ソードアート・オンライン~紅き剣聖~
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一部 浮遊城アインクラッド編
紅と黒の衝突
前書き
新年一発目!!
後書きコーナーで告知が!?
sideユウマ
35層、《迷いの森》
俺とリンはイベントボスの元に行くため、森の中を駆けていた。
「リン、周囲にプレイヤーは?」
「ん、反応はない」
リンは索敵スキルを完全習得していて、カンもいいのでプレイヤーやモンスターを見逃す事はまずない。
《とある事件》がきっかけで俺達のギルドに入団したんだけど…………
「ユウマ? どうしたの」
リンがこちらを見上げている。
「あ、いや! 何でもないよ!」
その話はまた次の機会にしよう。
俺は雑念を振り払い、走る事に集中する。
皆、ソウスケの事を強いって言う、確かにソウスケは強いけどそれは外の強さだ、レベルや経験、昔からやっていたと言う剣術があったから………多分サキちゃんも気づいていると思う、ソウスケは内、つまり心が脆い。
強がって、苦しんで、全部一人で背負い込もうとする。
他人に迷惑をかけまいとするその行いが、皆を心配させる。
「ばか野郎……俺は構わないけど、サキちゃんは…………」
心配させちゃダメでしょ!!
俺は歯を食い縛る。
「ユウマ」
リンが声を掛けてくる。
「どうかした、リン?」
「………黒の剣士と剣聖が《蘇生アイテム》を奪いあっていたら、片方の死は覚悟した方がいい」
「…………」
リンの言う事はわかる。
あの二人は、アインクラッドで5本の指に入る強者だ。
《聖騎士》 ヒースクリフ
《黒の剣士》 キリト
《閃光》 アスナ
《剣聖》 ソウスケ
《蒼の覇剣》 ユウマ
そんな二人が、殺し合うとなると、止める方が殺されるだろう。
「させるかっての!」
絶対に止めてやる!
*************
sideサキ
私たちは目的地のすぐそばまで来たけど……
「待てよ!」
黒衣の剣士が叫ぶ。
彼の視線の先には──
「………止めを刺したのは俺だ、見苦しいんだよ………キリト」
「……………」
言葉が出なかった。
会いたかった、会って自分を責めないで、と言いたかったのに言葉が出ない。
隣のアスナも同じなのだろう。
ジリッ
キリト君が武器を構える。
「………を、それを、寄越せー!!!!!!」
片手剣ソードスキル、《ソニックリープ》でソウスケ君に突撃する。
「………………」
対するソウスケ君は、刀を構えない、彼を見ているだけ。
キリト君の剣がソウスケ君に迫る。
しかし、ソウスケ君はそれを避けてのカウンターで、体術スキル、《サマーソルト》をキリト君の顎に見舞う。
「ぐっ………!」
キリト君は体制を立て直し、再び剣を構える。
二人の闘いが始まってしまった。
************
sideソウスケ
俺の手の中には今、《蘇生アイテム》が握られている。
目の前ではキリトが剣を構えている。
「悪ぃな、キリト………お前にコイツを渡す訳にはいかない!」
傍観者達は何を考えているかは知らないが、無駄な戦闘は避けたいと思っているが。
「だったら殺して奪う!!」
キリト君の剣が血色の光を纏い、物凄い速度で赤い閃を描きながらソウスケ君へと吸い込まれていく。
「ソウスケ君!!」
サキの声だ。
「ちぃっ…………!!」
一瞬、反応が遅れたが紙一重で避ける。
キリトのヤツ、本気で殺すつもりらしい。
「………………サキ!!!!」
俺はその名を叫び、《蘇生アイテム》を投げ渡す。
「ぇ…………これは?」
「《蘇生アイテム》、預かってろ」
そう言って俺は刀を構える。
「ち、ちょっとねぇ………!」
アスナが俺を睨む。
「………黙ってろ、気が散る…………そうだろう、キリト?」
「…………………」
キリトは黙って頷く。
「………………キリト君…………………」
アスナの声が、死闘の合図となった。
「はぁぁぁぁっっっ………………!!」
「うぉぉぉぉっっっ………………!!!」
二人の剣がぶつかり合う。
聖夜の夜は、まだ明けない。
後書き
ARISEN 「………ユウマ君さぁ、ちゃっかりトッププレイヤーの一人だったんだね?」
ユウマ「俺だって! 少しは目立ちたいんだー!!」
ソウスケ「きっと、忘れてる人いると思──」 ザクッ
リン「ユウマの悪口、許さない」
ソウスケ「何でだろう、このコーナーでたくさん殺られてる気が…………」
バタッ
ユウマ「よーし! 次回から、ソードアート・オンライン ~蒼の覇剣~が始まるよ♪」
ARISEN 「 いや、始まらねーよ………」
リン「今回はこれでおしまい、皆ユウマの味方をして」
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