SDガンダムGジェネレーション・オーバーワールド サイドストーリー
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クリスマスイブ
前書き
クリスマスイブなので書いてみました。
「「「「「メリークリスマス!!!」」」」」
一斉にグラスを持ち上げて乾杯しあうクルー一同。今日は、12月24日。年に一度のクリスマスイブであった。様々な世界の住民が集まってるキャリーベースのメンバーであったがこの日は、どの世界でも共通しているところでもあった。
「クリスマスか・・・」
和也は、グラスを持ちながらパーティー会場となっている食堂の端で様子を見て過ごしていた。
「(確か、去年はアイツと過ごしていたな。)」
そして、1年前ので出来事を思い出していた。和也にとって大切な思い出となってるあの日を・・・
「うぅ。寒いな。こりゃあ、雪降るか?」
和也は、電車から降りて改札口を出ると冷たい風が通っていく。久々に帰ってきた故郷は、珍しい雪が降りそうな天気となっていて気温も下がっているみたいであった。
「さてと、アイツはまだ来てないのか。ったく、いきなり呼び出した癖に遅刻か。」
和也は先日、自身が現在住んでいる寮に直接連絡してきて呼び出した者を思い出していた。急に呼び出されたので有給とるのが大変であった。急な休暇だったので同僚たちに茶化されたのを思い出してしまっていた。
「おーい!お兄ちゃーん!」
暫く待っていると待ち合わせ相手が走ってきた。セミロングのストレートの黒髪をなびかせながら手を大きく降りながら和也の元へとやって来た。
「遅いぞ。結衣。遅刻だ遅刻。」
「はぁ、はぁ、はぁ。ご、ごめーん!レッスンが長引いちゃって。」
彼女の名前は、『天宮結衣 (あまみや ゆい)』。正真正銘の和也の妹であり和也を呼び出した張本人であった。彼女は、現在アイドルとなるためとある事務所に所属していてアイドル候補生として日々己を磨いていた。
「レッスンって、お前俺を呼び出しておいてレッスンしてたのか。しかも、クリスマスイブに。」
「別にいいじゃん!お兄ちゃんなんだから。それくらい大目にみてよ。それに、トップアイドルになるためにはクリスマスイブだからってレッスンを休む訳にはいかないよ!」
結衣は、頬を膨らめながらそっぽを向いてしまった。
「はいはい。結衣は頑張ってるよ。それで?俺を呼び出した理由は何だ?」
和也は、話題を変えようと結衣に呼び出された理由を聞いた。急に呼び出された為、理由をきちんと聞いてなかったのであった。
「・・・デート。」
「は?」
「私と、クリスマスデートして。その後、家に帰って皆とクリスマスパーティーだよ。」
急にデートしてと言われてキョトンとしてしまったが直ぐに呆れた顔となった和也は、溜め息交じりの息を吐いた。
「全く、クリスマスに兄とデートする妹がいるか?」
「ここにいる。」
すかさず自分を指差す結衣。それを見て更に溜め息が強くなってしまった。
「お前、彼氏の1人くらいできないのか?」
自分の妹は、他者としての視点で見てもかなり可愛い部類に入ると和也は思っている。勿論、偏見とか一切ない。
「(勿論、俺は兄バカでもないしシスコンでもないからな。)」
「・・・だって、お兄ちゃんといっしよにクリスマスを過ごしたいんだもん。」
結衣は、和也に聞こえないくらいの小声で呟いた。和也は、何か言ったのは分かったがその内容を聞くことは出来なかった。
「ほら!大人の男性としてちやんとリードしてよね。」
「はいはい。それじゃあ、行くぞ。」
結衣は、和也の左腕に抱き付き街へとくり出していた。和也も妹のスキンシップに慣れているので抱き付いてきたのを振りほどくことなく歩いていった。
クリスマス一色になっている町並みを見ながら2人は、一緒に歩いていた。
「しかし、ここは変わらないな。と言ってもまだ4年位しか経ってないけど。」
「もう、そんなに経つんだ。以外と速かったね。」
和也は、高校卒業と同時に統合軍の訓練校に入学してそれ以来、帰って来てなかったのだ。和也達は服を見たりアクセサリーを見たりとショッピングを楽しんでいた。それは、久々の兄妹2人の時間であった。
「でも、町は変わらなくても私達は少しずつ変わってるんだね。」
「そうだな。俺は、統合軍人。お前は今やアイドル候補生になってるんだもんな。そういや、アイドルになるのって結衣の小さい頃からの夢だったよな?」
結衣が小さかった頃を思い出していく。その頃の結衣は、当時のアイドルのダンスを見よう見まねで踊りながら歌っていてたのを思い出していた。
「うん!でも、あの時とは違ってちゃんとした理由があるんだよ!」
「ほお?それは、是非聞きたいね。」
「私は、皆に元気を分けたいんだ!私の歌で、ダンスで少しでも私の元気を分けあげれるようになりたいんだ。そうしたら皆笑顔になって幸せになれると思うんだ。そうなれば、争いは少なくなると思うんだ。」
和也は、少し驚いていた。結衣がここまで考えてるなんて思ってもなかったから。
「まあ、まだまだ候補生の弱小アイドルではあるんだけどね。」
そう言いながら肩を落としていく結衣。そんな姿を見ていた和也は、微笑みながら結衣の頭に手を乗せて撫でていく。
「お前は頑張ってるよ。今日だって、みんなは休んでる中レッスンしてきたのだろ?」
「お兄ちゃん・・・」
「お前は夢に向かって真っ直ぐに歩いているそれを忘れるな。立ち止まりそうになったら俺や周りを頼れ。絶対に助けれやるから。」
そして、再び歩き出した2人の先に大きなクリスマスツリーが現れた。結衣は、そのツリーの下から上を見上げていた。
「結衣!」
すると、和也はポケットの中から綺麗に包装された包みを取り出して結衣に差し出す。
「頑張っている結衣にクリスマスプレゼント。」
「わあ!開けてもいい?」
和也の了承を受けて包みを破り箱を外した。箱の中身は雪の結晶の形をしたペンダントであった。
「・・・」
「あれ?気に入らなかったか?」
「ううん!凄く可愛い!お兄ちゃんにしてはいいセンスじゃん!」
結衣の顔が笑顔になって喜んでいく。そして、直ぐにペンダントをつけて和也に感想を求めた。
「よく似合ってるよ。」
「ありがとう!お兄ちゃん!これ、大切にするね!」
和也は、喜ぶ妹を見て安心した。帰る直前に同僚や上司の女性に色々聞いた甲斐があった。
「じゃあ、私からのクリスマスプレゼントは私のファーストライブの特等席の最優先件を与えます!」
「おいおい。ライブ所かデビューすらしてないじゃなんか。」
「こらからするんだもん!それに、未来のトップアイドルの初ライブの特等席だよ。将来絶対に自慢できることだよ!」
どこからその自身が出てくるのか分からないが結衣の顔は本気の顔をしていた。和也は、楽しいのか面白いかは分からないが微笑んだ。
「それじゃ、楽しみにしてるよ。」
「約束だからね!私のファーストライブは絶対に見に来てね!」
「ああ。約束だ。」
「(そう言えば、あの時から随分時間が過ぎたな。ファーストライブ行けなかったな。約束、破ってしまったな。)」
「和也さん?」
昔の事を思い出していたので美穂が近付いていた事に気付かなかった。
「どうしたんですか?気分でも悪いんですか?」
「ああ。違うよ。少し昔を思い出してたんだ。」
心配してくれている美穂を安心させるように微笑み立ち上がる。
「それじゃ、何か食べ物でも取りに行くか。美穂も来るか?」
「は、はい!」
「それじゃあ、本田未央歌います!聞いてください。ミツボシ☆☆★!」
未央が歌い出していく中、和也はパーティーの中に入っていった。今、この瞬間を楽しむために。そして、帰ったときに妹への土産話を増やすために。
後書き
メリークリスマス!!!
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