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転生とらぶる

作者:青竹
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スーパーロボット大戦OG外伝
  0480話

「さて、確かこの辺だが……」

 呟き、ミロンガのモニタに映し出されている座標を確認する。
 現在俺がいるのはユーラシア大陸の中央部。そこでノイエDCの残党と合流予定のポイントを探している。
 ……いや、違うな。合流予定のムラタ率いる部隊はバンのノイエDCには参加していなかったのだから、DC残党と呼ぶべきか。
 そんな風に思いながらポイント付近をミロンガで移動中、通信が入ってくる。

「その機体、イスルギから連絡のあった客人か?」
「ああ。テスラ研襲撃で手を貸して欲しいと言われて派遣されたムウ・ラ・フラガだ」

 DC残党ではあっても、ノイエDCと連絡を取り合っていた可能性は高いので、取りあえず浅草の時と同様にムウの名前を借りる事にする。何しろアクセル・アルマーはシャドウミラーのエースパイロットとしてそれなりに名前を知られているからな。おまけにノイエDCを率いていたバンを裏切っているし。

「そうか、イスルギ重工の援助にはいつも助かっている。下の森にある巨大な岩が見えるか?」

 通信の声に従ってモニタへと視線を向けると、確かにそこには森に生えている木々に包み込まれるようにして巨大な岩が存在している。

「了解した、これから着地する」

 通信を返し、ミロンガのテスラ・ドライブを使ってその巨大な岩の隣へと着地する。
 するとそこにいたのはリオン、ランドリオン、バレリオンのリオン系列の機体だった。……ガーリオンが無いという時点でこの部隊の戦力は大体予想出来るが。
 ん? ムラタの乗っているガーリオン・カスタム無明――以下無明と呼称する――がいる筈だが……どこにいった?
 少なくても、こうして森の木でカモフラージュしている中には見つからないが。

「降りてきてくれ、顔合わせをしておきたい」
「分かった」

 通信の声に従い、乗降ワイヤーを使ってミロンガから降りる。
 そんな俺を出迎えたのは……

「どういうつもりだ?」

 こちらへと銃口を向けている兵士達へと視線を向けて尋ねる。

「……よし」

 男達を率いているらしい者がそう呟くと、俺へと向けられていた銃口は全て下ろされる。そして小さく頭を下げてきた。

「すまないな。何しろ俺達の事情が事情だから用心するのに越した事はない。連邦軍からのスパイという可能性も考えると、どうしても最初はこんな対応になってしまうんだ」
「……まぁ、いいが。場合によってはこっちも反撃する可能性があるぞ?」
「ああ、もちろん承知の上だ。だが、何しろ見ての通り俺達の戦力は少ない。なるべく慎重になるのもしょうがないんだ。……それに、今はこの部隊の中で一番腕の立つ奴もいないしな」
「腕の立つ奴?」

 それがムラタ、か? そんな俺の疑問に目の前の男は小さく頷いて口を開く。

「ああ。カスタムされたガーリオンを使うムラタというパイロットがいるんだが、時折今回みたいにフラリとどこかに消えるんだよ。まぁ、それでも翌日には戻って来るから構わないんだが」
「へぇ、カスタム化されたガーリオンねぇ」

 やはりムラタで間違い無いらしい。フラリとどこかへ消えるというのは、恐らく剣の修行か何かなんだろう。

「ああ。色々と危険な奴ではあるが、腕は相当に立つ。それこそ、この部隊全員と渡り合える程にはな」
「そうか。それなら会えるのを楽しみにしておこう」
「……人格的には今も言ったようにあまりよろしくないんだがな」
「なに、俺自身腕には覚えがあるからそう言う奴との付き合い方はそれなりに知ってるさ」

 俺の言葉に微妙な顔をしながら頷く男。

「そう言えば、手伝って貰えるのはテスラ研に関してだけか?」
「ん? 俺はそう聞いてるが? 他にも何かあるのか?」
「ああ。実は急遽入った依頼で、明日この近くを通るクロガネに襲撃を掛ける事になっていてな。出来ればそれにも協力して貰えば助かるんだが」

 チラリとミロンガへと視線を向ける男。
 まぁ、機体の殆どがリオン、バレリオン、ランドリオンだから俺の機体は欲しいんだろうが……

「悪いな、俺が手を貸すのはテスラ研に関してだけだ。テスラ研に関しても俺の都合で手を貸す訳だから、完全にそっちの都合に合わせる訳にもいかないしな。俺に関しては、あくまでも計算外の戦力で、使えたらラッキー程度に考えておいてくれ」
「……そうか。ならあくまでも戦力外として考えさせて貰う」

 俺の今回の目的は、あくまでもテスラ研に侵入してヒュッケバインMk-Ⅲを盗み出す事だ。戦闘開始時と脱出時程度なら幾らかは参戦できるが、最も戦闘が激しくなっている時には恐らくテスラ研内部にいるだろう。
 そんな風に考えている時だった。ズシン、ズシンという音が聞こえてきたのは。

「珍しいな。いつもは戻って来るとしても朝になってからなんだが」

 その言葉で誰が近づいて来ているのかは予想が付いた。そして数秒後にその予想は外れる事無く当たる。木々を折らないようにして進んでくるのは1機のガーリオン・カスタムだ。ただし通常のガーリオン・カスタムとは違い赤……否、単純な赤ではなく血のような赤とでも表現すべき機体色をしており、その左腰には刀がぶら下がっている。機体色の赤は敵の返り血を現し、そして左腰にぶら下がっているのはリシュウ・トウゴウから盗み出したシシオウブレードだろう。つまりは無明。先程まで話題に出ていたムラタの機体だ。
 その機体は俺達の目の前まで歩いてくると動きを止め、コックピットブロックを開放する。そして現れたのは髭面の男だった。左目には刀傷と思われる傷跡が残っており、その佇まいから受ける印象は血に飢えた野獣。その男は40代だった筈だが、立ち居振る舞いには年齢による衰えを一切感じさせない。

「何やら面白い事になっていると思って戻って来てみれば……どうやら俺の勘も捨てた物じゃないらしいな」

 その視線。それは面白い物……と言うよりは、まさに獲物を見る肉食獣のそれだった。だがムラタのミスは俺をその辺の人物と同一視した事だろう。
 ……いや、待てよ? 考えてみれば丁度いい、か?
 この手の輩は自らの力が全てであり、当然その力を持たない相手に対しては侮る所がある。逆に言えば俺の持つ力を認めさせれば一目置くようになる訳だ。つまり、ここで一度手合わせして俺の力をその身に知らしめておくのはそう悪い選択肢ではない。

「俺と戦ってみたいか?」

 機体だけではなく、生身の状態でも日本刀を腰にぶら下げているムラタへと向かってそう告げる。俺の隣でその言葉を聞いたリーダー格の男は俺のその言葉に目を見開いてこちらを見ているが、何かを言う前にムラタが口を開く。

「ほう、俺と戦うというのか? まだ若いようだが、その意気や良し!」

 シャリィンッ、という金属の音を立てつつ左腰から日本刀を抜くムラタ。それを顔の横まで柄を持ってきて構える。いわゆる八相の構えという奴だ。

「……どうした、貴様も獲物を抜け」

 こちらの隙を窺いながら口を開くムラタ。だが俺はその様子にただ苦笑を浮かべる。

「己の実力を過信しているのか、あるいは俺の実力を見抜けない程に実力差が開いているのか……さて、どちらだ?」
「何だと?」

 その言葉が挑発だと分かっていても、ムラタにとっては決して聞き逃す事の出来無い言葉だったのだろう。ただ敵を斬るだけの為に腕を磨いてきた筈の自分が相手にならないと言われているのだから無理もない。それもまだ自分の半分も生きているかどうかという俺に。

「その言葉……後悔するなよっ!」

 まるで咆吼とでも言うように叫び、周囲の男達を置いたままで一足飛びに地を蹴り俺を間合いへと入れる。そして渾身の力を込めて俺の大言壮語をあの世で後悔しろとばかりに頭部を狙って渾身の力で刀を振り下ろし……

「甘いな」

 その、振り下ろされた刀を右手の親指と人差し指でそっと挟むようにして受け止める。

「何ぃっ!?」

 信じられないとばかりに驚愕の声を上げるムラタ。それは周囲にいる者達も同様であり、今目の前で何が起きているのかを理解出来ないとでも言うような表情でこちらを見ている。
 それもそうだろう。この男達のリーダー格が先程言った『この場にいる全員で掛かってもムラタ1人には勝てない』という言葉。それ程までに高い戦闘能力を持っているムラタの放った一撃を、指2本で事も無げに受け止めたのだから。
 だがそんな風に周囲を唖然とさせたその行為も、俺に取っては当然の出来事だった。何しろ俺は雷速瞬動を使うネギとすらまともにやりあっているのだ。そしてそのネギよりも強いであろうフェイトとも。さらにはネギま世界の英雄であるジャック・ラカンとカゲタロウを相手にして1人で勝っている。……グリもいたが。
 そんな俺にとって、気も魔力もない純粋に体術だけででしか戦えないこのスパロボOGsの世界で生身の人間を相手にして戦うとなれば、それこそ赤子の手を捻るどころではない程に簡単な話だ。

「どうした? お前の長年の修行の成果はこの程度なのか?」

 指2本で刀を捕らえたまま、特に表情を変えるでもなくそう尋ねる。
 正直、ただの人間としてはそれなりの腕なのだろう。だが刀を使う者という意味では桜咲には遠く及ばないし、純粋な戦闘力という意味では小太郎の方が圧倒的に上だった。

「くっ!」

 俺の言葉に指で押さえられている刀を抜き取ろうとするムラタだが、その指2本の力で全力を出しているムラタの膂力よりも上だった。それが分かっても、尚俺を厳しい目つきで睨みつけてくるムラタ。少しでも隙を窺おうとしているのだろう。

「しょうがないな、ほら」

 指で掴んでいた刀身を離してやると、地を蹴って後ろへと跳んで俺と距離を取るムラタ。

「……化け物か、貴様」
「さて、どうだろうな。少なくても普通の人間よりは強いと自覚をしているよ」
「そんなレベルじゃ済まない強さを持っているだろう」

 既に人間を止めた身だ。例え真っ正面からムラタの一撃を受けても実質的なダメージは皆無だしな。まぁ、その辺についてはまだ秘密裏にしておいた方がいいからまともに食らうつもりはないが。

「もう一手、相手をしてもらおうか」

 先程の一撃のように感情に任せたのではなく、ジリジリとこちらとの間合いを計り……

「いいさ、来い。少し揉んでやるよ」
「……キエエエェェェェェェェェッッッッッッッッ!」

 一足飛びに間合いを詰め、気合いの声と共に刀が振り下ろされ……そのまま下まで一直線に振り抜いた。

「甘いな」

 ……空気を。

「な……に……」

 いつの間にか横に回り込んでいた俺へと驚愕を含んだ視線を向けてくるムラタ。一瞬前までは確実に自分の刀で俺を捉えたと思っていたのだろう。それが次の瞬間には自分の真横へと回り込まれていたのだから無理もない。
 そして、その鍛え上げられた喉には俺の右手がしっかりと食い込んでいる。
 自分の全力で振るった刀ですら指2本であっさりと受け止める俺が、その指を自分の喉へと食い込ませている。それだけで俺が本気であったのなら、既に自分が死んでいたというのは理解したのだろう。
 ギリッと奥歯を噛み締めて俺を睨みつけてくるムラタ。その様子を見ながらそっと喉から手を離す。

「……俺の刀は確かにお前を捉えた筈だ。それなのに何故お前がそこにいる?」
「さて、なんでだろうな?」
「貴様、真面目に答え……」

 お前から貴様へと俺への呼び方が変わったその瞬間。再びムラタの喉へと右手をこれ見よがしに伸ばしてやる。

「っ!?」

 俺の右手を見た瞬間、咄嗟に背後へと跳び退るムラタだったが、先程と同様に瞬動を使用した俺は次の瞬間には既に再びムラタの懐へと潜りこんでいた。そのまま喉を鷲掴み、右腕一本で鍛え上げられたムラタの身体を持ち上げる。

「ぐっ、が……」
「言葉に気を付けろよ? 力を信望するお前が、その力で俺に圧倒的な差をつけて負けたんだ。そんなお前が俺に貴様、だと?」

 言い捨て、ゴミでも捨てるかのようにムラタを地面へと放り投げる。

「げっ、げほっ……」

 咳き込んでいるムラタへと視線を向け、口を開く。

「己の分、というものを弁えるんだな」
「……」

 何も口には出さないが、それでもその視線は俺に対しての獰猛な闘争心を放っている。……なるほど、これだけ力の差を教えてもまだ折れないか。俺としては今の一連の出来事で明確な上下関係を作っておきたかったんだがな。
 この手の輩は、そうでもしないと容易く自分の欲望に従って暴走するのが厄介だし。
 こうして、クロガネ襲撃前夜は過ぎていく。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:40
PP:125
格闘:270
射撃:290
技量:280
防御:280
回避:310
命中:330
SP:478
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???

撃墜数:412 
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