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ヘタリア大帝国

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TURN111 二つの切り札その七

 彼等は今は役割を分担した、コンドラチェンコはニガヨモギに専念し主力艦隊はロシアが指揮を執ることになった。
 このことが決まったのは速かった、だが。  
 そのタイムラグがあった、そしてその間にだった。
 枢軸軍はさらに攻めていた、特にニガヨモギを。
 ニガヨモギはコンドラチェンコの指揮下に戻り枢軸軍全軍への攻撃に入ろうとしていた、しかしその大怪獣に。
 枢軸軍潜水艦艦隊は集中攻撃を浴びせる、艦隊ごとの攻撃ならニガヨモギの体力なら何の問題もなかった。 
 だが何個艦隊もそうしてくる、その数はというと。
「六個はあるな」
「敵の潜水艦艦隊はですね」
「ああ、はっきりとはわからないがな」
 コンドラチェンコは敵の攻撃を調べながらラトビアに言う。尚これまでの田中、エルミー、〆羅、ベートーベンに加えてリディアとカナダも潜水艦担当になっている。
「それ位はな」
「枢軸軍の割合では多くはないですが」
 枢軸軍はおおむね戦艦か大型空母を主力としている、潜水艦の割合は少ない。
 だがそれでもだった、数は少ないが。
「一個艦隊ごとの能力が高いですね」
「隠密性が高くな」
 それにだった。
「魚雷の性能も高いな」
「はい、それもかなり」
「あの攻撃力だと戦艦も吹き飛ばせるな」
 そこまで強いというのだ。
「特に一個艦隊かなり隠れるのが上手いみたいだしな」
「まさかカナダさんでしょうか」
 ラトビアは直感で彼ではないかと言った。
「あの人目立たないですから」
「ああ、カナダか」
「はい、あの人ならそこにいても中々見つからないですし」
「あの人連合にいたんだよな」
 コンドラチェンコも真顔で言う。
「そうだよな」
「はい、実は」
「ずっと忘れていた、しかも連合国の会議にいつもいてな」
「誰も気付かなかったみたいですね」
「あの人実は能力も高いんだよ」
 このこともいつも忘れられる。
「潜水艦艦隊にはもってこいか」
「あの、もう一波総攻撃を受ければ」
 ニガヨモギは今も潜水艦艦隊の攻撃を受けている、相手の姿は何処にも見えない。
「如何に大怪獣といえど」
「ソナーを持っている艦はな」
 見れば敵の艦載機に真っ先にやられていた、枢軸軍もわかっていた。
「今はないな」
「どうやら事前にまずニガヨモギを何とかしようって思っていたみたいですね」
「そうだな、これはまずいな」
 もう一枚の切り札スノーもいない、これではだった。
「祖国さんも頑張ってるけれどな」
「僕がそっちに行きましょうか」
 ラトビアはどうしてもという口調でコンドラチェンコに言って来た。
「今から」
「祖国さんに許可を得てか」
「はい、そうしましょうか」
 ラトビアは潜水艦艦隊を率いている、だからだというのだ。
「今から」
「そうしてもらいたいけれどね」
 だがすぐにだった、そのラトビアに他ならぬロシアが言って来た。
「こっちも潜水艦欲しいんだ」
「あっ、こっちの戦局も」
「うん、ラトビアは枢軸軍の後方に回ってくれるかな」
「潜水艦艦隊を率いてですね」
「それで敵の後方から攻めて」
「わかりました、それじゃあ」
「ニガヨモギの方は悪いけれど」
 ロシアはラトビアに話してからコンドラチェンコに申し訳なさそうに告げた。 
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