ヘタリア大帝国
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TURN111 二つの切り札その二
「彼女の冷気は各鑑にある防寒設備で何とかなるがだ」
「問題はあるか、まだ」
「吹雪はどうしようもない」
冷気による性能低下はなくともだというのだ。
「視界やレーダー、ソナーに影響が出る」
「敵艦隊への狙いは定めにくいか」
「そこが問題になる」
こう東郷に話すのだった。
「ここはな」
「まずは冬将軍をどうにかすることか」
東郷は腕を組んで述べた。
「さもないと狙いが定められずそれだけ戦局が不利になる」
「その方がいいな」
ドイツがその東郷に述べる。
「そしてそれからだ」
「ニガヨモギだな」
「そうした方がいい」
「ですがニガヨモギの傍にです」
ここでのぞみが再び偵察で見てきたものを話す。
「コンドラチェンコ提督が自ら率いる艦隊を置いていまして」
「露払いを担当しているか」
「それが問題かと」
「そうか、あの提督がいるか」
「ニガヨモギだけでもかなり厄介ですが」
それに加えてだというのだ。
「あの提督もいますので」
「わかった、ニガヨモギとコンドラチェンコ提督に向かう艦隊を決める」
東郷は落ち着いた声で述べた。
「それもな」
「侵攻の時に」
「冬将軍を何とかする艦隊もだ」
彼女についてもだった。
「真っ先に向ける」
「では今から」
「向かうのですね」
「策は出来た」
東郷は一同に言った、そうしてだった。
枢軸軍の主力はロシア平原に向かって出撃した、その彼等の中で。
その中でイタリアとロマーノががちがちと歯を鳴らして身体を震えさせていた。
そのうえでだ、二人はこう言うのだった。
「うう、今日はとりわけ寒いね」
「ああ、そうだな」
「もっとストーブきかそうよストーブ」
「これで最大限だよ」
ロマーノはこう弟に言う。
「これでもな」
「そうなんだ」
「ああ、イタリン軍の基準だとな」
南欧の彼等のだというのだ。
「これで限界だよ」
「コートも着るブーーー」
「あとロシアさんから貰ったウォッカ飲むブーーー」
ポルコ族の面々が二人にそういったものを差し出す。
「さもないと寝てしまうブーーー」
「寝たら終わりブーーー」
「ああ、そうだな」
「それじゃあね」
「あと温かい食べ物作ったブーーー」
「皆で食べるブーーー」
ポルコ族の面々は料理も出してきた、イタリンの料理の中でも温かいものをである。
「とにかく今は温まるブーーー」
「祖国さん達もそうするブーーー」
「そうだね、寒いと食べないと」
「飲んでコートも来てな」
二人も彼等に応える、そうして温まりながらだ。
二人はここでだ、彼女についても話すのだった。
「この寒さはスノーさんだけれど」
「あの人の力ってのは凄いな」
「只でさえ寒いソビエトがこんなに寒くなるなんて」
「有り得ないぞこの野郎」
寒さを凌ぎながらの会話である。
「けれどこれなら」
「ああ、あの連中でもな」
「ソビエト軍も凍らない?」
「くそっ、やっぱり艦の暖房もっときかせるぞ」
ここでロマーノはこう言った。
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