すべては・・・あの日から
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
夢?
「・・・っつ・・・?」
学校を出たはずなのに、気がつくと教室にいた。時計を見ると学校を出た時間と同じだった。
乗り物酔いしたような感じで具合が悪い。
「だいじょうぶ?奏君。具合良くないんじゃない?」
そこにはアニメに出てきそうな可愛い女の子がいた。女の子といっても制服を着ており高校生ぐらいだ。
っていうかなぜ俺の名前を知っているのだろう。そう、俺の名前は如月奏。
「なぜ知っているのかというと、制服に名札が付いてるからだよ。」
確かに俺の制服には名札が付いていた。にしても、誰だろう?
「わたしは後鳥羽・ソフィーナ・瑠奈だよ。ソフィーナって呼んでもいいし、
瑠奈って呼んでもいいよ。」
「じゃあ、瑠奈で。」
っていうか、何人?外国の人?でも何で声に出してないのに会話が成立してるんだ?まっ、まさか
心が読めるとか!マジか!超能力者なのか?ってことは、いま思ったこともすべてお見通し?恥かしー
ドカッ!!
「ばっかじゃねーの!全部声に出てるっつーの」
「いったー、本の角で殴るなんてひどいじゃない・か・・・」
視界が歪みものすごく頭が痛い。
そこで俺の記憶が途切れた。
「ちっ、また気絶かよ」
・
・
・
・
「あれ、ここは?俺、死んだのか?本の角で殴られて?」
周りを見渡すとテレビでみたことあるヨーロッパみたいな街だ。
「死ぬとヨーロッパみたいな街に行くのかな?」
人は誰もいない。しかしそれがまた大人っぽく落ち着いた雰囲気を醸し出している。
「奏君♪」
「瑠奈・・・さん」
危ない危ない、下手に呼び捨てしてまた殴られたらたまったもんじゃない。
「別に呼び捨てでもいいよ♪」
「あれ、俺また声に出てた?」
「うん♪」
「ってゆうか、ここどこ?俺って死んだの?」
「違うよ、死後の世界なんかと一緒にしないで!ここは死後の世界じゃないから。ここは、
私の生まれ故郷だよ♪」
瑠奈は楽しそうにくるくる回っている。
「生まれ故郷?やっぱり外国人なんだ。」
奏は歩き出し、瑠奈はそのあとを追うように歩く。
「外国人じゃないけど・・・それより奏君にお願いがあるの!」
楽しそうだった瑠奈の表情は一変し真剣な表情になった。
「なに?」
「私を本当の故郷に連れて行って!」
突然のことで奏の頭はパンク寸前だった。
「どういうこと?」
「だから、私を本当の故郷に連れて行って。」
瑠奈の瞳はまっすぐ俺を見ている。とてもきれいな瞳で目線を外せない。しかし瑠奈からは
「私を本当の故郷に連れて行って。というお願いを断ったら、どうなるかわかってるよな。」
といった感じの怖いオーラが出ている。
「わかった・・・」
「よかった!やっぱり奏君は優しいのね♡」
瑠奈は奏に思いっきり抱きついた。
「ちょっ、瑠奈!」
奏は顔を真っ赤にしながら言った。
「ありがとう」とつぶやく瑠奈は、小さい子供のように微笑んだ。身長的に奏のほうが大きく、
瑠奈を見ると上目遣いになっている。とてもかわいい瑠奈を見ている奏の視界は
だんだんぼやけていき真っ暗になった。
目をあけるとそこは、自分の部屋だった。
「あれ?夢だったのか?」
周りを見渡しても瑠奈の姿はなかった。
時計は学校を出た時間をさしている。体がだるく、頭も痛かったので俺は眠りについた。
ページ上へ戻る