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ガールズ&パンツァー もう一人の転校生

作者:stk
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伊豆防衛高等学校 後編

ドォーン!!!
えっ?
まさかやられた訳じゃないよね。
『伊豆防衛高等学校、三両行動不能、残りの五両。大洗女子学園、一両行動不能、残りの九両。』
そんなぁーー。
はやたちは怪我してないのかな?
『副隊長。すみません。頑張っていたんですが相討ちになってしまいました。』
「そんなことより怪我してないよね。」
私は撃破報告よりも全員の様子が気になっていました。
『幸いにも誰一人怪我はしていません。』
「よかった。」
ふぅ~。
一安心。
では試合中だから集中して、
「それで残りの戦車はどっちに行ったの?」
『すべてみほたちのほうに向かって行きました。』
「わかった。それじゃあまたあとで会いましょ。」
『了解です。』
すべてみほたちのほうに向かったんだ。
なんだか勝てる気がしてきたよ。


「はや。」
「みのり、どおしたの?」
「最近ね、梨華が前とは別人に見えるの。」
梨華が別人に見えるって。
それは薄々そんな気がしていたけど、やっぱりそうなんだ。
「前までだったら、「もっと行動不能にしなさいよ。」とか言ってそうだったのに、今回は私たちを気遣ってくれた。」
「確かに。」
何がそこまで梨華を変えたのかな?
まさかみほ?
「心当たりでもあるの?」
「・・・ないよ。」
でもみほが梨華を変えるきっかけになったならみほどんなところを見てかわったのかな?
興味があるよ。
「「「はやがなにか企んでるよ。」」」
はや以外がはやに対して同じ思いを持った。
「梨華を怒らせないでほしい。」と。


『みほ。そっちに行ったから気を付けて。』
「うん。梨華も気を付けてね。」
はやさんたちがやられるなんて。
そんな相手に勝てるのかな?
「西住殿。そんな浮かない顔してどおしたんですか?」
「ううん。何でもないの。」
ダメダメ。
今私がそんな顔してるとみんなの士気が下がっちゃう。
「まこさん。敵戦車がこちらに向かってきているようなのでゆっくり進んでください。」
「わかった。」
それと
「武部さん。みんなに減速するように伝えてください。」
「うん。任せて。」
梨華も向かってくれているようだからここは挟み撃ちにして・・・
「みほ。まえ!!!」
慌ててまえを見るとそこには山河さん率いる戦車が待ち構えていました。
「慎重に狙ってください。」
「はい。」
あっちの方が早い。
でも梨華たちだって遅いわけではない。
それなら、きっと大丈夫。
「撃ってください。」
私の指示で一斉に砲弾が撃たれました。
ドォーン!!!
伊豆防衛高等学校のほうから大きな音が聞こえたと思ったその時でした。
ドォーン!!!
私たちの近くでも同じく大きな音がなったのです。
『伊豆防衛高等学校、四両行動不能、残りの一両。大洗女子学園、五両行動不能、残り四両。』
アナウンス中にもあちらは手を緩めることなく撃ってきます。
『大洗女子学園、二両行動不能、残り二両。』
梨華を待ってるだけじゃダメ。
「はなさん。頑張ってください。」
「はい。」
カチャ。
はなさんが放った砲弾はきれいに敵戦車に向かって行きました。
しかし敵戦車の砲塔は何故か私たちではなく、私たちとは真逆の砲を向いています。
ドォーン!!!・・・・・ドォーン!!!。
と二回にわたって大きな音が鳴り響きました。

「みほが危ない。急いであの一両を狙って。」
間に合って。
せめてみほだけでも・・・
「絵里。向こうの砲塔がこっち向いてるよ。」
「それなら相手の砲塔を狙って。」
「はい。」
砲弾と砲弾をぶつけて相殺しよう。
「撃てぇ。」
私の合図と共に絵里が引き金を引いた。
そして数秒後、
ドォーン!!!・・・・・ドォーン!!!
と二回にわたって大きな音が鳴り響いた。
『伊豆防衛高等学校、全車両行動不能。よってよって大洗女子学園の勝利。』
やったー。
勝ったんだ。
あの防衛高等学校に!!
多くの犠牲はあったけど嬉しすぎて涙が・・・・・出ない?
いったいどう言うこと私たち勝ったのよね?
なのにどおして感動の涙が出てこないの?
「梨華。挨拶にいくよ。」
「う、うん。」
ほんとにどうしてなのーーーー!


「大洗女子学園の勝利。」
「「「「「ありがとうございました。」」」」」
「敬礼!!!」
ピシッ。
オー。
カッコいい。
今度から白河勢はあれを挨拶にしようかな。
そうすれば周りの見る目も変わると思うし。
「それでは解散。」
さーてと。
帰る準備しますか。
一様、授業の一貫で模擬戦は行ったようなものだから午後からの授業は受けないといけないしね。
「梨華。話がしたいのだがいいか?」
「もちろんですよ。亜依。私の分の片付けもお願い。」
首をたてに振って分かったと合図する亜依。
「それで話とはなんですか?」
「ああ、・・・お前たちは今のまま大狩流派祭に挑むつもりなのか?」
「多分そうなりますね。それがどうかしましたか?」
「きっとすぐに負けるぞ。」
やっぱり。
その事を伝えるために私を呼んだのか。
「まさか今日の模擬戦の目的は私たちの実力を測ることだったのですか?」
「そうとらえてもらっていい。」
なるほど。
でも最初に「実力が知りたい。」と言ってくれれば良かったのに。
「梨華、はやそしてみほの戦車はよかった。しかしあとは全然ダメだな。」
くっ、言い返せない。
「日は多くないがもっと練習に励むんだな。」
「はい。」
こんな簡単に実力がわかるなんて。
たしかに模擬戦だが、みんなが力を抜いている言うには見えなかった。
それでもあんなにあっさり負けたんだ。
認めるしかない。
「じゃあな。・・・・・・試合、頑張れよ。」
「はい!」
最後の最後に応援してもらえたことが嬉しかった。
試合に向けて特訓でもしますか。 
 

 
後書き
これにて本年の投稿は終わりにさせていただきます。
来年ものんびり書いていきますのでよろしくお願いします。
それではみなさん、よい年越しをなさってください。 
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