『ポケスペの世界へ』
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第四十話
『ありがとうございましたッ!! テレビの前の皆さん、御覧頂けたでしょうか? 我がホウエン地方トウカシティのジムリーダーセンリさんの自主練習の様子ですッ!!』
「ふわぁ……眠……」
「ほら、さっさと朝飯食べなさい」
まだ眠い俺だが母さんに言われて、瞼を開けて朝飯のパンにバターを付けてから食べ始める。
「チュウ……」
隣ではピカ達も朝食を食べている。そこへ洗濯物を干してきた母さんがリビングに入ってくる。
「あら、この人ホウエンのセンリさんじゃないの?」
「ん? まぁそうだな」
『それにしても複数のポケモンを一瞬で……何時もこのように激しい練習をされているんですか?』
『ハイ』
母さんが去年購入したテレビの画面にはルビサファのセンリとリポーターが話をしていた。
「そう言えば……そろそろ原作のルビサファも始まる頃なんじゃないの?」
「確か原作だとこのテレビ中継中にルビーがミシロタウンに向かっているはずだがな」
「それじゃあ原作手伝いなさいよ」
「……ぇ~、どうせセレビィが時間戻すんだから」
「良いから行って来なさい。半年前にカントー、ジョウトのジムを制覇したんだからついでに行って来なさいよ」
ルビサファが始まる前に俺はカントーとジョウトのジムを全て制覇していた。まぁジョウトは途中まで制覇していたからな。
やっぱ、イブキ強かったね。そんであのコスチュームもエロかったな。
そしてコガネシティからのリニアでカントーに向かい、ニビシティから旧作からバッジを手に入れていった。
まぁエリカさんとナツメとは三連続で戦わされたけどな。
「えぇ~めんどい……あたッ!?」
「良いからさっさと行きなさい」
母さんにお玉で殴られた。仕方ない、ホウエンに行くとするか。
「行く前にエリカちゃんやナツメちゃんに説明しなさいよ」
「う……」
母さんの言葉に俺はクチつぐんだ。あれからエリカとナツメとは友達以上恋人未満の関係が続いていた。御互いにその次の一線を越える事が出来ずに一年半もダラダラと過ごしているけどな。
「……電話しとくか」
俺はリビングから部屋に戻ってエリカとナツメに暫くホウエン地方に行く事を告げておいた。何か二人とも笑っていたが……何だ?
「それじゃあ身支度を整えたからホウエン地方に行ってくるわ」
「はいはい。お土産はフエンせんべいで良いわよ」
「……俺は観光で行くのかよ……」
俺は溜め息を吐いて家を出た。そうだ、ウツギ博士にも一言言っておくか。
――ウツギ研究所――
「そうかい、ホウエン地方に行くんだね。それなら図鑑もホウエン地方のデータを入れとくよ」
「あ、すいません。御願いしたみたいで」
「いやいや、君のは試作品だからね」
図鑑のデータ入力は十分程度で終わり、図鑑に新しくホウエン地方のデータが入った。
「ホウエン地方にはアサギシティからアクア号が不定期でホウエン地方のカイナシティへ出港するよ」
「ありがとうございます」
俺はウツギ博士に礼を言ってアサギシティへと向かった。
――アサギシティ、桟橋――
「残念だな。カイナシティ行きは明日なんだ」
「そうすか」
ならポケセンで休んどくか。家に帰ったら母さんに怒られそうだしな。
そして翌日、カイナシティ行きのアクア号に乗り込んで俺はホウエン地方へと向かった。
――ポケモンリーグ協会――
「タマムシとヤマブキのジムリーダー二人がホウエン地方に?」
「はい、ホウエンジムリーダーとの交流を兼ねて行きたいと……」
「……向こうの協会も戦力は欲しいはずだな。旅行は許可すると伝えろ」
「判りました」
部下は部屋から退出してカントー支部理事長は溜め息を吐いた。
「……ホウエンで良くない事が起きそうだな。それに今のホウエンは……」
理事長はそう呟くのであった。
――カイナシティ――
「さぁて着いた着いた。最初は何処に行くかだな……」
三日かけてジョウトからホウエン地方にやってきた。そういや主人公達はミシロタウンからは出てるはずだな。
「となるとカイナシティをルビーは通る事になるから少し待っておくか」
まぁ通過しているなら先回りすればいい話だがな。
それから翌日、カイナシティにルビーが現れたがポケモンだいすきクラブの会長と共にコンテスト会場できのみブレンダーをしているとマグマ団のポケモンによって気絶させられてそのまま拐われたのであった。
その後は原作通りにルビーが潜水艇にマグマ団の幹部と共に造船所から逃走した。
「さて、そろそろ俺も動くとするかな。何処に行くかなヒマワキの方にでも行こうかな……」
俺はそう呟いてカイナシティを後にした。なお、クスノキ館長達は救出しておいた。
そこまで俺は薄情じゃないからな。
後書き
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