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転生とらぶる

作者:青竹
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スーパーロボット大戦OG外伝
  0475話

「こ、これは……」

 俺の横に現れたコンテナに唖然とした声を上げるスレイ。まぁ、いきなり空間に穴が空いて5m程の大きさのコンテナが姿を現したのだから無理もない。

「アクセル・アルマー……お前は一体?」
「驚くのはまだ早いぞ」

 驚きのあまり固まっているスレイをそのままに、コンテナを展開させる。立方体のコンテナがそれぞれスライドし、サイコロを切り分けたような状態に変化すると、その中にはコンテナにギリギリ入る程度の機械の塊が存在していた。
 俺にしてみればSEED世界で1度見ているだけに、特に驚くようなものでもない。そのままコンテナの中に存在していた機械の塊――ゲートシステム――へと近づき、モニタに表示されている『ゲートシステム起動』を選択する。
 次の瞬間、SEED世界の時と同様にゲートが一瞬だけ強烈な光を放ち周囲を眩く照らし出す。

「きゃあっ!」

 大人っぽい顔立ちに似合わぬ悲鳴を上げるスレイだったが、やがて光が消えると自分の上げた悲鳴に気が付いたのだろう。眉を微かに顰めて俺を睨みつけながら口を開く。

「あまり驚かさないでくれないか」

 頬を赤く染めているのを見ると、怒っているのか……あるいは悲鳴を上げたのを聞かれて照れているのか。どちらかと言えば後者だろうな。
 そんな風に思いながらゲートシステムのモニタへと視線を向けると、そこには『ゲートシステム正常作動中』と表示されており、ゲートシステムとリュケイオスのリンク装置により世界間の固定化が成功した事を教えてくれていた。

「これがシャドウミラーが利用しているという転移装置なのか?」
「ああ。俺達が元々使っていたシステムXNにインスペクターの技術やエアロゲイターの技術を使って、より安定性を高めた代物だ」
「エアロゲイター? どこからそんな技術を……いや、それよりもこのゲートシステムとやらを一体どこから取り出したのだ? それにさっきの穴は……」

 突然出て来たエアロゲイターという単語に混乱するスレイ。まぁ、俺達シャドウミラーが本格的に活動を始めたのはインスペクター事件からだからしょうがないと言えばしょうがないか。
 もっとも、オペレーションSRWではインビジブルマンというコードネームを貰ったりしたんだが。

「アクセル隊長? 今回は随分と早かったですね」

 やがて通信ウィンドウの向こうに技術班の1人が姿を現し、驚いたようにそう告げてくる。

「ああ。そっちではどのくらい経った?」
「隊長が転移してからざっと1日程度といった所です」
「なるほど、そうなるとそっちとの時差は今回殆どなかったか。幸運と言うべきだな。そちらでもリンク装置は正常に稼働しているな?」
「はい、問題ありません」
「そうか。では、これからそちらに転移する。客を1人連れて行くから、レモンを呼び出しておいてくれ」

 そう告げ、未だに訳が分からない状態になっているスレイを呼び寄せてゲートスシステムの転移装置を起動させる。

「あ、それがその、レモン様は魔法球の方に……」
「あー……じゃあ誰か中に入れて知らせてやってくれ。一応今回の件はレモンがいないと話が進まないからな。あぁ、それとこっちの警備をする為に量産型Wも数を揃えておくようにな」
「分かりました。では、隊長が戻るのをお待ちしています」

 技術班の男がそう言って通信が切れる。そして同時に転移フィールドが生成され、スレイと俺を包み込み……次の瞬間には俺達の姿はホワイトスターに存在していた。
 見えるのは限りなく広い空間である、ホワイトスターの転移区画。周囲を素早く見渡し、スレイが口を開く。

「アクセル・アルマー……ここは?」
「俺達の本拠地だ。……では、改めて。ようこそシャドウミラーの本拠地、ホワイトスターへ。スレイ・プレスティ、俺はお前を歓迎する」
「……何?」

 最初、何を言われたのか分からなかったのだろう。数秒程動きを止めて、俺の言葉を反芻し……やがて驚愕に目を見開く。

「ホワイトスターだと!? 馬鹿な!?」
「言っただろう? 俺達はエアロゲイターの技術も吸収していると。どこからその技術を得たと思っているんだ?」
「それがホワイトスター?」
「ああ。お前も短期間とは言ってもノイエDCに所属していたのなら知ってるんじゃないのか? L5戦役の後半に現れたインビジブルマンという存在を」
「それは知っているが……待て。お前の今の口調から言うと……」
「ああ。L5戦役の時にこのホワイトスターを入手した。あっちの世界でもホワイトスターの突然の消滅は有名だっただろう?」
「いや、だから! コロニー並の大きさを持つというホワイトスターをどうやって手に入れたと言うんだ!」

 いつも冷静なスレイらしくないその様子に、思わず笑みを浮かべて空間倉庫を展開。中から冷えた紅茶の入っているペットボトルを取り出す。

「ほら」

 放り投げられたそのペットボトルを受け取り、未だ展開したままの空間倉庫と俺を見比べるスレイ。

「まさか……それか!?」
「正解。これは俺の持っている特殊能力の1つで空間倉庫と言う能力だ。名前通りにどこかの異空間を倉庫のようにして使える。そして空間倉庫の容量についてはまだしっかりと確認した訳じゃないが、少なくても俺達が今いるホワイトスター程度なら収納可能な訳だ」
「馬鹿な……信じられん。……いや、待て。ここがホワイトスターだというのは取りあえず納得するとしよう。だが、ホワイトスター程の巨大建造物があれば連邦軍に嫌でも見つかる筈だぞ。だが未だにそういう騒ぎは起きていない。これはどうなっている?」

 少しでも情報を得ようと言うのだろう。周囲へと鋭く視線を送りながら尋ねてくるスレイ。
 俺はその様子に、軽く肩を竦めながら説明を続ける。

「何。そう難しい話じゃない。お前も知っての通り、ヒリュウ改とハガネはアインストの巣としか言えないような空間に引きずり込まれた。それは知ってるな?」
「ああ。ミツコ・イスルギからその辺の情報は聞いている。……私も現場にいたしな」

 ……ん? あぁ、そう言えばそうだったか。確かシロガネを回収する目的でスレイもイスルギ重工の者達とドルムに来ていたのだったか。それでクライウルブズと鉢合わせをするというシーンがOG外伝の序盤にあった気がする。

「とにかく、その空間に引きずり込まれて無事アインストの親玉が倒されたのはいいんだが……結果的にその空間が崩壊を始めてな。ヒリュウ改やクロガネはどうやって脱出したのかは知らないが、俺達シャドウミラーは次元の狭間とも言える場所に吸い込まれてしまった訳だ。で、俺が手に入れていたホワイトスターをその次元の狭間に取り出してそこに入り込んで今に至る……と言う訳だな」
「ちょっと待て! するとここはその次元の狭間だと言うのか!?」
「そうなる。現在進行中でこのホワイトスターがあるのは次元の狭間。即ちどこでもない場所にして、あらゆる世界に繋がっている場所。そんな場所にあるホワイトスターを、連合軍が発見出来る訳ないだろう?」
「……お前の言ってる内容が事実なら、確かにそうだろうな。なるほど。あのミツコ・イスルギが世間では敗残兵としか思われていないシャドウミラーと手を組むというのはおかしいと思ったが、そう言う裏があった訳か」

 いや、正確に言えば鵬法璽で契約の言質を取ったからなんだけどな。まぁ、この勘違いは俺達に取っては有利に働くから特に訂正するつもりもないが。

「あらあら、アクセル。今回は随分と早く帰ってきたのね」

 唖然としているスレイと、それを眺めている俺。そこに近づいて来たエアカーから声を掛けて来たのは、言うまでも無くレモンだった。転移前に技術班の男に言ったように、早めに動いて魔法球に伝言を伝えたのだろう。

「レモン」

 艶然とした笑みを浮かべながら抱き付いてくるレモンを抱き返す。

「あら? そっちの子は確かアースクレイドルで何度か見たわね」

 極めて自然にスレイの方を見るレモン。
 前もってフィリオとスレイに関しては話してあったというのに、それを感じさせない程自然に尋ねている。

「スレイ・プレスティだ。実はアクセル・アルマーから兄様が不治の病だと聞かされ、それがこのシャドウミラーの下でなら治療可能だと言われて……」
「なるほど。それが本当かどうか確かめに来たのね」
「ああ。……率直に聞く。お前は本当に兄様を治療出来るのか?」

 スレイのその質問に、胸の下で手を組んで小さく首を傾げるレモン。
 思わずその大きく盛り上がった胸に視線を向けるが……意志の力を総動員して何とか視線を逸らす。
 そんな俺を悪戯っぽい笑みを浮かべながら見ていたレモンだったが、やがてスレイの方へと視線を向ける。

「確かにこのホワイトスターにあるエアロゲイターの高度な施設と、Wシリーズを作り出した私の知識があれば大抵の病気は治療可能よ。ただ、どんな病気なのか教えて貰わないとさすがに手の打ちようがないけど」
「それなら今頃、ミツコに調べて貰っている。そう遠くないうちに判明するだろうさ」

 そう言った途端、レモンが笑みを浮かべて俺の方へと視線を向けてくる。
 ただしその笑みは先程の悪戯っぽいような笑みではなく、どちらかと言えばニヤリとした笑みだ。

「へぇ、ミツコ……ねぇ。いつの間にローズとそんなに親しくなったのかしら?」
「……言っておくが、別にやましい所はないぞ。今更コードネームのローズと呼ぶのも、あるいはイスルギと呼ぶのも目立ちそうだから名前で呼んでるだけだ。向こうも俺の事はアクセルと呼んでいるしな」
「まぁ、いいわ。それは後であっちの世界に行ったら本人に聞くから。それよりもスレイ、私の研究室に案内するからいらっしゃい。そこに治療器具に使える物は置かれているから。……あぁ、そう言えば今はそこで数人程別の治療を受けている子達がいるけど、その辺の話は聞いてる?」

 エレカの運転席へと乗り込み、スレイを手招きしながらレモンが尋ねる。

「その件についてはここに来る前に聞いている。何でも遺伝子の治療と薬物の治療だとか何とか」
「そ。ならいいわ」

 小さく頷き、スレイが助手席に乗ったのを確認したレモンはエアカーを発進させる。

「って、おいちょっと待て。俺は置いてけぼりか!」
「アクセルには悪いけど、ここからは女同士の話よ。悪いけど遠慮して頂戴。ああ、コーネリアとマリューにはアクセルが帰ってきたって連絡が行ってるから。今日は家に泊まっていきなさい」
「お、おい。いいのか!?」

 俺を置いていくというのに何やら驚いた表情をしているスレイを乗せたまま、レモンの操るエアカーは研究室の方へと向かっていく。
 溜息を吐きながらそれを見送った俺は、量産型Wにエアカーを持ってくるように指示をして……10人程の量産型Wを引き連れてこちらへと向かって来ている技術班の男に気が付いた。先程通信に出ていた男だ。

「隊長、向こうに送るのは10人程度でいいですか?」
「その程度で問題無い。何しろ山奥の人気の無い場所にゲートを設置したからな。そうそう侵入者は来ないだろう」
「分かりました」

 技術班の男はリュケイオスを操作して、量産型WをスパロボOGsの世界へと送り出す。それを見届けた俺は、エアカーへと乗り込もうとして……

「アクセルさん!? 何時戻って来たんですか!?」

 唐突に聞こえてきたその声に動きを止める。
 そこにいたのは、三つ編みの髪と眼鏡に白衣。既に言うまでも無く、殆ど毎日のようにホワイトスターへと通ってきている葉加瀬聡美の姿だった。

「ちょっと前にな。向こうの世界の病人をホワイトスターで治療する事になりそうだから、その病人の妹に本当に治療可能かどうか見てみたいと言われて連れてきた」
「……いいんですか? その、そんな簡単にホワイトスターの情報を開示して」
「問題無いさ。何しろその妹は極度のブラコンだからな。……そうだな、葉加瀬に分かりやすく言うのなら、桜咲が近衛に向けている好意みたいな感じだ」

 その言葉に葉加瀬は殆ど反射的に吹き出す。

「そ、それって兄妹って言わないんじゃ……」
「さて、どうだろうな。本人としては立派な兄妹のつもりのようだが」

 そう言い、ふと気が付く。脳裏に空間倉庫のリストを展開し、そこから鵬法璽を取り出して葉加瀬へと放り投げる。

「キャッ! ちょ、アクセルさん!?」
「悪いが、それをネギに返しておいてくれ」

 本来であれば俺が持っておきたいアイテムではある。だがその呪い級の威力を知ってしまった今、このまま所持していた場合は何かあったらこれを使えばいいと安易に使ってしまいそうな気がする。鵬法璽を多用すると言う事は、即ち俺が他人を信じられなくなると言う事だ。今回、ミツコに対しては腹芸でどうしようもないから使ったが、これ以降俺が持っていると恐らく良くない事が起きるだろう。
 そう判断した俺は、ネギやエヴァという専門家に丸投げする事にしたのだった。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:40
PP:120
格闘:270
射撃:290
技量:280
防御:280
回避:310
命中:330
SP:478
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???

撃墜数:411 
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