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久遠の神話

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第六十一話 図書館でその十

「明日が普通にあって。普通に学校に行って部活して御飯食べて」
「それがよね」
「本当に何でもないと思ってたよ。けれどね」
 それがだというのだ。
「剣士として死ぬかの中にいて」
「ずっと戦うかどうかも悩んでいたわよね」
「今も戦いたくないよ」
 このことは絶対にだった、決意してからも。
「死ぬのは嫌だしそれ以上に誰かを傷付けることは」
「同じ人間をそうするのは」
「うん、人を傷付けたくないから」
 心優しい上城にとってはそれはとても出来ないことだった、彼の剣道は活人剣なのでこう考る様になっているのだ。
 それでだ、彼はこう考えているのだ。
「剣道は人を傷付けるものじゃなくてね」
「生かすものよね」
「そう、活人剣だからね」
 彼の剣道はそれだからだというのだ。
「それはしたくないから。戦いはしたくないんだ」
「それでも決意したわよね」
「うん、そうなんだ」
 その通りだと答える。
「こんな無益な戦いを終わらせたいって思って」
「それで悩んで」
「決意したんだ」 
 戦いを止める為に戦う、そのkとおをだというのだ。
「僕はそうしたんだ」
「死ぬかも知れなくても」
「それでも決めたんだ。この戦いを終わらせるってね」
「人と人がお互いに殺し合う戦いをね」
「それも自分の欲望の為にね、それも人間かも知れないけれど」
 だがそれでもだというのだ。
「間違ってるから」
「その人間として」
「そう思ったから僕は選んだんだ」
 戦いを止める為に戦う、そのことをだというのだ。
「戦うことをね」
「だから今日も」
「今日で殆ど終わればいいね」
 言葉は切実だった。
「出来れば誰も死なないで」
「そうよね」
「無理かな、やっぱり」
「物凄く難しいと思うわ」
 樹里は自分が思っていることを率直に述べた、それはというのだ。
「やっぱりね」
「そうだよね」
「皆必死だから、その目的の為に」
「うん、だからね」
「戦ってでも手に入れたいものが目の前にあったら」
 それならばだった。
「人ってどうしてもね」
「戦いを選んだりするわよね」
「よく考えたら僕はね」
「上城君は?」
「そういった欲望は今ないんだよね」
 こう樹里に話す。
「実はね」
「そうなの」
「うん、漫画とかで欲しいものはあるけれど」
「お小遣いで買えるわよね」
「ゲームでも服でもね」
 そういったものもだった。
「まして剣士は怪物を倒せば金塊が手に入るから」
「一回の戦いで数百万は絶対に手に入るわね」
「王さんは何十億も欲しいみたいだけれど」
「漫画とかじゃそこまでかからないわね」
「数百万あればね」 
 一回の戦闘で手に入るだけれどがあればというのだ。 
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