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転生とらぶる

作者:青竹
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スーパーロボット大戦OG外伝
  0477話

 ホワイトスターからOGs世界へと戻った俺とスレイ。その目の前には数人の量産型Wの姿がおり、きちんとゲートの警備をしているようだった。

「さて、じゃあどうする? 一旦イスルギ重工の本社に行くか? スレイにしても、フィリオ・プレスティの診断書の類はあった方が説得しやすいだろうしな」
「当然だ。これまでのお前達シャドウミラーとの契約は、あくまでも兄様の病気が真実だった場合のものだ。……まぁ、ホワイトスターという存在を有しているのだから、ここで嘘を言う必要も感じられないがな」

 朝食の席で真っ赤になっていたスレイは消えさり、いつものクールビューティっぷりが戻って来たその様子に、思わず笑みを浮かべながらも量産型Wの方へと視線を向ける。

「この様子を見ると特に問題は無いようだが、何か異常はあったか?」
「いえ。特にはありません。ここを住処にしていると思われる猪が数匹程侵入してこようとしましたが、撃退に成功しています」

 ……なるほど。それはこんな山の中にあって、長い間人の手も入らずに放置されているんだから野生動物の住処にもなるか。だからと言って猪の凶暴性を考えると、ゲートに体当たりでもして不具合が起きる可能性がある以上は迎え入れる訳にもいかないが。

「分かった。警備を続けろ」
「はっ!」

 去っていく量産型Wを見送り、スレイへと声を掛ける。

「さて、じゃあイスルギ重工にでも向かうか。カリオンの操縦を頼む」
「……だから、カリオンをタクシー代わりにするなと言うのに」
「そんな事を言っても、カリオンでここまで来たんだから帰りの足はそれしかないだろう」

 いや、空間倉庫の中に色々と入ってるんだけどな。ただスレイがフィリオの説得に成功するかどうかがはっきりしない以上はあまりこちらの手札を見せるのはやめておいた方がいいだろう。
 ……ホワイトスターを見せた上で、手札も何もないような気もするが。

「全く、しょうがないな。行くぞ」
「……ツンデレか」
「誰がツンデレだ! お前にデレた覚えはない!」

 そんな風にやり取りをしながら、カリオンでイスルギ重工のある街へと戻るのだった。





「アクセル様、スレイ様。社長は現在忙しくて手が離せないとの事です。ただ、これを預かっております」

 イスルギ重工の本社でミツコとの面会を希望すると、受付嬢にそう断りを入れられて封筒を渡される。

「封筒? 中身は?」

 その封筒を受け取りながら受付嬢へと尋ねるが、小さく首を横に振る。

「いえ、何なのかは伺っておりません。ただアクセル様かスレイ様が尋ねてきたら渡すようにとだけ言われております」
「……そうか、分かった」

 封筒を受け取り、以前にも見た封蝋を破って中身を確認すると……

「やっぱりな」

 その内容に小さく呟き、封筒をスレイへと押しつける。

「この封筒がどうかしたのか?」
「取りあえずまだ中を見ない方がいい。……そうだな、俺の借りてるホテルに来るか? ……うおっ!」

 スレイへと告げた途端、いきなり俺の顔面へと向かって拳が振るわれるのを感じて咄嗟に回避する。

「いきなりなにをする!」
「貴様こそ何を考えている! わ、私が昨日お前に身を捧げると言ったのはあくまでも比喩的な表現であって、実際にお前に抱かれるつもりはない!」

 怒りか、あるいは羞恥か。顔を真っ赤にしながらそう叫ぶ。……そう。現在地球で最も巨大な企業と言ってもいいイスルギ重工本社の受付前で、だ。
 周囲にいる大勢の者達からの視線を感じつつ、俺は自分のミスを理解する。俺の借りてるホテルに来る、つまり身体を要求されると思ったのだろう。ましてやホワイトスターで自分の身を捧げるのも構わない云々と発言していたり、朝の出来事を見たりしていたのだからその誤解は尚更深くなった訳か。

「朝からあんな事をしておきながら! まだ! 足りないというのか! 女好きも! 限度というものが! あるぞ!」

 叫びつつ振り回される拳を回避しながら、スレイの言葉でさらに周囲から向けられる好奇の視線が強くなったのを感じ取る。と言うか、男からは黒い視線が。女からはジットリとした視線が放たれている。

「ええい、そう言う意味で言ったんじゃない。落ち着け!」

 殴り掛かってきた拳を掴み、そのまま強引に引き寄せてスレイが身動き出来ないように動きを抑えてから耳元で口を開く。

「この封筒はお前にとって非常な重要な内容だ。だから人目の無い場所で読んだ方がいいと思って俺が泊まっているホテルを提案しただけだ」
「……私の?」

 その言葉でようやく我に返ったのだろう。不思議そうな顔を俺の方へと向けてくるスレイ。

「ああ。もしお前がどこか周囲に人のいない場所を知ってるのなら別にそこでもいい。……どうする?」
「いや、私が思いつく場所もあるが、その場所はどこも遠いからな。お前のホテルでいい」

 どうやら収まった、か。

「うわ、ちょっと見てよ。こんな場所で堂々と抱き合ってる」
「違うわよ。彼氏の方が浮気して、それを誤魔化す為にああやってるのよ」
「くそっ、あんないい女がいるのに浮気とか……絶対に許せん」
「気の強い女程、一度堕とされるとその男に嵌るって言うけど……」

 ヒソヒソとそんな声が周囲から聞こえて来る。
 そして俺の腕の中で、再び先程同様に見る見る顔が赤くなっていくスレイ。
 まぁ、考えてみればスレイの身体を引き寄せて押さえ込んでいる。つまりは抱きしめているのと殆ど変わらない体勢であるのは間違い無いし、同様にその耳元で俺が言葉を発しているのは端から見れば愛を囁いているように見えてもおかしくはない。そして何より十分に成熟した女でもあるスレイは鍛えているだけあって身体は引き締まっており、その胸も相応の大きさを持っている。そしてその胸は現在俺が強く抱きしめている関係上、俺の胸板でグニュリと形をひしゃげているのだ。

「……と、取りあえず離してくれ」

 顔を真っ赤に染めているスレイの言葉に苦笑を浮かべ、抱きしめた形になっていたスレイを解放する。

「さ、さっさとお前のホテルに行くぞ!」

 照れ隠しなのだろう。そう叫んだのだが……それが結果的に周囲に響き渡ったのは別に俺は悪くない筈だ。

「ちょっと、これからあの男とホテルに行くんだって」
「うわ、こんな昼間っから?」
「羨ましい」

 そんな声を背に、俺とスレイはイスルギ重工を出て行くのだった。





「……全く、アクセルのせいでいらない恥を掻いた」

 ホテルにある俺の部屋で、ソファへと腰を下ろしながら呟くスレイ。
 部屋に備え付けられている冷蔵庫から紅茶を取り出して、スレイへと放る。

「いや、どっちかと言えばお前の自爆だろうに」
「ふざけるな。いきなりあんなに人がいる場所でホテルへ行こうと言われたのだぞ? どう考えてもお前が悪い」
「あー、分かった分かった。俺が悪いって事でいいよ」

 お互いに愚痴を言い合いながら紅茶を飲んで一段落した所で受付で預かった封筒をスレイへと渡す。

「ほら」
「……兄様のカルテ、か」

 封筒の中身を見ないままに呟くスレイ。
 まぁ、俺の態度から大体予想していたのだろう。そしてそのカルテが存在していると言う事は、即ち俺の言葉が正しいという証明なのだ。
 数度の深呼吸をした後、封筒を空けて中に入っていた紙を取り出す。数枚の紙のそれは、紛れも無くフィリオ・プレスティが病院で診察を受けた時のカルテだった。
 ……本来、カルテなんて個人情報の塊で病院の外に出してもいいような物じゃないと思うんだが。そんな風に思ったが、恐らく以前会った事のあるイスルギの裏のような者達が動いたのだろう。幸いこのカルテは本物じゃなくてコピーだし。

「……兄様」

 ポツリ、とスレイの口から漏れる声。その声には何故自分の敬愛する兄が不治の病にという悲しみ、こんな状態になっているにも関わらず妹の自分には何も話してくれなかったのかという怒り、フィリオの無念さを思っての憤りといった色々な感情が入り交じっている。
 そしてそのまま数分程、お互いに一言も喋らずに部屋の中は静寂に包まれる。

「……アクセル、このカルテのコピーは借りてもいいな? 兄様を説得する為に使わせて貰いたい」

 カルテを封筒に戻しながら尋ねてくるスレイに頷く。

「構わない。ただ、ホワイトスターで治療するにもそのカルテが必要だってのは分かってるな? 一応どこかでコピーでも取っておけ」
「分かった。では私は早速行ってくる。……その、色々と気に掛けてくれて感謝している。必ず兄様を説得して連れてくるから」

 決意の視線を込めてそう呟くスレイ。このまま送り出してやりたいところだったが、一応その背へと声を掛ける。

「昨日も言ったが、フィリオ・プレスティの治療はあくまでもシャドウミラーに所属するというのを向こうが了解したらの話だ。これは取引。ギブ&テイクだと言うのを忘れるなよ。もしその契約を破られた場合は、こっちもそれ相応の対処をせざるを得なくなる」
「……分かった」

 小さく頷き、部屋を出て行くスレイを見送った後でソファへと寄り掛かる。
 さて、スレイがフィリオを連れてくる可能性はどのくらいだろうな。最善の結果はアイビスやツグミ、アステリオンAXとセットでシャドウミラーに来てくれる事だが……フィリオの性格的にそれは難しいか。
 そんな風に考えていると、部屋の通信装置が着信を知らせてくる。
 ……この部屋を知ってるのはスレイとミツコくらいの筈だが、スレイはたった今出て行ったばかりだ。そうなると誰からの連絡なのかは考えるまでもないだろう。
 そんな風に思いながら通信スイッチをONにすると、モニタに表示されたのは予想通りにミツコの顔だった。いつも通りに笑みを浮かべてはいるが、どこかいつもとちょっと様子が違う。これは軽い苛立ち、か?

「どうした? カルテなら受け取ったが、何か手違いでもあったのか?」
『いえ、その件については何もありません。それ程の労力は必要ありませんでしたし』
「じゃあこの通信は?」
『今回の通信はその件とは全く無関係です。実は現在、東京の浅草がテロリストだと思われる集団に襲われております』

 浅草? となると、修羅の襲撃か。確かコンパチブルカイザー登場のシナリオだった筈だが。

「それがどうかしたのか?」

 何となく話の流れが読めたが、ミツコに先を促す。

『そのテロリストと思われる存在はリオン系列の機体を利用しておりまして……ケネス・ギャレット少将にイスルギ重工が疑われて困っておりますの』
「リオン系列は幅広く販売されている機体だろう?」
『ええ。ですが、その……お恥ずかしい話ですが、うちには前科がありまして。その為に疑いを晴らせないのです』

 なるほど。ヴァルシオン改・タイプCFの件か。となると、やはりOG2の始まりのあの事件も引き金はイスルギ重工が引いていたんだな。

「……それで、それを俺に知らせてどうしろと?」
『出来ればこの件、イスルギ重工の手で収めたいのです。最低でも連邦軍にイスルギ重工が協力した形で』
「それを俺にやれ、と?」
『ええ、お願い出来ればと。出来れば彼女にもお願いしたかったのですが、部屋の様子を見る限りでは既にそちらにはいませんわよね?』
「ああ。早速フィリオ・プレスティを説得してくると言って出て行ったよ」

 そう言いつつも、考える。今回の戦いで出て来る連邦軍機は確か量産型ゲシュペンストMk-Ⅱ改に乗ったカイと、アンジュルグのラミアだけの筈。俺の正体を本能的に察知出来るリョウト、ブリット、アヤの3人は参加していない。懸念材料としては俺の副官的な役割を果たしたラミアが機体制御とか攻撃の癖から俺に行き着く事になる可能性だが……

「機体はどうする? 当然俺の専用機でもあるグロウセイヴァーを使う訳にもいかないが、そうなると俺の手元に現在ある機体で最も性能が高いのはガーリオン・カスタムになってしまう」

 まぁ、正確に言えばトリニティゲインもあるんだが……それこそあれはグロウセイヴァーとは別の意味でシャドウミラーの象徴と言ってもいいような機体だからな。人目に晒す訳にもいかないだろう。
 そんな俺の問いに、ミツコは笑顔を浮かべながら頷く。

『その点は問題ありません。昨日言われたミロンガを用意してありますわ。もちろんアクセルが希望した変声機も完備してあります』
「……少し時間が掛かるとか言ってなかったか?」
『その予定でしたが、ウォン重工業の方に多少の無理を聞いて貰いましたの。何しろ一応親企業ですので』

 そのくらいのゴリ押しはお手の物、か。

「ちなみにODEシステムとかは?」
『最初は搭載予定だったのですが、ウォン重工業の技術者によるとイレギュラーなデータは無い方がいいとの事でしたので取り外されています。いたって普通の機体として使用可能ですわ』

 ふむ、最大の懸案事項でもあるODEシステムも搭載されてないとなると特に問題は無いか。

「了解した。ならすぐに機体を受け取って浅草まで急行する。連邦軍へと連絡とか諸々の手続きの類はそっちで頼む」
『ええ。存分に暴れて下さいまし。新型量産機のお披露目も兼ねておりますので』

 こうして、俺はいよいよOG外伝での戦闘へと初参加をすることになる。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:40
PP:120
格闘:270
射撃:290
技量:280
防御:280
回避:310
命中:330
SP:478
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???

撃墜数:411 
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