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ドリトル先生と日本のお料理

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第一幕 日本のお家その七

「食べるといいんだよ」
「そう、それじゃあね」
「食べるんだよ、日本にいたら。ただ」
「ただって?」
「日本人は少食みたいなんだ」
 王子はここで声のトーンを少し下げました、そして残念そうな顔になってそのうえでこう先生達にお話しました。
「出て来る料理はどれもね」
「少ないんだね、量は」
「先生は身体も大きいからね」
 ただ大柄なだけでなく太くもあります、先生の体型はそうしたものです。王子はそのことからもお話するのです。
「一品や二品じゃ足りないだろうね」
「じゃあメニューの数は沢山頼んで」
「そうして食べるといいかもね」
「わかったよ、そのこともね」
「食べるのならね」
 王子はまた言いました。
「たっぷり食べないとね」
「駄目だね」
「あと日本は食べるものだけじゃないから」
「文化も素晴らしいね」
「茶道も華道もあって」
 イギリスにいた頃に先生にお話しましたがここでも言うのです。
「それに武道もあって」
「剣道や柔道だね」
「先生はスポーツには興味がないけれどね」
「それもだね」
「そう、観てみるといいよ」
 それもだというのです。
「奈良や京都にも行ってね、そしてまずはね」
「大学だね」
「そう、八条大学にもね」
 先生が勤めるその大学にもというのです。
「明日にでも行って」
「働くのは何時からなの?」
 チーチーが先生にこのことを尋ねてきました。
「それは」
「一週間後だよ」
「そうなんだ」
「まだ少し時間はあるけれどね」
 少し早く着いたのです、日本に。
「その間に」
「学園自体も凄くいいところだから」
 王子は学園についてもお話します。
「行くといいよ」
「そうだね、それじゃあね」
 こうしたお話をしてなのでした。
 先生は日本での初日を過ごしました、その寝る時は。
 ベッドはありません、やっぱり畳の襖で区切られたお部屋の中にあるものを敷きました。それは何かといいますと。
「この綿を布で覆ったのがなんだ」
「お布団なんだね」
「これはまた随分変わってるね」
「ベッドに似てるけれどね」
 それでもだとです、動物達はそのお布団を奇妙なものを見る目で見つつお風呂に入ってからパジャマに着替えて寝ようという先生に言います。先生の頭にはナイトキャップがあります。
「それでも違うね」
「脚のないベッドだね」
「そんな感じだね」
「変わってるね、これも」
「寝るものもね」
「うん、どんな感じだろうね」
 そのお布団を敷いた先生も言うのでした。
「起きる時は畳むらしいしね」
「畳み方はもう王子から聞いたよ」
 チーチーが先生に言います。
「先生だとずっと敷いたままでいそうだから」
「そうかな、僕だと」
「だって先生だから」
 いい加減というかずぼらなところがあるからです。 
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