いつの間にかハイスクールD×Dの木場君?
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
初めてのフリーライフ
第8話
前書き
とうとう、日刊週間月刊の全てが1位か。
これも全て皆様のおかげです。
拙い文ですが、皆様が楽しんでもらえれば幸いです。
街に堕天使が入った様ですね。こちらにちょっかいをかけて来ないなら放置で良いでしょう。中級が一人に下級が三人ですし、大したことは無いでしょう。僕が昔作った聖剣を持っている様ですが最初期の実験用の物ですから効果もそこまで強力な物ではありませんしね。戦闘になれば壊れた幻想で一撃ですし。まあまともに喰らうとサーゼクス様達でも致命傷、部長なら即死クラスの聖剣なんですけどね。白音さん達に注意する様にだけ言っておきましょう。
「ルゥも気をつけるんですよ。はい、今日のお弁当です。知らない人に付いて行ったりしたら駄目ですよ、それから危ないと思ったらアトラック・ナチャで拘束して逃げるんですよ」
「うん、わかってるよますたー。いってきま~す」
「はい、いってらっしゃい」
遊びに出かけるルゥを見送り教会の掃除をする道具の準備をします。一応この街にも教会はあるんですよ。グレモリー家の領地になる前まではちゃんと神父様も派遣されていたのが。現在は悪魔の領地なので廃教会になっていますが、月に一度僕が掃除と整備をしているのでいつでも使用可能な状態になっています。使用する機会なんて無いですけどね。それでも聖職者として朽ちていく教会を黙って見過ごせなかったのです。もちろん、廃教会とは言え悪魔がその領域に入ることはまずいので肉体変化の魔剣を作って人間の身体に戻ってから掃除を行っています。屁理屈かもしれませんがこれで問題はありません。悪魔の領地に住む人間の信者が勝手に掃除をしているだけですから。
ということでいつも通り夕方まで掃除や整備を終えて家に帰ろうとした所で堕天使の気配が近づいてきます。この教会を拠点にするつもりなのでしょう。別に構いませんけどね。誰かが住んでいないと建物って痛み易いですから。
接触はして来ない様なので無視して翌日遠距離から確認した所、結構な人数のはぐれエクソシストを呼び集めていました。あれ位派手に動いていれば部長達も気づいているでしょう。
前言撤回、ソーナ・シトリー様は気づいておられましたが、部長は気づいていませんでした。ソーナ様に鞍替えした方が良さそうな気がしてきました。戦車と僧侶と騎士が一つずつ余ってませんかね?このまま部長についていくのが不安になってきます。眷属として出来る限りのフォローはしますけど、心中は勘弁です。僕の目的は長生きすることですから。
そんなことを考えていたらとうとう犠牲者が出てしまった。変態三人組の一人、兵藤一誠君が。彼は神器を持っていたので、それが原因で殺されたのでしょう。部長はそんな兵藤君を悪魔の駒を使って転生させました。兵士を8個。それが兵藤君に使われた駒の数。
一言で言うならありえない。彼単体で言えば兵士一つで十分だ。ならば残りの7個分は神器のコストだ。おそらく神滅具。未熟な王の元に未熟で強力な武器を持った兵士が仕えることになった。不安だ。果てしなく不安だ。兵藤君の人となりは分かっている。性欲が全面的に出ているが、根は善人だ。だから暴走する様なことは無いだろう。だけど問題は部長の方だ。身内に甘すぎる。人としても王としても悪魔としても甘すぎる。未熟すぎる。
状況を本当に理解出来ているのだろうか?これは堕天使側からの挑発の一つだ。こちらの器を調べようとしている。ソーナ様はグレモリー家の領地ということで表立って動けないが何が起きても対応出来る様に動かれている。それに対して部長は眷属の力の把握すら行っていない。僕の力が何処までの物なのか、ルゥがどれだけ危険な存在なのか、眷属ではないがヴァレリーさんがどれだけ重要な存在なのかを理解していない。この程度がグレモリー家の次期当主ですか。正直言ってがっかりです。
兵藤君がオカルト研究部に入部してしばらく経ちました。部長達は兵藤君が持っていた神器を『龍の手』だと勘違いしていますが、あれは覚醒していないだけで『赤龍帝の篭手』で間違いないでしょう
。彼はこれから大きな戦いに巻き込まれて行くでしょうね。多少なら手を貸しても良いでしょう。それ以上に力が必要なら対価を貰いますけどね。だから魔力が足りなくて転移出来なかった彼に魔剣をあげた分は今度ジュースかなにかでも奢ってもらうことにしましょう。子供でも使える魔法陣が使えないなんていう希少性を見せて貰ったお礼ですよ。込めてある魔力が切れるまでは魔剣から魔力を使う様にしてありますから。
兵藤君からアーシア・アルジェントがこの街に来ているの聞かされた。あの聖女が何故この街にいるのだろう?部長は兵藤君に教会に近づかない様にとしか言っていないが、僕としてはそちらの方が気になる。最初は同名の別人だと思ったが、聖母の微笑を持っている以上同一人物だろう。何か嫌な予感がする。接触するべきだろう。部活を早めに切り上げて肉体を人間に変化させてから教会に向かう。隠蔽系の魔剣を使って侵入し、堕天使が何を企んでいるのかを調査した。
そして堕天使の目的がアーシア・アルジェントの聖母の微笑だということが判明した。神器を奪われるということは死を意味する。彼女はそれを知っているのだろうか。
教会から離れて彼女を探索系の魔剣を使って探し出し、急行する。すぐ近くにはぐれエクソシストの気配もするし、兵藤君の気配もある。これはよくはぐれエクソシストがやる釣りだと判断して転移系の魔剣でそこまで飛ぶ。転移した先では兵藤君が昔僕の作った聖剣によって今にも斬られようとしていた。転移系の剣の力を応用して聖剣と兵藤君の間に亜空間を作り出してなんとか殺されるのを防ぐ。
「大丈夫かい、兵藤君!!」
「木場!?お前、どこから」
「説明は後だ。ってフリード・セルゼン?」
兵藤君を殺そうとしていたのは教会時代に気が合うエクソシストだったフリード・セルゼンだった。
「おやおや、なつかしい顔だと思ったら鍛冶屋さんじゃないですか?教会から追われた噂に聞いたことが聞いた事がありましたけど、中々お元気そうで」
「そっちこそ、未だに一人で悪魔狩りをしてると思っていましたが、今は堕天使達と仲良く狩りですか?」
「さすがに一人じゃ化け物を皆殺しにするなんて出来ないなんてことは理解してるんですよね。だから手始めに悪魔共からと考えてたんですけど、アンタはどっちよ?」
「教会一の変わり者は伊達ではないですからね。悪魔になった今でも、おっと、今は人間の身体でしたっけ。これでよし」
「うほっ、今の今まで人間の気配だったのに悪魔だなんて、しかも十字架まで身につけるだなんて変わり者もここまで来れば俺っち尊敬しちゃう!!」
巫山戯た会話をしながらも互いに斬り合うのは止めずに部屋を荒らし続けて行く。
「兵藤君、君は部室に帰るんだ。行きたい場所をイメージしながらその剣を振れば飛べるから」
持っていた魔剣を兵藤君に投げ渡し、聖剣の力を抑える魔剣を作って斬り結ぶ。
「アーシア・アルジェントさんを連れて行くのも忘れないで!!堕天使は彼女の神器を狙っている。神器を抜かれた人間は死んでしまう」
「おっとぅ、そこまで知られてるんだったら余計に逃がすわけにはいかないさ~!!」
フリードが光弾を撃ち出す銃を取り出して兵藤君に向けるのと同時にその射線状に大剣を並べて盾にする。
「早く行くんだ!!守りながらじゃ限界が来る!!」
十字架を外せば余裕ができるんだけど、外さなくても余裕でフリード位なら殺せるんだけど、兵藤君達の前だとね。ちょっとショッキングな場面は早い気がする。フリードクラスの中途半端な強さの奴を無力化するのは難しいんですよね。もう少し強いか弱いかはっきりしてくれれば良いのに。
「すまん、木場。アーシア、こっちだ」
「ですが」
「早く行くんだ。他の堕天使が近づいて来ている。僕なら大丈夫だ」
「すぐに部長達を連れて来るから」
そう言って兵藤君達が離れると同時に堕天使達がやってくる。ちょうど良い。フリードをやって来た堕天使達に投げ飛ばし、新たに作り出した転移系の魔剣で纏めて教会に飛ばす。
「ルゥ!!」
「いえす、ますたー」
僕の呼びかけにルゥが転移で姿を現す。
「マギウススタイルだ」
「りょうかい」
アル・アジフの様にルゥを構成する頁が僕に纏わり付いてマギウススタイルに変身する。ルゥは手のひらに乗る位の小ささに変化して僕の頭の上に乗る。
「行くよ。部長達が来る前に全てを終わらせる」
僕自身も魔剣で教会に転移する。
「へぇ、僅かな間に防衛体制を整えたか」
転移した先には、はぐれエクソシスト達と4人の堕天使が武器を構えていた。フリードの姿は見えないのはおそらく逃げ出したのだろう。相変わらず鼻が利くみたいだ。
「ふん、ただの下級悪魔が「アトラック・ナチャ!!」なっ!?」
こちらを見下している中級堕天使が何かを言おうとしていたが、こちらは制限時間があるんだ速攻で終わらせてもらう。
「ロイガー&ツァール!!」
オリジナルと無限の剣製で産み出した大量の小剣を十字に組み合わせてはぐれエクソシストに投擲する。そして残った堕天使の首をバルザイの偃月刀で刎ねて終わりです。
「ルゥ。死体の後片付けを。魔剣も食べて良いからね」
「うん。ダンセイニ、おいで」
ショゴスが僕の足下から産み出される。
「のこさずたべてね」
ルゥの命令でダンセイニと名付けられたショゴスが死体を飲み込んでいく。これで問題は無くなった。おっと、問題が解決した証拠に羽だけは回収しておかないとね。
翌日、勝手な行動をしたとして部長に怒られた。理不尽な。部長が動かなかったのが全ての原因なのに、なぜ僕が怒られなければならない。やはり、王としての才能はほぼ無いのだろう。何処かにトレードしてもらいたいですね。
ソーナ様なら僕を使いこなしてくれるのでしょうけど。はぁ、もしくは再び出奔しましょうか?駄目ですね。そうなると白音さん達も付いてきそうです。さすがに逃走生活を送りながら面倒を見るのは不可能に近いです。サーゼクス様に一度相談した方が良いですかね?丁度オーダーメイドの魔剣を注文されてましたから直接届けるついでに。これ以上失望させないで下さいね、リアス部長。
アーシア・アルジェントに関してはあの教会にそのまま住むようだ。かなりグレーな方法だが、それを可能にする方法をソーナ様が知っておられたおかげだ。それが彼女にとって一番良いと思う。彼女にはこちらの世界は似合わない。兵藤君もこれからも普通に会えることに喜んでいた。まあ教会に足を踏み入れるのは結構問題なので外で出会う形になるんですけどね。
後書き
というわけで1巻が終了しました。短いですけど、木場君の視点からだとこれ位しか書くことがないんですよね。
ついでにアーシアの悪魔化が無くなりました。
うん、どうしてか分からないけど悪魔化するのが想像出来なかった。
次回のライザー戦はそこそこ長くなりますし、木場君がかなり喋ってます。
冷静に考えるとリアス部長は色々と抜けている部分が多いですから、木場君?には耐えられないことが多いんです。
ページ上へ戻る