皮だが.....皮はいらない。元より狙いは牙だけであり、皮に至っては持っていこうにも輝彩滑刀で切り裂かれ、ズタボロになっている。とても買い取ってくれるとは思えない)

何にせよこれで依頼達成だ。ギルドに戻るとしよう。

八雲が森を抜けて、ギルドに戻ったのは、まだ昼近くだった。受付嬢に依頼達成の報告をし、素材アイテムを確認させる。

ゴブリンの牙は16本だ。

「はい、確かに確認しました。それでは依頼達成として報酬の10000ギルをどうぞ」

俺は受付嬢から金の入った袋を受け取り、ポケットに仕舞う。

この牙はどうすればいい?

「それならこちらで買い取りをしていますよ。買い取りますか?」

頼む。

「それでは、ゴブリンの牙16本で、1つ120ギルなので、1920ギルになります。よろしいでしょうか?」

ああ。

「では1920ギルです。どうぞ」

新たに受付嬢から金を受け取り、合計11920ギルになった。これで少なくとも宿や食事は確保できた。

では、また。

俺は受付嬢にそう言って、ギルドから出た。

ギルドを出て、俺はいつものように広場のベンチに向かおうとしていた。

「おい、そこの新入り待ちな!」

背後から野太い怒声が上がる。後ろから周りがざわつくのを感じ、興味本意で振り返る。
すると、明らかにチンピラのような外見の大男三人が腕を組んでこっちを見ていた。念のため、俺は後ろに誰か居るのかを確認する。誰もいない。

「てめぇだよ!そこの黒ずくめ!」

俺か?

「そうだよ、マヌケッ!」

何の用だ?

「てめえ、さっき報酬、もらってたよなぁ。だからそれを少し分けてもらおうと思ってな。俺は優しいからさっきの報酬分の金を置いていけば見逃してやるよ」

そう言って、大男達は見せ付けるように背中の大剣、バスターソードを抜いた。周りは俺と大男達を避けるように端に寄る。
(なるほど、新人から先輩という名目で金を奪おうという腹か。)
大男は答えを焦らせようとバスターソードを地面に叩きつける。

「で!どうするんだ、ええ!」

分かった。金は渡そう。

「おお、そうか!理解が早くて助かるよ。じゃあほら、さっさと出しな」

大男達がバスターソードを仕舞い、俺に近付いてくる。それを見て、顔を下に向けたまま笑みを浮かべる。
(殺しはしない。だが、二度と冒険者を名乗れないようになってもらう)

キラークイーン。

俺の背後にピンク色の猫のような顔の人型スタンドが現れる。当然見えてはいない。スタンドルールとしてスタンドはスタンド使いにしか見えないためだ。そして、ポケットから3ギル取りだし、キラークイーンに触れさせる。これで準備は終わりだ。

ピン!ピン!ピン!

「おっと」「なんだ?」「1ギル硬貨だぁ?」

それはプレゼントだ。

「プレゼントだぁ?ふざけてんじゃねぇぞ!!さっさと金を出せ!」

リーダー格の大男が吠えるが、構わない。俺は話を続ける。

悪いが、それは無理だ。約束通り金を渡したのだから。それで満足してくれ。できないなら、二度と剣を握れないようになる。

「ハッタリかましてんじゃねぇ!お前ら、こいつを殺せ!」

「おう、任せな!」

大男達が案の定、バスターソードを振りかぶり、俺に振り落とそうとする。
それを俺はせせら笑いながら、言った。

既にそのコインには触れている.......忠告はした。キラークイーン第1の爆弾ッ。

ドォン!ドォン!ドォン!

「ぎゃぁあああああ!!腕がああああぁぁぁ」

「イテェ!!!足があああああ!?」

「俺の腕えええええ!!!」

爆発音が起こり、男達は地面にうずくまって、爆破された箇所を抑え悶えている。
(二人は硬貨を手に持っていたため、腕がない。一人はポケットに仕舞っていたのか右足が消し飛んだ。腕にしろ脚にしろもうこれで冒険者稼業をこの男達は続けられない)

リーダー格の大男の元へ俺は歩いていき、呟いた。

だから、言っただろう。

 
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