ヘタリア大帝国
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TURN112 独裁者の名その一
TURN112 独裁者の名
コンドラチェンコとスノーも枢軸軍に参加した、そしてだった。
二人は東郷にその旨を伝えてからジューコフの部屋に入った、するとそこにはリディアと亜空もいた。
リディアが二人を見て笑顔でこう言ってきた。
「あっ、これからまた宜しく御願いします」
「こっちこそな」
コンドラチェンコは今はウォッカを飲んでいる、その赤ら顔で陽気に応える。
「まあ所属する陣営は変わったがな」
「そうですね、書記長さんには悪いですけれど」
「あの人相当怒ってるだろうな」
「多分私達全員戦争の後で廊下に立たされますね」
「バケツ持たされてな」
「一時間ってところでしょうか」
「朝から夕方までだろ」
コンドラチェンコは笑ってこう返した。
「書記長さん厳しいからな」
「そうなりますか」
「ああ、悪い人じゃないんだけれどな」
「やっぱり厳しいですよね」
「そこがな」
問題だというのだ。
「もうちょっと心に余裕が欲しいな」
「そうですね」
「まあこの戦争はな」
「勝敗は決した」
ここでジューコフが言った、五人でソファーに座りウォッカと干し肉を楽しむその中でも彼の声は重厚だった。
「最早な」
「そうね、もうね」
スノーがジューコフのその言葉に応えた。
「戦力も少ないし」
「しかも戦術は全て破られた」
「これ以上戦っても」
そうしてもだというのだ。
「何もならないわ」
「その通りだ」
「ここは講和すべきだが」
亜空も言う。
「しかしだ」
「書記長さん頑固なのよね」
リディアは少し苦笑いになってカテーリンの性格のこの部分も指摘した。
「あの人はね」
「意志の強い方だ」
ジューコフはこう言う。
「生真面目で清廉だが」
「そして一度はじめたことは諦めない」
「国家元首としての資質としては確かにいいが」
「過ぎるのよね、あの人は」
「何でもな」
ジューコフが言うカテーリンの問題点はそこだった。
「素晴らしい努力家なのだが」
「もう少し柔軟性があれば」
それでだというのだ。
「違うのだがな」
「まだこれからの人でもあるのね」
「そうだ、あの人はやはりロシアに必要だが」
「もう少しだけね」
「パンは小麦粉だけでは作られない」
ここでこうも言ったジューコフだった。
「水も卵も必要だ」
「しかも黒パンだけだと飽きますね」
コンドラチェンコはここでジューコフにこう返した。
「ピロシキもないと」
「そうだ、今のあの方は小麦粉だけのパンだ」
「何か。どうにも」
「最上級の小麦を最上級の職人が焼いているが」
しかも最上級の設備でだ、だがだというのだ。
「小麦粉だけだ」
「ちょっと違いますね」
「少しでいい、水や卵や砂糖も必要だ」
「それで最高のパンになりますね」
「まだこれからだからな」
ジューコフは何処か自分の子供を観る様な目で一同に話す。
「あの方は」
「そういうことだな、カテーリン書記長には余裕がない」
亜空も髪の毛に住んでいるカメレオンが動いているのを確認しながら言う。
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